エキゾチックなイスタンブールの街角をただ歩いているだけで、誰もがドラマの登場人物になった気分を味わえる。今回は妻が同行のもとイスタンブール1都市だけを旅行しましたが、いや~女性がいると違うね。仮に私(男)一人で旅行したなら、これほど方々から声がかかることもないし、飲食店での度重なるサービスもあり得ないはず。やはりね、女性は”女”である存在自体で男では決して味わうことができないメリットを享受できる・・・イイなぁ!しかも”夫”が同行しているから、下手に危険な目に遭う確率は低まる。大体ねぇ、私が隣にいる時は妻に声をかける男はそうそういないが、写真撮影や地図のチェックに夢中な時など私がソバについていない時は、かなりの確率で妻はトルコ男と話し込んでいます。
 
その多くは飲食店などの客引きだが、ナンパ目当ての男も相当数います。そんな時「待った~」と私が駆け寄れば、大概の男たちは”同行の男がいるとは知らなかったよ”といった素振りを見せ、引きつった笑顔とともに去って行く。ただ、中には強引な輩や知能犯もいるし、親切な言葉を引っ込めることができず私にも恩恵が降りかかることもある。今回はそんなイスタンブールで私の妻に声をかけてきたナンパ(?)男たちにスポットを当て、その憎めない行動の一部始終をいくつか紹介します。

 

男と女のバトルは空港到着時すでに始まっている

ソウル乗継で到着したイスタンブールの空港、私たちが到着した頃はまだ旧空港(アタテュルク国際空港)の時代ですね。市街地まで出るルートをチェックしようと妻から離れていた時、妻の元にパリッとしたスーツを着こむ、いかにもデキるビジネスマン風の男が声をかけてきた。話しの序盤で彼には「夫を待っている」と伝えたようだが、なんとそいつは「あなたの夫は来ない。なぜなら今、日本からの飛行機は停まっている」と言う。「いや違うよ、すぐそばの案内ボードを見に行っているだけだよ」と伝えるも、「いや、あなたの夫はここには来ない。私はステキなレストランを知っているから、ぜひともあなたを案内したい」などとシツコク畳みかけてきた。
 
しばらくして私が姿を見せ始めて、そいつは「日本人は単身でも彼氏(夫)が一緒だとスグに嘘をつくが、あなた(妻)は正直者だ」などと敗戦の弁を語った後、「あなたたちをステキなレストランに招待しよう」と提案する。半ばそいつにアキレテいた私はその申し出を断ると、彼は短距離走者(エイトマン走法!)の如く足早に去って行ったのでした。まずは空港での先制ジャブにお互い苦笑、街では気を引き締めていかねば。

 

ホテルのサウナで出会った男たちは驚愕の目の持ち主だった

私の泊まったホテルには階下に大きなサウナがあり、男女とも水着をつけて入ることができる。と言っても女性の利用者は全くおらず何人かいた男たちは妻をガン見の状態?……が、湯気の向こう側にある妻の姿を確認する術はないものと思っていました。
 
翌日、ヒッポドロームというローマの大競技場跡を見学していたときのこと。私が写真撮影に夢中になっている間、妻に声をかける2人の若者の姿が見えた。私が近づくと若者たちは去って行ったが、妻に確認をすると驚愕の事実が判明。なんとこの2人の若者は、例のホテルのサウナで妻を見かけたと言うのです。あの湯気がモウモウと立ち込め人の顔など分かりようがないはずだが、彼らはどんな眼を持っているんだよ!まさか某アフリカの方のように視力8.0の世界、あるいは煙の中を見通せる能力の持ち主?ただ、彼らが迂闊だったのは、私がすでにいないと思っていたこと。妻に指摘され写真を撮る私の姿を確認すると、若者たちはキマリ悪そうにその場を離れるのでした。

 

オマケを一品、いや二品つけてくれる優しきウエイター

これは私と妻が何時間か別行動をとっていた時の話し。私は鉄道に興味を持っており、イスタンブール国鉄のヨーロッパ側始発駅(スィルケジ)で撮影をしている間、妻はホテルそばの雰囲気が良いカフェで一人おそらくは女優気分を決め込んでいたのでしょう。まぁ女性一人なら声をかけるのはトルコ男性の矜持?若いウエイターはドリンクしか注文しない妻に一品オマケをし、店を出る際には”これからここに来た時はいつもオマケをつける”と言ったらしい。
 
翌日、妻に加え私が来店すると例のウエイターが迎えてくれたが、眼には明らかにガッカリした様子をしのばせていた。さて話しはここからで、私たちはドリンクだけを注文、妻は”一品サービス”の話しなど覚えていませんでした。しばらくして、ウエイターが運んできたトレイには、私たちが注文していないデザートが二品載っていた。「エッ、これ頼んでないよ」と即座に言うと、なんとウエイターさん「君とは約束したじゃないか。彼と君との二品サービスだよ」と満面の笑みを浮かべ答える。いや~こんなステキなウエイターさんって初めて出会いました。独り者の女性であれば、こうした男性なら惚れてしまっても仕方がありません。
 
その後もこのカフェには立ち寄りましたが、常にこのウエイターさんが相手をしてくださり、(グレードは落ちたが)二品のオマケを頂いた。再びイスタンブールを訪れた時に彼がまだそこで働いているのなら、何かステキなお土産を手渡したいものです。

 
 
最後はイスタンブールのステキな男性の話しとなりましたが、皆がそんなイイ男のはずがありません。最新版のガイドブック(地球の歩き方)を覗いてみても、男女間のトラブル情報がいくつか報告されています。ただそんなネガティブな情報ばかり頭に入れて、旅の出会いを全て拒否してしまったら……ツマラナイ!スバラシイ出会いに乾杯っす。


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