現在の日本では、各種社会データを見るまでもなく、人口減少のトレンドが不可逆的なものになっています。こうした趨勢に対し、政治では少子化を食い止めようとする施策、例えば幼児教育の無償化などが実現しようとしています。トレンドが決定的となった状況において、それに逆らう、つまり逆張り的な施策がうまくいくかどうかは言うまでもないことでしょう。流れが増し大きな波となって押し寄せている中、それにあらがうことは無駄なことだし、大きな国民財産(税金!)を失うことになります。いかに少子化対策を打ち、それに予算を投入した所で、いったん決着がついたトレンドを逆回転することなど不可能なのです。つまり、今さら若い女性たちが自らの人生を差し出して、人口を支えるだけの子供を産んでいただくことは想像しにくいでしょう。
 
とまあ、少子化が不可逆的なものなら、高齢者人口が今後ますます増加していくトレンドも不可逆的なものなのでしょうか。現在の60歳代後半から70歳代前半のいわゆる「団塊の世代」が人口ボリュームとしてはもっとも多く、ついで団塊の世代の両親を持つ現在の40歳代が中心の「団塊ジュニア」が多数を占めるのはご存知のことと思います。つまり、高齢化トレンドはこの2つのボリューム層が高齢化し生存する間は続くものであり、おそらく今後40年程度は続くトレンドであると思われます。
 
高齢者が大多数を占める社会・・・その弊害は・・・想像したくもありません!東京や大阪など一部の都市部を除き、もうすでに日常的な光景として拡がっていますよね。農村部では本来は重労働であるはずの農作業を腰が曲がった老人だけで行っている光景、地方都市ではシャッター商店街が連なってる中、老人たちだけでなんとか店番をする客のいない商店・・・こんなのは、ありふれた光景なのですよ。高齢化社会の弊害と記しましたが、そうした環境に身を置いてみれば、いちいち書き連ねなくても、もうたくさんという気がします。
 
高齢者がますます増加していく活力を失った社会、これが現在の日本の姿だと言えるでしょう。
 

高齢者人口の増加が問題となる社会自体が問題ですが・・・

人口減少トレンドにはあらがえないことを前提として、若年者層人口が減少する一方、高齢者層人口が増加することが問題であるならば、施策としては、若年層を増やすか、あるいは高齢層を減らすかの選択になると思います。しかし、上記で述べたように、若年者の増加が非常に困難であるのならば、高齢者を減少させる選択になると思います。ただ、ここで誤解しないでください、私は高齢者が減ればいいとか、そんな意見を言うのではありません。
 
本来、長寿化が進むことは喜ぶべきことであり、高齢者の増加が問題になることは本末転倒です。つまり、高齢者の方が幸せに残された人生を謳歌するための施策を考えるべきなのです。高齢者の幸せを実現しながら、人口バランスにおける高齢者の割合を減らしていくためにはどうすれば良いのか?例えば、高齢者が自発的意思のもと積極的に海外に移住するのならば、日本における高齢者の人口比率は減少するのです。
 
実は、私自身、高齢者の域に近づいてきましたが、終の住処として海外の移住先を探しています。
 

名もなきブロガーの提案:政策として高齢者の海外移住を推進すべき!

ここで想像してみましょう。南海のビーチに面した小綺麗なホテル、美しいプールサイドでうたた寝をしている自分。お腹が空いたらビッフェレストランで美味しい食事が待っている。病院設備や診療施設が常備され、毎日、キレイな/カワイイ/イケメンな看護スタッフが診断してくれる。スポーツ施設や映画館などのレジャー施設が完備され、キレイな/カワイイ/イケメンなスタッフが面倒を見てくれる。マッサージなども当然無料!・・・→→ここは天国ジャ~~!と叫びたくなります。
 
こんな「天国」を想像するのって楽しいですよね。もうとにかく理想郷をつくっちゃいましょうよ!それも税金で!そう、繰り返します、こうしたエリアを税金を投入しつくるのです。場所は日本である必要はありませんし、スタッフも日本人である必要はありません。例えば、フィリピンやインドネシア当たりの小島がよろしいでしょうか。スタッフも現地の人を安く雇いましょう・・・これぞ国際貢献ですよ!もう一度言いますね、政策として、例えば南国に「老人天国」を作り上げるのです。こんな場所だったら移住したいなと思われるような、理想郷を作り上げるのです。
 
さて、収支バランスだけで上記の課題をみてみましょう。要は、現状の税金による支出や負担と比べて、南海の「天国」の運営がどれほど軽くなるかということです。ざっくり言えば、現在の福祉関連費や医療関連費、年金負担などの社会保障関連費が大きく減少すれば、すばらしいのではないでしょうか。病院や介護施設などの施設整備や運営にかかわる費用、人件費などを日本基準で考える必要がなく、コストが安いフィリピンやインドネシア基準で考えれば、もしかしたら現在の財政の収支バランスが好転するのではないでしょうか。ちなみに、移住生活者は生活費が無料になる代わりに年金などの支給は停止する(つまり、年金を生活費に充てるという考え)ことで、地方財政における社会保険費は大きく減少しますね。
 
また、好景気&労働者人口の減少により人不足が叫ばれている中、この施策がもし実現すれば、現在、介護職など高齢者関連のサービス業に就く若者たちをその他の職種に転換することができます。また、そうした産業で必要とする人員を実質的に海外にアウトソーシングするため、労働移民の流入に一定の歯止めができます。
 
たまには、こんなたわいもないことを考えてみてもよろしいのではないでしょうか。ちなみに、「島流し」あるいは「姨捨山」のように受け取られないための「天国」イメージの作りこみも必要ですね。


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