モンゴル旅行記は今回で最後の記事、モンゴル料理の紹介で締めたいと思います。モンゴルで食べた料理の大部分は、羊肉を使った料理、とにかくマトンがプンプン匂う、憎らしいほどの肉料理が食べられます。今回の旅行中で食べたモンゴル料理のうち、特徴的なものや、とくに記憶に残ったものを紹介していきます。

 

モンゴル料理の概説です

モンゴル料理は伝統的に、「赤い食べ物」(オラーン・イデー)と呼ばれる肉料理と、「白い食べ物」(ツァガーン・イデー )と呼ばれる乳製品に大別できます。羊肉をとにかく多く食べる、マトン好きにはたまらない料理。モンゴル料理は、地理的・文化的要因から中国からの影響と、旧社会主義時代の政治的要因からソ連(ロシア・ウクライナなど)や東欧からの影響を強く受けた料理だと言えるでしょう。ただ、遊牧民の方をはじめ、モンゴル料理の多くは、羊(マトン)を多用する上に、野菜少なめ、しかも塩分・調味料控えめ(!)のため、和食のようなあっさり・さっぱり・醤油などの調味料や出汁を多用する塩分強めの料理とはかなり対極的な嗜好だと思います。
 

ソ連・東欧からの影響が強いと思われるモンゴル料理を紹介

この、ロシア・ヨーロッパ世界からの影響が強い料理は、味がしっかりとつき、日本人の口にも馴染みがあるもので、私にはとてもおいしく感じられました。
 

ゴリヤシ

ハンガリーの「グヤーシュ」が起源の肉煮込みのワンプレートでまとまった定食です。グヤーシュは私もチェコやハンガリーで食べたことがありますが、牛肉とパプリカで煮込まれたシチューをパンに浸して食べる料理ですよね。この「ゴリヤシ」は、肉は羊肉を使っていますが、確かにグヤーシュからの伝播!、味もしっかりついており、とても美味しいです。また、定食のため野菜が多めなのがうれしい。大概の食堂やレストランで供される料理です。
 
写真は、大草原ツアーの途中で食べたもの。大草原の中のポツンと佇む食堂で食べたこのゴリヤシは感動もので、ウランバートル市内のレストランで食べたものとは比べ物にならないほど美味しかったです。
 

ウンドゥクテビーフシテクス

私のメモにその名前で記していたので、そのまま書きましたが、ネットで検索してもヒットしませんね。要は「ビーフハンバーグ」でしょうか、ウランバートル市内で食べました。たまには羊肉ではなく牛肉もイイものです。
 

ウクライナ料理(ボルシチとサーロ)

なんと、ウランバートル市内にはウクライナ料理のレストランが何軒かあります。ウクライナ料理・・・ロシア料理とどう違うのか?実はボルシチなど、私たちがロシア料理だと思っていたものがウクライナ起源なのです。現在、ロシア料理とウクライナ料理の明確な区分けは(専門家でなければ)ほとんどないと言われています。写真はボルシチと、サーロと呼ばれる豚の脂身の塩漬け。パンも美味しかったですよ。
 

このレストラン、内装もカワイらしくイイ店なのですが、ウェイトレスのお姉さんたちが・・・、ずっと携帯を見ていて、こちらのオーダーをなかなか聞いてくれなかった。ま、それもご愛敬です。
 

オシャレカフェのピロシキ(&ハンバーガー)

カフェのスナックにはピロシキがある!ピロシキ=油で揚げた肉まんと思えばイイでしょう。ハンバーガーもお肉たっぷり、美味しいですよ。
 

中華圏の影響が強いモンゴル料理:小麦を主食とした料理

モンゴルの主食料理は、小麦を練った皮や麺を使った料理がメインで、おそらくは中華圏から伝播したものだと思われます。そうした主食は単体で食べず、羊肉を使って調理する点がモンゴル流ですね。
 
これから紹介する「ボーズ」と「ホーショール」は、中華圏から伝播したと思われ、日本にあるモンゴル料理屋などでは「モンゴル餃子」と記載されることが多い料理です。ただ、これらの料理を「餃子」と、あたかも中華料理のごとく扱うのは抵抗があります。こちらは羊肉主体の料理、中華の豚肉主体の餃子と味が違うのは当然です。

ボーズ

中国の「包子 Baozi:バオズ」(肉まんなど餡入り饅頭)と発音がほぼ同様で、バオズから伝播したことはほぼ確実でしょう。チベット・ネパールでよく食べられる「モモ」にかなり近い外観と味で、おそらくモンゴル帝国時代に、チベット方面へと伝播していったのでしょう。
 
1枚目の写真はウランバートル市内で食べたもの、2枚目は以前も紹介しましたが、大草原ツアーで食堂の方と一緒に包んだものです。
 

ホーショール

ホーショールは、小麦粉を練った生地で羊のひき肉などを包み油で揚げたものです。これは餃子というよりはミートパイといった感じですが、なぜか日本のモンゴルレストランでは「揚げ餃子」としてメニューに載ることが多い…なぜでしょうね?写真はウランバートル市内で食べたもので、付け合わせに「ニースレル・サラート」(ポテトサラダ)や「ローワンギーン・サラート」(人参サラダ)が盛られた、非常にボリューミーな一品です。
 
 
次に、麺料理を紹介します。私たちがモンゴルで食べた麺はいずれも日本の「うどん」とそっくり!小麦で練ったモチモチとした太麺で、「羊出汁のうどん」そのものです。羊の臭いが苦手な方には、あまりおすすめできません。

ゴリルタイ・ショル

モンゴル滞在中に一番よく食べた料理。どこの食堂にもあります。
 

ツォイバン

こちらは、ほとんど「焼うどん」です。先のゴリルタイ・ショルと同様、どこの食堂でも出してもらえます。
 

伝統的モンゴル料理の決定版!まさに羊を食らう料理

モンゴル料理を代表するメニューといえば、「ホルホグ」と「チャナサン・マフ」だと断言してしまう!ホルホグは羊肉の塊を煮た料理、チャナサン・マフは羊肉の塊を茹でた料理で、いずれもモンゴルの方にとってご馳走です。
 
今回の旅行では、ホルホグは大草原ツアー2泊目の夕食でドライバーの誕生日を祝うために供されました。ほとんど味つけはされておらず、とにかく羊!野趣あふれる、モンゴルならではの醍醐味を味わえる料理といえるでしょう。チャナサンマフは、今回の旅行ではトライしませんでしたが、今から10年ほど前に東京・池袋のモンゴル料理店で食べたことがあります。とにかくボリュームたっぷりで、何人かで食べていたのにもかかわらず完食できなかった記憶があります。どちらも撮影した写真がないので、興味がある方はメニュー名で検索してください。食べログなどでモンゴル料理店を検索すれば、どちらもメイン料理として紹介されているはずです。
 
以上、いかがでしたか?モンゴル料理、羊肉に抵抗がない方ならば美味しくいただけるはず。ぜひとも皆さんもトライしてみてください。


<スポンサーリンク>