バタンバンはカンボジア中部、トンレサップ湖を挟み、ちょうどシェムリアップの南側に位置する都市です。人口は約20万人と、カンボジア第2の都市圏と言えるでしょう(2012年現在の人口はカンボジア第3番目)。今回旅行では、バタンバンに3泊し、バンブートレインの乗車、ワットプノンサンポー、ワットバナンなどの寺院、ポルポト時代にできた灌漑施設(コンピンプイ)、キリングフィールド、クロコダイルファームなど様々な場所を見てまわりました。
 
この記事では、バタンバン郊外の様々な零細工場(食品)を紹介します。零細工場と書きましたが、工場というのは大げさな表現。全て伝統的な家族経営ですが、いろいろな知恵が活かされ興味深いものでした。
 

バタンバンの家族経営による零細工場

バタンバンの宿泊先(KING FY HOTEL)に詰めていたトゥクトゥクのドライバーが面白い方で、とにかく現状のバタンバンの姿をいろいろ見てもらいたいと言う。おススメの場所は?と聞くと、ガイドブックに掲載されているような場所もいいが、それ以外に実際のクメール人の生活に触れてほしいとのこと。うん、僕の志向と合致するじゃない!ということで、彼に1日、バタンバンの観光を任せてみました(1日チャーター10ドル)。
 

現在の生活に触れる前に、まずは「キリングフィールド」へ

カンボジアの現代史を語る上で避けることはできないポルポト時代の負の遺産、大虐殺現場「キリングフィールド」はプノンペンのものが有名ですが、ここバタンバンでも大規模な虐殺が行われました。ドライバー氏のご両親も被害者で、彼は自分が生き残っているのが非常に不思議だったと、目を赤くしながら語ってくれました。寺院には大量の遺骨が安置され、外に面した窓から覗いてみることができます。あまりにも膨大な数の頭蓋骨に言葉を失いました。
 

沿道では、竹筒おこわ(クロラン)をつくっています

沿道では、竹筒おこわ(クロラン)をつくっているお宅が何軒もあります。この竹筒おこわ、おいしいですよね!もち米に小豆、ココナッツミルクを入れて炊きあげたもので、東南アジア各地で見られる食品です。ココナッツミルクの香りと甘みが食欲をそそる。携帯食にも良く、長距離バスに乗り込む際のお供にもうってつけです。
 

子守の様子です。時間の流れが違いますね。
 

フィッシュマーケット!発酵博士(小泉武夫氏)なら大喜びの、臭~い香りがプンプン

この川を渡っている時、すでに強烈な臭いが鼻につく!この臭い、腐った生ごみをより強烈にした感じです。
 

この集落一帯がフィッシュマーケットになっています。川でトンレサップ湖に繋がっており、湖で揚がった魚をこちらで加工するのでしょう。
 

魚を開き日干しにしていますね。魚の名前を尋ねましたが、クメール語で言われても判らないです。
 

こちらは燻すなど燻製状態にした後、まとめて出荷するのでしょう。
 

塩辛のような調味料「プラホック」を製造しているのでしょう。プラホックの製造過程では、カンボジア版の魚醤「トゥック・トレイ」が抽出される。とにかく臭~い!この場所にいるだけで辛くなります。
 
実は、もっと話しを詳しく聞きたかったのですが、クメール語でコミュニケートする能力が僕にはなかった。それよりも、とにかくこの臭いに耐えられない!ということで・・・早々と退散しました。
 

ライスペーパーの製造現場

ドライバーさんは、日本人にあの臭いはダメだったかと苦笑い。気を取り直して(?)別の場所へ。今度は、ベトナムでもお馴染みの生春巻きの皮(ライスペーパー)をつくるお宅に行きます。
 

米粉を溶いたものを熱板の上に伸ばし一度焼いたものを、十字の竹筒に引っかけていく行程です。
 

竹筒に引っかけられた皮を網にのせ、天日で乾燥させると、ライスペーパーのできあがりとなります。
 

カンボジア版そうめん「ノムバンチョック」

ライスペーパーを生産するお宅のすぐ近くでは、カンボジア版そうめん「ノムバンチョック」を作っていました。こちらの製造過程も興味深いものです。
 

てこの原理を応用した、トコロテン方式で麺を押し出し、茹で上げていきます。
 

お兄さん、ドヤ顔ですね。
 

出来上がった、売り物の麺。このそうめん、美味しいですよね。
 
 
一通り、見学を終えると昼食時間を少々過ぎていた。ドライバーさんの知り合いのお宅に招待され、食事をご馳走になります。メニューはノムバンチョック、具材はシンプルでしたが、愛情こもる料理で美味しくいただきました。ちなみに、食事代金は払っていません。こちらのご家族の方、撮影されることを嫌がっていた様子で、写真掲載はNG。
 

バタンバンを旅する際の基本情報です
バタンバンまでのアクセスは?

シェムリアップからは、SORYA社のバスに乗りシソポン経由でバタンバンに向かいました。バタンバンまでは、プノンペン・シェムリアップ・ポイペト方面から多数のバスがありますが、2018年現在のバス料金や時刻は当サイトの記事 カンボジア バス旅行の大きな味方「BOOKMEBUS.COM」をご覧のうえ、検索してみてください。
 

バタンバンでの移動の足、トゥクトゥクの料金はいくらくらい?

カンボジアでは、皆さんご存知の通り大概の街にトゥクトゥクという客席が取り付けられたバイクタクシーが走っています。1~2km程度の短距離乗車なら、1ドルも払うことはないでしょう。このトゥクトゥク、チャーターしても料金はさほど高くはなく、バタンバン近郊をまわるだけなら10ドル程度でOK。ただ、バンブートレインやコンピンプイなど、かなり離れた場所を1日でまわる場合、移動距離が100kmを優に超えてしまうため最低20ドル程度は請求されると思います。


<スポンサーリンク>