トンレサップ湖の水上集落をクルーズでまわってみた
シェムリアップに到着後、まず向かった先はトンレサップ湖でした。アンコールワットやアンコールトムなどの遺跡群じゃないの?いや、私にとっては、2002年に訪れたトンレサップ湖の水上生活者たちの素朴な光景が脳裏に焼き付いていたのでした。10年ぶりの訪問で、このトンレサップ湖の生活はどのように変わったのでしょうか。2002年と2012年の訪問を比べながら報告します。
トンレサップ湖は、カンボジア中央部に位置する東南アジア最大の湖。この湖の、まさにユニークな点は・・・
- 世界最大規模の水上生活者が生活している。その数は100万人以上と言われている。
- 雨季と乾季で、面積の拡大と縮小を繰り返している。5月半ばから11月半ばの雨季には、面積は1万6000平方km、深度は9mに達する。一方、乾季の面積は2500平方km、水深は1m程度に留まる。
これだけの事実を見ても、日本の湖とは全く異なる光景が広がることが、お判りいただけると思います。
私がトンレサップ湖を訪れたのは2002年と2012年のゴールデンウィーク期、まさに乾季真っ盛りの時期です。シェムリアップの中心街(パブストリートの辺り)からトンレサップ湖までは、トゥクトゥク(バイクの後部や横に客席を付けたバイクタクシー)で40分程度の距離になります。
素朴な水郷の風景が広がっています。水がここまで来ることは、あまりなさそうですが、多くの住居は高床式となっています。
こちらの橋を越えて、しばらく進むと・・・景色は一変!一帯が稲などの原っぱとなっています。この広大な土地は、雨期にはトンレサップ湖の水底になってしまいますが、乾季の間は水がひくため土地活用が可能となり、稲などが育てられているようです。
フィルムネガの順番から言って、これらの写真はトンレサップ湖に至る道のはずですが・・・。こんな未舗装のヤシ林の中をトゥクトゥクで進んで行ったのかな?と、なかば信じられません!この光景ってアンコール遺跡群を少し外れた素朴な田舎の光景に似ています。
いよいよトンレサップ湖クルーズのスタートです。2002年と2012年で訪れた時期や場所はほぼ一緒。10年の間、どのような変化があったのでしょうか。
トンレサップ湖クルーズに参加する方たちが一番知りたいのは料金!いくらくらいかかるのか、ということでしょう。しかし、私が訪問したのは2002年と2012年とだいぶ古いデータとなってしまいます。直近の価格はネットで調べてみてください。ちなみに2012年当時は、シェムリアップからのトゥクトゥク往復代とクルーズ代を含めて25ドルでした(1人12.5ドル)。ただし、この料金は当時としても相当安い金額だと思います。実は午後の遅い時間の方が、トゥクトゥク兄さんのチャーター代金が安くなる傾向があることを覚えておいてください(シェムリアップのトゥクトゥクは、午前中はボッタくり、そこで客を取れなかった場合、午後になるとディスカウントに応じる傾向にある)。
トゥクトゥクが到着したのは、湖とは言えない水路の中継点。ここで手続きをとり、ボートに乗車。
水路上にも集落があり、途中でマーケットが開かれています。
トンレサップ湖に出ました。広大な湖の沖に、水上集落が広がっているのが確認できます。
家屋の脇を通り抜けながら、ボートは進みます。
比較的大きな水上家屋にボートを横づけにします。ここで降りろとのこと・・・水上動物園らしいです。ワニが何匹かと、猿、魚ペリカンぽい鳥などが飼われている。どうも、ワニ革の精製で生計をたてているようですね。
ここで注意!タライに乗った子供たちが湖上を漂っています。私たちのような観光客を見つけると、湖上から声をかけてくる。よく見ると、首にヘビを巻いており、うんフォトジェニック!ただ、写真を撮るとお金をふっかけてくることは判っていますよ。
10年間の変化を書こうと思いましたが、写真を比べる限り、さほどの変化が感じられない。まぁ、10年前の水上集落内には電気が通り、学校や教会等の宗教施設も見つけることができたし・・・。しかし、観光客が一見しただけでは判らない変化が随所にあったものだと思われます
生活物資を積んだ小舟が湖を行きかっています。
この頃も”水上動物園”に案内された記憶があります。ただ、当時はワニではなく、鳥と魚だけだったが・・・(訪れた場所が違うだけかもしれません)。
学校でしょうか。水深が浅いため、湖を歩いて通うのですね。
東南アジア、とくにカンボジアやラオス、ミャンマーに関しては、この10数年の発展があまりにも急速で、人々を取り巻く時代があたかも異なるかのような印象を受けます。これらの国の1990年代と2010年代を比較することは、おそらく日本の明治時代と平成時代を比べるかの如き出来事だと思う。ただ、急速な発展に伴い、素朴で愛くるしい東南アジアの方の人懐っこさや、不便を被ることによる旅の醍醐味はどんどん消えていく気がしてしまい、時折寂しくなります。
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