モンゴル大草原ツアー2日目の朝、再びエルデニゾーの寺院群を訪問しました。数々のチベット寺院群や僧侶の子供たちと出会ううちに、ここがモンゴルであることをすっかり忘れ、チベットを旅しているかのような錯覚が生じる。私の好きなアジアは、実はチベット世界だということを改めて思い知りました。

 

エルデニゾーを俯瞰してみます。昨日の訪問で主要な寺院を写真に収めていました
前日、到着した大門は「南門」。エルデニゾーのある3つの門のうち最大の門です

前回の記事の写真を再び掲載。この門、非常に存在感があります。何といっても、周囲を囲む仏塔が絵になりますね。
 

エルデニゾー寺院群を俯瞰します:(1)ゾボルガン塔とラブラン寺

ゲルの左隣で一番手前に写るものは「マニ車」と言い、チベット仏教では、これを左回りに回転させると、回転しただけの経を唱えたのと同じ功徳があると言われています。ゲルのすぐ奥にある仏塔が「ゾボルガン塔」で、今後の学術的研究が待たれる貴重な塔。二番目の塔の奥に見える白い寺院は「ラブラン寺」で、エルデニゾーに現存する最大のゲルク派寺院。
 

エルデニゾー寺院群を俯瞰します:(2)ゴルバン寺

中央奥に見える大きな寺院は「ゴルバン寺」です。文化的には中華様式の影響が濃く、内部には、ほぼ同じ様式の三つの伽藍(お堂)が並んでいます。
 

再び「マニ車」。この写真を見るだけでも功徳は積めるかな!?

いったい、いくつのマニ車があるのでしょう。これを全て回したら、それだけで何回分の功徳が積めるのでしょうか?こうした考え、「唱えるだけで救われる」という浄土真宗などの日本的仏教観と似ていますね。仏具を買い求める地元の方が多数いました。
 

翌朝エルデニゾーを改めて訪問。チベット世界に存分に浸りました

朝のエルデニゾーには清冽な空気が流れていました。今度はガイドの女性が同行。若いモンゴル女性で、私のようなオヤジは内心ニンマリ、気分はホッコリです(ガイドさんのお姿は公開しません)。

まずは、エルデニゾーを代表する仏塔「ゾボルガン塔」を見てみましょう

こうした仏塔、なぜこれほど巨大なものを作るのか、ガイドさんに聞くのを忘れてしまいました。
 

「ダライラマ寺」

ダライラマとは、チベット仏教ゲルク派の指導者ででチベット仏教最高位に位置づけられる僧侶です。現在のダライラマ14世は、1950年代に毛沢東支配下のチベット・ラサを脱出し、現在までインド・ダラムサラで亡命生活をおくっていることはご存知の方も多いのでは。この寺院はダライラマ3世を祀った寺院とのことで、写真では手前に写った建造物です。寺院内部の拝観は有料とのことで入りませんでした。
 

ゴルバンゾー(ゴルバン寺)

写真で一番後ろを歩いているのが、モンゴル人のガイドさん。英語と日本語を織り交ぜ、一所懸命に説明をしてくれる。先に記した通り、3つの伽藍が並び、いずれも中国(漢族)様式の影響が強い木造寺院です。中央の寺院が最古で、1587年の建立。 

屋根の飾りはチベット仏教、組み木の装飾は中華風の影響がかなり強いデザインだと感じられました。意匠が本当に素晴らしい。
 

ラブラン寺は、チベットの典型的な表象で建てられたゲルク派寺院で、見応えがあり

これぞチベット寺院、まさにチベット・ラサのセラ寺にそっくりな外観です。エルデニゾーの数ある寺院群の中でも、祭事祈祷がもっとも一般的に行われているのは、このラブラン寺で、単なる遺跡ではなく「生きた寺院」の姿をとどめています。(ちなみに1枚目の写真は、前日に撮影したもの)
 

この寺院では巡礼者の姿が見られ、まさに「生きた寺院」の証左となっています。
 

チベット寺院を訪れるとよくある光景が、修業をする子供や若者たちの姿です。このラブラン寺でも、多くの若い僧侶たちが朝の勤めに励んでいました。外では、僧侶がホラ貝を吹き時間を知らせてくれます。
 
 
エルデニゾーの参観がおおかた終わり、女性ガイドの方はいつの間にかいなくなっていた・・・あれ、ガイドさんにお金を払った記憶がないのだけれど。
 

エルデニゾーから外に出ると、多くの巡礼者の姿が・・・やはり、ここは聖地です。
 
私たち一行は、この後、エルデニゾーから離れ、ハラホリン(カラコルム)のさらにディープな地へ分け入って行くことになります。気候が激変するなど、うん、これぞ冒険旅行です!


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