モンゴル ハラホリン(カラコルム)で巡る珍奇スポット
エルデニゾーの参観を終え、ハラホリンの街と周辺を徘徊。そこには、いくつかの奇怪で珍妙なスポットがありました。動物の生死をまざまざと見せつけられたり、青空の広がる大地に生殖シンボルが堂々と陳列されている様を目の当たりにし、エロやグロに対する恥ずかしさや嫌悪など吹き飛んでしまい神々しささえ感じるものでした。
ハラホリンは、ウランバートルから離れ久々に見たモンゴルの”街”。雑然と広がるマーケットには、バラックの粗雑な商店が所狭しと建ち並んでいます。広場では、老若男女問わず皆さんがビリヤードを楽しんでいた。モンゴルでは人懐っこい人が多く、何人かからは携帯(スマホ)が差しだされ、一緒に写真を撮ってくれと声がかけられました。
この一角を歩くだけでも楽しく、しばらく散策していても良いのですが、今回はウランバートルから飛び入りのツアーに参加させてもらっている身、グループの後ろを必死について行きます。
街といっても大草原の中、とても狭い範囲に集落がかたまっている。ちなみに後ろを振り向くと、川が流れる中ただただ湿原が広がる雄大な景色。これほどの光景って、日本ではそうそうお目にかかれません。
街を眺望するために訪れた丘には「Great Imperial Map Monument」が堂々とした姿を晒しています。ここは、2004年に整備された展望台とのこと、モンゴル帝国時代の地図が壁画として表されている。中央の塔はチョルテンをデザインしたのでしょう、タルチョ(旗)もはためき、さながらチベット仏教の聖地を連想させます。
壮大な景色ですが、周囲に遮るものはなく、とにかく風が強い。ここに1人で残されてしまったら発狂してしまう!
チョルテンにタルチョ、まさにチベット世界に迷い込んだようですね。モンゴル帝国(元朝)時代に皇帝はチベット仏教を国教として保護することによって、チベット(宗教界の最高権威)の意向に添う形で、それまでの戦闘に明け暮れた歴史から身を引き、結果的に平和が訪れました。
ヤクの頭蓋骨を祀ることは、大地への祈りや感謝の気持ちを表すことと同時に、平和への帰依を象徴しているように思えてなりません。
先のスポット1)のすぐそばには、亀趺(きふ)という亀を模った石が祀られていました。亀趺とは、中国の伝説上の生物「贔屓(ひいき)」の実存の姿と言われていますが、この「贔屓(ひいき)」って「えこひいき」の「ひいき」の語源。「ひいきをされる」という意味で中国の貴族階級に好んで祀られていた亀の姿(亀趺)がこのモンゴルの大地にあることに、少々感動を覚えました。
これぞ、モンゴル珍奇スポット番付でかなり上位に来るのではないでしょうか。手前には小型の男性器と、奥には超大型のものが見えています。大型のものは、さすがに公開は控えますね。
なぜ、これほど巨大なオブジェが造られたのか聞いてみると・・・、始めは小型版が「安産の守り」として祀られていたとのこと。ただ、最近になって行政の方からさらに話題になるものを造りたいという意向があり、巨大オブジェが建造されたとのこと・・・。地元の方には巨大オブジェは不評で、見向きもされていないらしい。
いずれにせよモンゴル人のこうしたおおらかさ、私は好きです。大自然の中で育つ彼らの文化は大胆だね。ツアー参加者(女性たち)はおもしろがって、巨大オブジェのもとに駆け寄り、さすり~さすりっとなでていました…(;´д`)
私たちを乗せたランドクルーザーは、ハラホリンからさらにモンゴル奥地に進んでいきます。
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