東京都内の桜が満開を迎えた3月28日、この日は「江戸東京たてもの園」の開園記念日として無料で公開(通常は大人入場料400円)された日なのです。実は私、無料という言葉に大変弱いセコイ旅人でして…(;^_^、重い腰を上げて江戸東京たてもの園を訪ねることにしました。

江戸東京たてもの園については立派なホームページがつくられており、詳細な紹介や、アクセス方法、園内のマップなどが公開されているので、そちらをご覧ください。しかし、この江戸東京たてもの園のホームページ、よくできていますよ。江戸後期から明治・大正期にかけての建築史の紹介にもなっています。
ちなみに、江戸東京たてもの園までのアクセス方法について、当該ホームページではJR中央線(武蔵小金井駅、東小金井駅)と西武新宿線(花小金井駅)からのアクセス方法が記されていますが、西武池袋線からのアクセスが記載されていなかったので、ここで補足します。

  • 西武池袋線・東久留米駅から西武バス武12・武21武蔵小金井駅行きバスで「小金井公園西口」で下車
  • 西武池袋線・清瀬駅南口から西武バス武13武蔵小金井駅行きバスで「小金井公園西口」で下車

江戸東京たてもの園のホームページ作成の方、この西武池袋線からのアクセス方法も記載しておいてくださいね!
 

では俺流の視点で見た江戸東京たてもの園を紹介します

「たてもの園」に入館する前に、まずは小金井公園を楽しみましょう

私が訪問した3月28日は、ちょうど東京都内で桜が満開となった日、江戸東京たてもの園がある小金井公園内には多くの桜が植えられ、花見客が賑わっていましたよ。しかも桜に加え菜の花がきれいだった!
しかし桜が咲くと、どうしてゴザを敷いて花見をするのでしょう?大体この季節って、なんだかんだ言って寒いですよ。う~さむ~と思いながらも、それを口に出してしまうと興ざめしてしまうため、辛いのを我慢して楽しいフリやドンちゃん騒ぎ。あ~花見の宴会ってわたし個人的な感想としては大嫌いです。
 

花を楽しむのも良いですが、小金井公園といったらやはりSL、Steam Locomotiveですよ。ここで生態保存されている車両は、蒸気機関車C57-186と旧型客車スハフ32-2146ですね。ちなみに私が訪れたのは平日のため、車両に近づくことはできませんでしたが、3月から11月までは土日祝日や都民の日の10時~16時に公開されているとのこと、残念でした!
 

江戸東京たてもの園の食事事情

江戸東京たてもの園内には2ヶ所食事をとれる場所があり、ランチやカフェ利用であればとてもおススメ!わざわざ食事のために江戸東京たてもの園を訪れるのもアリです。
 

江戸東京たてもの園で食事といったらここ「デ・ラランデ邸」の武蔵野茶房

江戸東京たてもの園の正面建物(ビジターセンター、旧光華殿)を入ったら左手(西ゾーン方向)に折れて3分ほども歩けば見えてくるのがデ・ラランデ邸・・・1910年頃ドイツ人建築家のデ・ラランデによって増築された西洋建築、とても雰囲気がある建物です。このデ・ラランデ邸の1階はレストランとして営業しており、当時の調度品が美しい!
 

どうですか、雰囲気だけなら高級レストランそのものです。ただここは庶民的な野外博物館、しかも本日は無料公開日・・・客層は・・・庶民的で気が張らないのがイイです。
 

実は昼食をとった後に来たので、バーとして利用しました。このドイツワイン、1グラス450円と格安でしたよ、満足マンゾク!ソーセージも値段の割には美味しくいただく、とくにチョリソーが私のお気に入りでした。
 
ちなみに食事としてはカレーライスが人気の様子、またパンケーキやチーズケーキもよく注文されていました。
 

こちらの食事もおススメ、東ゾーン休憩処「蔵」2階の武蔵野うどん

私がとった昼食はこちら「蔵」の武蔵野うどん冷やし山菜680円也。ここの良いところは注文した後、即座に食べ物が運ばれてくる点。味は値段相応で、ヨシとします。
 

江戸東京たてもの園で私が気に入った点は・・・建物内の備品や調度品の数々

江戸東京たてもの園では30棟の復元建造物に加え、29ケの屋外展示物があります。それらを見学するには速足で2時間、ゆっくり見れば4時間程度はかかるでしょう。これだけの展示物からお気に入りの建物といっても、それは人それぞれでしょう。検索エンジンで「江戸東京たてもの園」を検索すれば「おススメの建物」を紹介するホームページが多数ヒットしますが、おススメは、訪れた見学者の方1人1人が選ぶものだと思います。

