西武線を利用する方なら、こちらのパンフレットやポスターをご覧になったことがある方って多いのでは?そう、これは埼玉県横瀬町芦ヶ久保で見ることができる「あしがくぼの氷柱」のパンフレットです。今年度(2019年)は1月5日~2月24日まで行われており、とくに土日は多くの参観者を集める人気のイベント。実は私たち、2月4日にこの氷柱を訪れ、年甲斐もなく感激してしまった!今回の記事はこの素晴らしい「あしがくぼの氷柱」について報告します。
 

訪れる前の私は・・・氷柱に全く期待をしていませんでした、だって埼玉でしょ!?

普段の私なら、こうした”町おこし”を目的としたイベントに興味を惹かれることはなかったし、そもそも90年代から世界各地を旅行する身、このパンフレットを見ても触手を動かされることはなかった。まぁしょせんは埼玉でしょ…という得体の知れぬマウント意識が頭をもたげるのです。
 
実は、このしょせんは〇〇という意識が偏見となって、その土地の評価判断を狂わせてしまう。まあ例の南青山住民たちへの住民説明会の露骨な例を取り上げるまでもないでしょう。私自身、そうした偏見はなるべく排除するという方針で旅を続けてきたわけですが、意外にも日本国内、とくに東京近郊に関してはバイアスで目が曇ることが避けられないようです。例えば豊洲や武蔵小杉・・・あの辺の土地て昔は〇〇だったんだよなという意識がつい出てしまい、持ち上げる方は直近20年ほどの事情も調べていないのだなと冷めた目で見ていました。ところが、いざその土地を訪れると、開発スピードの進展にビックリ、これなら住みやすそうだなと思ったりする。
 
そう、自分にとって身近な土地や景観については”故郷=おらがまち”意識が強いため、多くの方は誇りを持っているし人からバカにされることは許せないと思います。しかし、自分の身近なテリトリーに隣接している他者や遠からず近からずという他者については、なぜか危機意識を持つことが多い。なぜなら、それらはライバルになりえるからです。
 
東京vs埼玉はこうした点がまさに当てはまる関係性だと思います。お互い自分たちの故郷(=仲間)に入れるほど近い関係ではないが、隣接しているために妙な牽制をしあう、互いに悪いところを見つけ出しては貶しあう関係って…これ、ネット上でよく見られる日本vs韓国vs中国の三者関係に似ていますよね。
 
このようなことを考えていると、あしがくぼの氷柱をこれまで避けてきたことは私の旅行ポリシーに合致しないことが判りました。伴侶に促される形で、2019年2月4日、重い腰を上げて芦ヶ久保へ日帰りで出かけました。
 

あしがくぼの氷柱へのアクセス、氷柱の公開時間などの基礎情報

こうした基礎情報については、横瀬町ホームページから、トップの「大切なお知らせ—あしがくぼの氷柱2019(最新状況)」をご覧ください。
 

私が見たあしがくぼの氷柱(2019年2月4日)

西武線池袋を10:20に出発する急行に乗り込み一路、飯能を目指します。ここで西武秩父行き各駅停車に乗換え12:00少し前に芦ヶ久保駅に到着しました。料金は片道700円(IC利用で699円)。
 
氷柱を探索する前にまずは腹ごしらえ。芦ヶ久保駅から見て階段下にある「道の駅 果樹公園あしがくぼ」に付設された食堂に入ります。

こちらで食べたのは「わらじカツ丼」、通常の卵とじカツ丼とは異なり、カツの上に甘いソースがかけてあります。こちらの味は、他の食品もそうですが全般的に甘く、塩はあまり効かせていません。こうした味付けという点でも東京とは別の場所に来たなという感慨に耽れます。
 

氷柱にたどり着くまで、10分ほど山あいの道を散策します。この道は大変よく整備されており、歩道には枯葉や木材チップが敷き詰められ、靴から伝わる感触が大変良かった!こうした点でも地元の方たちの優しさを感じます。
 

300円を支払い、氷柱エリアに入場します。西武線の線路をくぐると、正面にはさっそく氷柱のお出まし。せせらぎに架かる橋には”つらら(つららを漢字で書くと氷柱です)”ができており美しいです。
 

鳥居をくぐると、本格的な氷柱エリアに突入です。
 

 
遊歩道に沿って散策すると、丘上では甘酒が無料で振舞われていました。(この日は2月にしては季節外れの暖かさでしたが)2月に戸外を散策した後こうした熱い飲み物がいただけること、本当にうれしかった。優し~い!

台湾のゆるキャラも迎えてくれますね。
 

ここから、あしがくぼ氷柱の最大の見所へ下って行きます。日陰になってしまいましたが、この規模の大きさと美しさに、私たちはもうウットリ!
 

あしがくぼの氷柱を振り返ってみて

芦ヶ久保を訪れてもう10日以上が経つのですね。いや~良かったですよ!さて私が感じたのは、東京と隣接しているように思える埼玉県の飯能エリア(芦ヶ久保)でも人々のもてなし方や感性が、普段、東京で接する人々とは異なることでした。先にも申しましたが、味付けが全体的に砂糖をきかせ甘味噌仕立てにしている点は、この後、味噌ポテトやソバを食べても感じました。また、道の駅の方たちは商品購入の際もかなり静かで、よくありがちな”過剰な礼や説明”をすることはありません。しかし、こちらの要求に対しては的確に応えてくれます。人によっては、これが口下手なサービスと思う方もいるかもしれませんが、私にとっては気持ちの良い対応だと思いました。甘酒のサービスなどは”痒いところに手が届く”素晴らしいもてなしだと思います。
 
言葉だけは過剰に気を遣っているようで実は心がこもっていないサービス(都内の某アパレルショップなどをご想像ください)とは逆の、つっけんどんながら気の利いたサービスを見た気がしました。


<スポンサーリンク>