肇興鎮は2016年統計で人口16000人余り、肇興村や堂安村を含むトン族最大の集落です。肇興の村落内は狭く、徒歩で十分に歩いてまわれる規模ですが、この中に5つの大きな団(部落)があり、それぞれが立派な鼓楼と風雨橋を持っています。また、肇興は藍染が盛んで、村内のあちらこちらで布を染色したり、棒でトントンと叩きつける光景が見られる。しかも私が訪れた時期は、何らかの祭礼があったのでしょうか、各々の団が持つ広場(鼓楼)の前で大量の食事を外で作っており、団の人達ばかりではなく、観光客である私たちにも無料で振舞ってくれました。肇興は私たちにとって、まさに桃源郷のような村だったのです。

ここで、注釈を入れなければいけません。広西~貴州にかけて高速鉄道(高鉄)が開通し、駅がつくられた三江や従江周辺で大規模な開発がなされたことは以前の記事に記しましたが、実はこの肇興でも、それに合わせ2013年以降に大規模な観光開発が行われました。村入口にはゲートがつくられ入村料が徴収されようになり、道は掘り返されキレイな石畳に、村中央には大規模な舞台がつくられ毎日ショーが開かれる・・・などなど、2012年以前とは全く異なる観光地としての姿が現れました。これから私が書く記事は、もうすでに過去のものとして、在りし日の古き良き光景になってしまったのかもしれません。
 

肇興への行き方

私は三江から肇興へ行きましたが、三江では西側のバスターミナルから出発します。2012年当時のバス本数は2~3本と少なく、私は6:45出発の黎平行きバスで向かいました。当時のバス料金は35元、乗車時間は3時間程度でした。
 
2018年現在は大規模な観光開発がなされたこともあり、バス本数はかなり増加しているものと思われます。また、他のブログなどを覗くと、従江の高鉄駅から肇興まで直通バスが運行されているようです。この辺りの情報は刻々と変わるものと思われ、現地で確認する必要がありますね。
 

肇興に着いた!バス発着場周辺の光景

バスは「肇興游客服務中心」(観光案内所)がある村中央の広場に着きました。こちらの通りが肇興のメインストリートになります。トン族らしい木の住宅が立ち並びます。ちなみに、当時の入村料は・・・当然、無料!
 

広場の脇では生鮮品の市がたち、解体されたばかりの食肉が売られています。
 

宿泊先:銀河旅館に滞在

バスから降りて、すぐに「銀河旅館」の表示がありました。裏道を入って行くと・・・川沿いの道に銀河旅館がありました(2枚目の写真では向かって左一番手前の建物が銀河旅館です)。
 

外観からは、この旅館まったく期待できませんでした!しかし旅館の前まで来たことだし、値段のチェックだけしようと思い中に入る。部屋をチェックさせてもらうと・・・外観の様子からは想像ができないほど清潔感があり、どこかの安価な別荘かと思うほど整っていた。暖房が効いて暖かく、ホットシャワーも使える。値段を聞くと1泊80元とのこと・・・う~ん、もう少し安くならないかな、ということで「討価還価」(価格交渉の意味)の開始、結局1泊60元でOKとのこと・・・大満足です。
 

銀河旅館がある川沿いの景色。とても落ち着く光景です。
 

肇興、最初の食事「幸福酒家」の麺

朝早い時間に三江を出発し、肇興に着いたのは午前10時頃。宿探しを終えた後、少し早いですが、宿のそばにあった食堂「幸福酒家」に入りました。
 

こちらの料理、きしめんのような茹で麺にアツアツのスープを注いでいただきます。別添えの酸菜(漬物)やネギ・香菜などの薬味、豆板醤などの調味料と肉を加えて味を調える。これが、美味しくないわけがありません。
 

青空の下で大量の料理をつくっている・・・?

おいしく食べ終わり散歩を開始します。中央広場奥にある鼓楼「智団鼓楼」の下で、何やら大量の料理がつくられているようです。
 

こちらでは、肉の血抜きをしています。この集められた血、実はトン族の「鮮肉料理」に欠かせない食材となります。
 
 
実は昼から夜にかけ、こうした料理が振舞われ、私たちもご馳走になりました。また、肇興の集落は「仁」「義」「智」「礼」「信」の5つの団(部落)によって構成され、それぞれに立派な鼓楼や風雨橋がありますが、それらは次回の記事で報告します。


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