実は私が江戸東京たてもの園で感心したものは、建物の内部が精微に再現されている点で、とくに備品や調度品の数々が当時のまま再現されている点です。また、昭和期の商店などは、その内装や売り物について知っている人は懐かしいっとつい唸ってしまう備品の数々がさりげなく置かれている点に驚きました。では、そうしたもののうち、私が気に入ったものを紹介します。
 

E4 子宝湯:お風呂屋さんのタイル装飾は必見です

懐かしいお風呂屋建築、これぞ”昭和”レトロ満載の建物ですね。1929年(昭和4年)に足立区千住元町で建造された東京の銭湯を代表する建物とのこと。では、お風呂屋さんの中に入ってみましょう。
 

どうですか、このタイル装飾!おそらくカチカチ山と舌切り雀ですが、私たちも愉快な気持ちになります。
 

E3 鍵屋(居酒屋):旨そうなメニューの数々と値段に注目

こちらは台東区下谷にあった居酒屋で1970年(昭和45年)頃の店内を再現しています。
 

こんな雰囲気の居酒屋で飲んでみたい!というか、私自身こうした古い雰囲気の大衆酒場を探して日頃飲むようにしています。ここで注目したいのは札に書かれたメニューとその値段。とりもつなべ、うなぎくりからやき、どじょう柳川、雀やき・・・う~よだれが止まらない!値段を見ると、冷奴60円に大根おろし50円で始めの1杯でしょうか、約50年前の価格ですが、今と比べてさほど差がないと思うのは僕だけでしょうか・・・。
 

E13 大和屋本店(乾物屋):戦前の乾物屋には謎の缶詰も売られていた

乾物屋って最近めっきり見なくなりましたね。ちなみに平成生まれの若者たちは、乾物屋という言葉自体を知っているのでしょうか?売られているものは、スルメに昆布、干しシイタケにヒジキ、タマゴまで売られていますね。
 

このお店で注目をしたいのは、実は脇の棚。ここに積まれた缶詰の数々が素晴らしいのです。No1 Extraのブルドックソースは判ります。ただ、その隣に置かれたブルドック印の「雲丹豆」・・・ナヌ、雲丹豆とはナンじゃそれ!これ、もしかしたら越前名物「雲丹豆」(「天たつ」の雲丹豆は食べたことがあり)のことでしょうか?この現代の雲丹豆は、そら豆にウニを絡めてローストした豆菓子……しかし、これ缶詰で売るものですかね?しかも、あのソースで有名なブルドックですよ。謎は深まるばかりです。
 

W7 田園調布の家(大川邸):うぉ~田園調布の家!

皆さ~ん、田園調布の家ですよ。なんとここは1925年(大正14年)田園調布に建てられた住宅で、当時としては珍しい全室洋間とのこと。私、田園調布に知り合いはおりませんで、これはつい期待してしまいます。
 

家は意外にも平屋ですが、なるほど田園調布!昭和の晩期、清里で見たペンションとよく似ています。中に入ると、う~ん、グランドピアノに、いかにも座り心地の良さそうなソファーの数々・・・ハイソサエティですね。
 

上高地の絵が飾られ、その脇には・・・え、これ電話じゃないですか。しかし、間抜けなアニメキャラクターそのものの姿に笑いがこみ上げてきました。
 
 
と、ここまで紹介しましたが、実は私が一番感銘を受けたのは茅葺が美しい武蔵野の農家の数々。例えば、「E1 天明家」「W4 吉野家」はいかにも豪農のお宅といった趣きで、部屋一つ一つのつくり、例えば柱や梁のつくりがとても美しい。また、農家ならではの調度品の数々に感心しきりでした。
 
私は一通り全ての家屋を見てまわり、どの家にも生活のための工夫が凝らされ、細かく見れば見るほど時間が足りないことに気づきました。江戸東京たてもの園はまた近いうちに必ずリピートします。


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