アプリを活用しお金を集めて、無銭旅行をする若者たち

ツイッターをやり始めて半年近くが経ちましたが、そこで初めて知ったことがあります。最近は若い学生さんやフリーターの方を中心に、クラウドファンディングで募金を集め旅行をすることが、かなり広範に行われているのですね。しかも、ヒッチハイクをしたり、(以前に紹介をした)「カウチサーフィン」などのアプリを使って無料で泊めてもらうお宅を見つける。つまり、無銭旅行をしようとする人たちですね。なんか、こうした旅を薦める人たちも多いようで・・・(・_・)
 

「奢る⇔奢られる」の関係を説くことで、「奢られっぱなし」の状態を正当化?

こうした旅を推奨する人・・・おそらくツイッター上の有名人「×××」という方の影響でしょうか。ちなみに、この方の”思想”について若干説明をすると、「奢る⇔奢られる」という場を作ることで互いの体験などを話す場ができる、つまり体験や価値の共有・交換ができるとのこと。また、こうした場がコミュニティーとなり出会いの場が増す。さらに、「奢る⇔奢られる」という関係が回り巡り、社会に好循環を生む・・・とまぁ、このような、奢られるものにとって都合の良い言説が続くわけですね。こうした方って非常に頭が良く、理論武装することで行動を正当化することが得意ですよね。
 
私は、「奢る⇔奢られる」の関係について批判はしません。こうした「Give & Take」の関係については肯定します。奢られた方が奢ってくれた方に”恩返し”ができなくても、奢られた方が他の方に恩(金銭的な援助)を与える、その他の方は次に別の方に恩(金銭的な援助)を与えるといったものであれば、恩が循環していくわけですね。
 
ただ、このプロを名乗る「×××」という方に関しては、人に恩(金銭的な援助)を与えることには積極的ではないように思えます。奢られて、その場を共有することや楽しい話はするし、”有益な情報”を与えてくれるかもしれません。しかし、例えば500円奢られたとして、その方に500円を返すことはしないようです。
 
この方にとっては、場や情報の提供こそが奢られた対価としての提供物と思っているのでしょう。確かにそうです。奢った方は、その場や情報を買っているのです。でしたら、これは純粋な売買(商行動)であり、「奢る⇔奢られる」の関係ではありません。プロを名乗っているのですから、これはビジネスですよね。
 

ただお金が欲しいから旅発つの?援助されたらお礼くらいしようよ!

さて、旅に限定して話します。ツイッターを見ると、「Polca」などのクラウドファンディング用アプリ(Polcaは「フレンドファンディング」と謳っている)を用いて募金を集めて、お金を使わずに旅行をすることが流行っているようです。私の考えでいえば、旅行の目的が明確で意義があるもので、援助(スポンサー)の必要があれば、募金を集めることに問題はないし、かえって応援したいと思います。例えば、能力のある高校生が海外に出て修行/研究etcしたいが、金銭的に無理という場合。こうしたケースなら、未来ある若者のために援助をしたくなります。
 
問題なのは、旅に出る確たる理由もなかったり、金銭的にある程度余裕がある者が、ただ得をしたいから募金を募るケース。いや、こうした方でも、募金をしてくれた方に対価を返すのであれば良いと思います。人から何かしてもらったら、お礼を返すのは当然のことでしょう。
 
しかし、こうした方では、人からお金をもらったらもらいっぱなし、奢られたら奢られっぱなし、という品のない方が多いように思えます。そう、これは品性の問題なのです。
 

自分がトラブルに遭ったら、その負債を援助者に負担してもらおうという浅ましい根性

また、よく見受けられるのは、何か盗難などのトラブルに遭った場合、募金を集めて旅を続けるケース。こんなトラブルに遭って、よく旅を続けようとするなと思います。人に頼みこんで借金をして後で返すというのなら(100歩譲って)まだ理解できます。しかし例え盗難だとしても、自分がおった負債を人に負担してもらおう(募金してもらおう)という根性、浅ましくないですか。
 
私が以前ツイッターで見たものでは、ある高校生の話し。旅行費用ををPolcaで集める(かなりの大金!)⇒かなりの長期間(一年間?)の予定で世界一周旅行に出発⇒日本出発後すぐの段階で、入国ビザが必要な国にビザなしで入ってしまう⇒強制送還!ただ、この強制送還の段階で、帰国のための航空券代を賄うための費用を、Polcaで再び集める⇒募金が集まり無事に日本帰国!⇒現在、再び旅行に出る準備中(あるいは出国したかも)・・・
 
この高校生、こうした旅から何を学んだのでしょうか。トラブルに対して自力で解決することはせず、人から言われた通り、あるいは他人任せ。例えばビザの必要有無など事前に調べておくべき基本事項なのに、それすら情報を集めていない。ツイッターでは日本人宿に泊まり、日本語で旅を続けていた様子。また、帰国費用に関しても、それまでお金を集めたのだから、それを使うべきなのに、また募金をしだす。これって、(もともと他人が与えた)自分の所有するお金は減らしたくないということですよね。
 

旅は学びの場。トラブル対応は自力ですることに意味があり

旅って学びの場ですよ。情報を集めることから始まり、日本語以外の言語でもコミュニケートし、様々な異文化に遭遇することで、それまでの価値観を揺さぶられる、トラブルに遭遇したら自力で解決法を探る、こうして旅人としての経験値を高めていくものと思います。


<スポンサーリンク>