カンボジア、バタンバンにはバンブートレイン(ノーリー)という非常に奇妙な列車が走っています(いましたという方が正しいかも)。このバンブートレイン、もともとはバンコクとプノンペンを結んでいた鉄道路線の廃線跡に、地元住民の足として1980年代にトロッコ台車を走らせたのが起源だと言われています。1990年代の最盛期には、プノンペン~バタンバン、プノンペン~シアヌークビル間を走っていたらしいのですが、その後、道路交通の整備により徐々に廃れ2000年代にはバタンバン近郊に残るだけとなりました。
 
実は、私は大の鉄道ファン、とくにトロッコや軽便鉄道のファンなのです。線路幅(軌間)が狭いナローゲージに魅せられたのは、すでに大人になってからでしたが、その頃、日本国内ではこうした鉄道はほぼ全廃(現在、旅客営業をしているものは黒部峡谷鉄道や四日市あすなろう鉄道などに限られる)してしまっており、もう海外に活路を見出すしかなかったのです。今回のカンボジア旅行、最大の目的はこのバンブートレインに乗ることでした。
 
ただ、このバタンバンのバンブートレイン、2017年10月頃に廃止の報道が出ました。いよいよ、タイ~カンボジア鉄道の再開が間近に迫り、バンブートレインの路線もそれに利用するからです。一時期、運行が停止したらしいのですが、バンブートレインの観光資源としての価値は高く、2018年1月に運行を再開したとの情報がネットでヒットします。ただ、運行・廃止情報は錯綜しており、果たして現在、乗車できるのかどうか定かではありません。
 

バンブートレイン乗車地点まではトゥクトゥクで行く

前回記事でも記しましたが、バタンバン近郊を観光するためには、トゥクトゥクを1日チャーターするのが便利です。この旅行では、終日チャーターして、バンブートレインとコンピンプイ、ワットプノンサンポーなどをまわってもらい、料金は20ドル(2人乗車=1人10ドルの支払い)。かなり移動距離が長かったのにも関わらず、1日中、足として使った上、ガイドまでしてもらったのですから、非常に納得のいく料金でした。
 

バンブートレイン発着場所に到着

こちらの売店がバンブートレインの発着場所になります。感じの良いご夫婦が管理人の方でしょう。おじいさんの方は、片言の英語に加え、挨拶程度の日本語で出迎えてくれます。
 

これが、バンブートレインだ!出発進行

出発地点には、何台かのトロッコが並んで停車しています。トロッコ乗車料金1名5ドルを支払い乗車。
 

途中は単線箇所が多い。運行管理がしっかりしていなければ衝突が心配になるが・・・まぁ、これまで事故はないらしい(本当かな?)
 

トロッコ激走中!体感では、スクーターよりも速い。おそらく30~40km程度はでているのでは。乗車時間は往復で30分くらいか。けっこう長い時間に感じられました。
 
こちらのバンブートレイン、軌間は1000㎜と、一般的なゲージ(JRが1067㎜、世界的な標準軌が1435㎜)と比べやや狭く、車両も小さなものが走っています。ただ、私が好きな軌間はナローゲージ(762㎜)以下のものなので、それを期待すると、トロッコの横幅はやや広いかな・・・と思いましたが、とにかく楽しい経験となりました。
 

バンブートレイン発着場所の近隣を散歩する

この辺りではバナナやマンゴーを育てており、南国風情のステキな景観をつくりだしている。ハンモックに寝そべっていたはずの子供たちが、私たちを追いかけてきます。
 

立ち止まると、そばでつくっていた干しマンゴーや干しバナナをくれました。食べてみると・・・とにかく甘~い、酸味は消えており、香りと甘みが強烈に残る味は、これぞ自然の美味!とてもおいしかったです。


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