広東省開平の訪問記事を紹介する前に、まずはこの地の歴史を簡潔に解説。客家(ハッカ)のつくりあげた興味深い文化は絶対に漢族のモノとは違うはず。まぁここで中国政府の基幹的な少数民族政策「民族区域自治」について文句を言うつもりはありません。
 

開平の街は何の変哲もない中国南部の地方都市だが、一歩郊外へ出ると・・・20世紀前半アメリカで大きな財を築いた謝一族の邸宅「立園」。バルコニーが美しい洋風建築はコロニアル建築を踏襲と思いきや、しっかり中華テイストを醸し出す不思議な建物でした。
 

田園風景の中に突然現れるのは、華僑マネーによって建てられた奇抜な高層建築の数々。もとは美桃村という美しい名前の村が、1950~60年代の大躍進から文革期に村名を変更。毛沢東&共産党を礼賛する壁書が多く残る村だが、大多数の村民は海外に逃げたままの結果となる。せつないぜ!
 

セピア色の街並みや異形の望楼群はまさにワンダーランドのはず……だが、同行の妻は全く興味を示さず退屈そうにしている。廃墟や工業地帯・骨董・B級作品を好む男性的感性に対し、華麗で美しい(カワイイ)風物を好む女性的感性が対立してしまう。
 

蜆岡鎮には155の碉楼が現存、そのうち錦江里は風光明媚な上、瑞石楼や昇峰楼など華麗なプロポーションを持つ碉楼が多く、村全体が世界遺産に指定されている。ただマジンガー世代の私にもっとも響く望楼は中堅楼!今にも飛び立とうとするロボットのような装いに興奮!
 

 


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