沖縄の夏を彩る伝統芸能と言えばエイサーです。私が今回の旅で初めてエイサーを見たのは「おきなわワールド」(玉泉洞)で見たスーパーエイサーや、名護近郊にある琉球村で行われていたエイサー演舞&道ジュネーのショーでした。ただ、ここで”ショー”と書きましたが大変迫力のある公演で、見学を終えるとまさに感動の一言。私の場合、世界各地でいわゆる伝統芸能ショーを見学したが、それらと比べても非常にレベルの高いものでした。こうなると、実際に街頭で行われるエイサーを見たくなるのは当然の反応、頃合いも良くエイサーが各地で踊られる8月中旬はちょうど沖縄本島に滞在しています。
 
私たちは8月中旬以降、宜野湾はごろも祭り、石嶺青年会・銘苅青年会の道ジュネー(エイサー)、沖縄市で毎年行われる「沖縄全島エイサーまつり」と立て続けに見学しました。今回の旅行記では私たちが実際に見学したこれらのエイサー&道ジュネーを紹介します。
 

エイサー、道ジュネーとは、そもそもどのような伝統芸能?

エイサーとは旧暦のお盆の頃に行われており、若者たちが歌と囃子に合わせ踊りながら練り歩く祭りです。お盆の時期ですから、全国各地でご先祖の霊をお迎えするための行事が行われますが、沖縄ではエイサーという形で盆の送迎を行っているのですね。エイサーは各地域の若者たちを中心としたグループ(青年会)で行われており、近年は沖縄全島エイサーまつりなど各地域のエイサーを集めたイベントが開催され人気を博しています。
 
このエイサーとともに行われることが多い練り行列が道ジュネーです。旗頭を先頭に踊り手や神人たちが大行列をつくり、音楽を奏しながらエイサーを踊る大変大きなイベントとなります。
 

琉球村で見たエイサー演舞と道ジュネー

琉球村は沖縄各地の伝統家屋を移築して造られたスポットで、沖縄の伝統文化や芸能を数多く保存するテーマパークです。レジャースポットとしても大変楽しめますが、私の場合はやはり琉球王朝時代から続く沖縄の伝統に触れられる興味深い施設です。

緩やかな時の流れに身を浸すと、現代の日本にいることを忘れてしまいそうになります。
 
琉球村のエイサー演舞や道ジュネーは毎日開催されており、ホームページから公演時間が検索できます。では私が見た公演を道ジュネーについて写真とともに紹介します。
 

まずは旗頭とともに四つ竹の舞踊が行われます。
 

こちらは私の大好きなミルク(弥勒)神。人々の幸せや五穀豊穣、村に繁栄をもたらしてくれるミルク神、彼が持つ大きな団扇で仰がれた人は幸せになれると言われています。
 

琉球空手の演舞やエイサー、そしてカチャーシーでは来場者全員が参加して楽しい踊りの輪をつくりました。
 

こちらは道ジュネーとは別の時間に行われたエイサーの演舞。道ジュネーと比べると規模はやや小さいですが、迫力があり見応え十分です。
 

宜野湾はごろも祭り

琉球村で見たエイサー&道ジュネーの迫力と壮麗さにすっかり心打たれた私たちは、実際に街角で行われる祭礼を見ることを夢見るようになる。八重山諸島訪問から戻るとちょうどお盆時期、エイサーシーズンの始まりです。ただ、ネットで検索を試みてもタイムリーなイベント情報に関する記事に当たることは少なかったが、その中から「宜野湾はごろも祭り」の情報にはすぐアクセスできました。この祭りは相当に大きなイベントらしく、立派なホームページも作成されていた。私たちはバスに乗り、宜野湾を目指すことにします。
 
2018年は諸般の事情により中止となった宜野湾はごろも祭り。2019年は開催されることを願っております。では私が見た祭りを写真とともに紹介します。
 

宜野湾に着くと、さっそく旗頭を先頭に子供たちのエイサーやマーチングバンドなどが長~い列をつくるのが見えました。祭りがもう始まったばかりですが、私たちはすでに興奮のるつぼ?
 

琉球王朝を模した一団ですね。竜神様はどれだけの長さか・・・龍とともに演舞が行われる、圧巻!
 

日もそろそろ落ちかけの頃、青年会の大人たちによるエイサー演舞の始まり。けたたましい太鼓の音色に、観客である私たちも興奮状態に。イイですね~!
 
2つの青年会グループが向かい合って、互いにエイサーの競演を繰り広げる。この時、私は興奮のあまり写真を撮ることを忘れてしまった。
 

石嶺青年会の道ジュネー

宜野湾で完全にエイサーの虜になった私たちは、実際の旧盆で行われる(大イベントではない)青年会単独で行われるエイサーを見たくなりました。ただ、こうしたものはホームページで日程や公演場所を公開していない場合が大半ですが、丹念に探してみればネットで詳細な情報を公開しているグループがいくつかあります。このうち、石嶺青年会による道ジュネーを紹介します。
 
那覇市内の首里石嶺町で実演された石嶺青年会によるエイサーです。ホームページに記載された時間より少し前に公演場所に行ったが、付近にはイベントを行う兆しが何もない。事前に知識を持たない私からしたら、え、本当にここでイベントをやるのといった感じでした。
 

予定の時間にさしかかった頃、トラックが停車し続々と若者たちが降りてくる。彼らによって、ここでエイサーが行われるのです。
 

これもまた素晴らしいエイサーで、辺りには太鼓の音とエイサーの掛け声が鳴り響いていた。ただ、見物していた方は地元の方が10数名ほど、観光客は私たちを除いて皆無でした。
 
 
この後、銘苅青年会による道ジュネーや沖縄全島エイサーまつりを見学しましたが、いずれも夜に開催されたため、あまり上手な写真が撮れませんでした。自治体が主体の大イベントでは多くのツーリストを集めるエイサーですが、地元青年会が行うものはまさに地元密着型で観光客の姿はほとんど見られません。ただその分、演者グループとの濃厚な一体感が味わえるのも事実で、自分も一緒に盛り上げようという意識が生まれます。
 
夏の沖縄を彩るエイサーの響きをぜひとも体験することをおススメします。


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