メスキータ、そのイスラムとキリスト双方の宗教建築の折衷建築は、一度見たらしばらく忘れることができないほどのインパクトを放ちます。イスラム建築の幾何学的なモザイク模様と、キリスト教会建築の荘厳さを併せもったメスキータは、コルドバというよりスペイン観光のハイライトの1つです。

 

メスキータの歴史的意義を簡単に解説します

メスキータについての解説はネットで検索すればすぐに出てくるし、ある程度詳しく知りたい方はWikipediaをご覧ください。ここで強調したいことは、メスキータがキリスト(カトリック)、イスラム双方の建築文化と技術のイイトコロ取りをした類まれな建築だということです。

歴史的には、6世紀のカトリック教会様式、8世紀から13世紀にかけてのイスラムの巨大モスク、そして13世紀レコンキスタ以降のカトリック教会としての転用、16世紀のゴシック様式とルネサンス様式の教会堂の建築といったように、時代の節目ごとに新たな様式が(全てが壊されることなく)重層的に加えられていきました。その結果、宗教的にはカトリック+キリスト、文化的にはイスラム+ゴシック+ルネサンスの様式が入り混じる、唯一無二の建築物が形成されることになったのです。

イベリア半島内において、イスラムとキリスト建築の文様が併存する例は少なからず見出せますが、それに対し中南米では・・・あまりウルサク言うのは止めておきます。ただ、ペルーのクスコにある大カテドラル(カトリック建築)に代表されるように、スペイン人の新大陸征服者たちは、次々とインカ帝国やアステカなどの建造物を徹底的に破壊した上に、自らの権勢を誇示するかのように巨大建造物を新たに建てていったのとは、あまりにも対照的です。
 

メスキータの中庭(パティオ)を見ていきます

ポトロ広場から歩いてメスキータにたどり着いたとき、実は礼拝堂へ入場するための扉が閉まっていました。おそらくシエスタ(ランチ休憩)タイムに入ってしまったのでしょう。私たちはパティオを見学した後、近くにいた方に開門時間を確認、ランチ&散歩へと繰り出すことになります・・・。

閉ざされた門

 

美しいメスキータのパティオ

中庭にはオレンジの木が植えられており、「オレンジの木のパティオ」と呼ばれています。噴水があり、たとえ暑い夏の日も涼しげに映ります。
 

尖塔「アミナール」のインパクトある姿

教会建築につきものの塔ですが、イスラム建築の土台の上に建造された「鐘楼」です。モスクなどイスラム建築では、「ミナレット」と呼ばれる尖塔が建てられますが、この「アミナール」はミナレットを鐘楼に転用したもので、周辺でもかなり目立つ高さとなっています。
 

いよいよ、メスキータの礼拝堂を参観します

ランチから戻ると、すでに開門。列はほとんどなく、難なく入場することができました。

「円柱の森」の中でただたださまよう

「ここ、ここに来たかったんだ~」と思わず叫びだしたくなりました。内部はかなり広いため、観光客の姿はあまり気になりません。無数の柱が森のように広がる様は、まさに圧巻です。上から吊るされた照明などはカトリック様だが、全体的にイスラム的色彩が目立つ様式となっています。
 

「聖テレサ礼拝堂」金銀の輝きに目がくらみます

こちらの写真は「聖体顕示台」。とにかくまばゆいばかりの光を放っていて、当時のスペイン・カトリック世界の栄華が伝わりますね。
 

メスキータでもっとも神聖なエリア「中央礼拝堂」

全体的に薄暗いメスキータ内部ですが、この中央礼拝堂は外の光が差し込み明るい一角となっています。ゴシックとルネサンスの折衷といえる建築で中央の絵画はパロミーノによる制作。ややイスラム風味に欠けた印象がありますが、天井部分のモザイク文様に痕跡をとどめています。
 

こちらは聖歌隊席。両脇にはパイプオルガンがあり、ミサなどで演奏されていたとしたら、荘厳であたかも神の世界に迷い込んだような錯覚に陥るのではないでしょうか。
 
 
メスキータについては、これくらいで終わりにします。やはり実際に行ってみないと、この摩訶不思議で神聖な雰囲気は味わえない。このメスキータ訪れるだけでも、スペインに来る価値があるものと言えます。
 
 

コルドバので食事を紹介

メスキータからほど近いレストランでランチをとりました。入口はとても狭いのですが、地下に潜る形で先に進むと、とても素敵な空間が待っているのでした。具体的な食事メニューなどは、写真に伴侶の顔が写りこんでしまっていたため公開できませんが、肉料理とオレンジジュースでアルコールはつけずに、15ユーロもしませんでした。とてもお得な料金だと思うので、ぜひとも探してみてください。


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