ツイッターを始めて2ヶ月以上が経ち、最近の旅行(バックパッカー)事情について、オッサンである私が知らなかった状況がかなりあることに気がつきました。一人旅やバックパッカーを養成したり、旅のテクニックをわざわざ教える(元)学生組織が多く誕生しているのですね。
 
こうした、”旅人”の「養成」「育成」「塾」といった組織について、とくに批判したりディスることはしません。参加したい人は勝手に参加すればいいだけだし、修学旅行タイプの行動を好む人もいるのでしょう。ただ、まあ、それを金儲けのネタにするのは下品だなとは言っておきますが。そもそも、「会社」をうたっている組織なのに、会社法や旅行業法で明示された「会社」「旅行会社」であるかは、かなり疑問符がつくものが目に付くのだが……それも、ここで記すのは控えておきます。
 
そして「インスタ映え」・・・サイト上では、通常あり得ないような妙に加工された風景写真が……あんな景色、おそらく誰も見たことがないよ!しかも、ドローン……空中から撮った映像って本人の目で見たものではないよね!何が言いたいかって、本人が実際に見たり触れたものでないならば、それってバーチャルなもの。サイトで写真を拾ってくればイイだけのような気がするのは、僕だけでしょうか?
 
昨今、若者たちの旅の質が大きく変わってきていることを実感します。私が学生だった20年以上前は、バックパッカーの旅と言えば、行き当たりばったりの一人旅。道に迷ったり、バスや鉄道に乗り遅れたり、ボッタくられたり、宿がなかなか見つからなかったり、美味いものと不味い食べ物が判らなかったり、もしかしたら騙されたり……そんなのは当たり前でした。とにかく何度も失敗を繰り返したが、腹立ちながらも、それが旅なんだよと、どこか笑いながら寛容に受け入れていました。だからこそ、インド人やエジプト人の悪口を言いながら、彼らをどこか憎めず、またそこへ旅立っていくのです。
 
そういえば、私の時代は、バックパッカーの愛読書と言えば、沢木耕太郎氏の「深夜特急」でした。沢木氏自身はマカオでカジノディーラーにしてやられたり、インドでは薬物を嗜んで厭世的な気分に陥ったりと、けっして快適で楽しい旅ではなかったのです。しかし、行き当たりばったりな行動の中で、様々な人との出会いや事件が彩りとなり、私たちバックパッカーを惹きつけたのでした。
 

私にとって、旅の楽しさとは?

私にとって旅とは、予定調和に陥らない、予測不能なものであり、だからこそ楽しいのです。この予定調和を避けるために、あえてツアーや旅の組織に属すことは避けたいのです。仲間とワイワイ騒ぎあったり、例えば、あそこへ行くには何時発のバスで何時間かかり、着いたら予約済みのホテルに直行し、どこどこを観光する。そんな旅行も楽しいものだし、1週間程度の短期旅行ならそうするのが合理的だとも思います。しかし、バックパッカーのような、ある程度の長期(2週間以上)旅行者なら、旅に効率性を追求することはかえってマイナスに作用するのではないでしょうか。良い意味で行き当たりばったりの中、様々なトラブルに遭いながらも現地の方との出会いや助けがあり旅行を続ける。そんな余裕を持った方がきっと楽しいと思います。
 
予定調和の世界ではないということは、様々な場面や状況の中でフレキシブルに行動する必要があります。トラブルに遭遇した際、いかに対応し無事に切り抜けることができたか、そうした経験を積み重ねることは後の人生にきっと貢献するものだと思います。また、旅とは未知の体験の積み重ねに価値があるのであり、それは写真などの映像には決して残すことはできないものです。


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