前回記事では安東の観光紹介としてまず安東湖(安東ダム)と安東民俗村を挙げましたが、この地を訪れたからには河回村(ハフェマウル)をわざわざ外す人はまずいないでしょう。韓国を代表する「民俗村」で、ユネスコ世界文化遺産にも指定されている河回村は伝統的な古民家が立ち並ぶ村落が最大の見どころですが、それ以外にも「河回別神グッタルノリ」という仮面劇などが毎日公演されているなど、韓国の伝統的な文化も体験できる必見の場所です。

 

河回村の概略です

河回村は両班の伝統的な生活様式を保存している「民俗村」で2010年7月に世界文化遺産に指定されました。16世紀に豊山柳氏の一族によって河回村の原型がつくられ、その後は同族集落として存続。現在も、約180戸ある村の住人の7割は豊山柳氏となっています。
 

河回村への行き方

河回村へは、まず安東市内から46番バスに乗り河回村駐車場に向かう必要があります。安東市内での判りやすい46番バス乗り場は安東市外バスターミナルの向かい側でしょうか。市内から駐車場までは1時間弱といったところ。このバスの本数は1日6~8本程度と非常に少ないため、現地で時刻表のチェックを怠らないでください。
 
さて46番バスで終点の河回村駐車場に着いた後、河回村入口に向かうためには一度バスを乗り換える必要があります。このシャトルバスはある程度の人が集まればいつでも運行。ちなみに、このシャトルバスに乗らなかった場合、駐車場から村落までは15分くらい歩くことになるのでご注意を。ただ、河回村の集落内から駐車場まで戻るバスは定刻運行なので注意してください。

写真は河回村の集落内にある、駐車場に戻るシャトルバスの時刻表です。だいぶ古い写真なので時刻は現地で確認する必要がありますが、とにかく本数が少ないことが判るのでは。
 

46番バスを降りると「将軍標」が立ち並ぶ一角がありました。この木像については前回の記事で紹介したので、興味があればそちらをご覧ください。
 

では、河回村について見ていきましょう

周囲には美しい田園風景が広がっています。シャトルバスに乗って伝統集落へ向かいましょう。
 

シャトルバスを降りるとそこは河回村の集落入口。土産物屋では仮面劇で使われるお面やお酒が売られています。
 

河回村、伝統集落内を気の赴くままにぶらつく

散歩を始めると、そこは伝統的な集落の真っただ中。どこを歩いても両班時代へのタイムトリップ気分を味わえます。この建物は〇〇、あの建物は××とガイドブックを見ながら歩くよりも、ここは気の赴くままに散歩を楽しんだ方が良さそうです。
 

土壁が続くお屋敷街を散策します。仮に地図があっても、どこを自分が歩いているのか理解することが難しそうです。
 

道を少し外れると、田園風景が広がっています。こうした光景、なぜか落ち着きます。
 

このあたり、名もなき家屋の雰囲気がイイです。
 

この甕が並ぶ姿、韓国の伝統集落(を模した場所)でよく見る光景。
 

こちらは(おそらく)ガイドブックでも紹介されているような家屋でしょう。立派ですね。
 

立派な家屋の裏手には、かなりつくりが素朴な藁ぶきの家屋も見受けられます。両班屋敷とその使用人だった方の家屋なのでしょうか。
 

仮面劇「河回別神グッタルノリ」の公演を見に行きましょう

この仮面劇「河回別神グッタルノリ」は重要無形文化財第69号に指定された由緒ある劇です。公演場所はシャトルバスの下車地、総合案内所の近く、公演日程は案内所でご確認ください。
 

劇の内容は、まぁかなり単純なので言葉が判らなくても、なんとなく理解できます。お笑いが随所で巻き起こります。
 

こうした仮面劇の内容は、社会風刺が多分に含まれたコミカルなもの。一般的には、庶民たちが仮面をつけて、両班やシャーマン、夫婦、下男(召使)の格好に化けて日頃のうっぷんを晴らす内容は、観客たちも巻き込みながら笑いの渦をつくりだします。まぁ、前近代的な伝統社会ではそうした劇を通して社会批判を行っていた点、日本の狂言や田楽とも重なりますね。


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