LCCのキャンペーンに乗り何の計画性もなく釧路に来たのはイイが、この道東エリアをクルマを持たず旅行するのはケッコウ無謀…な訳がナイ。先日は道東の秘境・霧多布エリアでコミュニティバスを使い精力的に旅行できたし、公共交通だけを使い国内を旅行することは難しいことではありません!
え、表題は観光バスを使った旅行ではないの?矛盾しているなぁ…。そう言えば「この旅するオヤジさんってバックパッカーとして世界中を縦横無尽に駆け巡ったことが自慢ではないの?」と感じる方々のために言い訳を申すと、釧路から摩周・屈斜路・阿寒エリアを短時間で効率的に周れる上に料金もかなりリーズナブルなピリカ号を無視して、意固地にも公共交通だけを用いお金も時間も高くつく旅をするほど私は頑固ではありません。コスパ面を考慮すれば、クルマやバイクを持ち込まずピリカ号を外して旅する合理的な理由は全くナイのでした。

では、一通りの言い訳も済んだところでピリカ号の旅を振り返りたいと思います。ただここではピリカ号の料金や発着地などは紹介しません。そうした基本情報は阿寒バスのホームページをご覧ください。


早朝7:45、ホテルを出た私たちを待ち構えていたのは”霧の街”釧路の光景。

そりゃ霧にむせぶ幣舞橋などと言えば歌謡曲のタイトルになりそうだが、これから観光バスに乗るのに景色が全く見えないとなったら”金かえせぇ~”って騒ぎたくなるのが人の常。妻の横目を無視し、これだから日程をフィックスさせた旅行は嫌なんだよと愚痴を(心の中だけで)こぼしながらバスに乗り込みました。う~前途に暗雲が…。

バスが市街地を抜けると、そんな憂鬱な気分も一気に吹き飛ばされる。バスガイドさんが軽妙なトークを続けるうちに天気がどんどん好転、釧路湿原北斗展望台を通過した辺りからすっかり快晴となるのでした。

いかにも北海道らしい美しい草原の中を進み、私や妻は当然の笑顔すっかり上機嫌に変貌。

バスガイドさんは一向に休むことなくトークを続ける。とても有意義な情報をオモシロオカシク語るガイドさんの技量に脱帽。ただガイドさんが申すには、トークがあまりにウルサイとの苦情が会社にいったことがあるらしい・・・そんなことを言う客とは相当に狭隘な心の持ち主なんだと怒りの心が湧くうち、バスは弟子屈町を走る。最初の降車地、摩周湖はもうすぐです。


摩周湖第一展望台に到着しました。雲が出ているもののマズマズの天気に一同は満足。”霧の摩周湖”という曲があるが、私の場合これまで5回摩周湖を訪れたうち霧が出たことは一度もありません。私にとっては常に”晴れの摩周湖”、湖に浮かぶカムイシュ島(中島)も摩周岳などの山々も見えなかったことはナイ。まぁ摩周湖が晴れていたら婚期が遅れる、出世が遅れるなどネガティブな噂もあるようですが、これだけの絶景を見ることができず霧で真っ白な光景をわざわざ趣きがあるといって自らを慰めてきた先人たちの僻み妬みが生み出した醜い噂に耳を傾ける必要はアリマセン。

もう一度、摩周の絶景を目に焼き付け、次の目的地・硫黄山へと向かいます。


バス車内からもはっきりと判る異様な山容、それが硫黄山。


バスを降りた瞬間に硫黄のまるでゆで卵のような臭気が鼻をつく。白い煙を轟々とあげる様子は、まさに地獄の入口に来たかの様相ですね。

山に向かい5分ほど歩くと、黄色く固まった硫黄が地響きのような音をたて揺れている。日常では味わえない、なかなかのステキな光景に感動!先も申しましたが、硫黄の卵臭い臭気の中で名物・温泉卵を食べるのは格別の味わい。では次の目的地に向かいましょう。

川湯の温泉街を車中から見ると、もうすぐ屈斜路湖・砂湯に到着です。砂湯と言えば40年近く前、友人たちとヒッチハイク旅行を決行し、この砂湯にも立ち寄ったことを思いだす。当時はバイクで北海道を旅する学生が大勢押しかけ、この砂湯にライダーズハウス(キャンプ場)があったはず。寝袋すら持っていない私たち高校生でしたが、タダ同然の価格でコテージに泊めてもらった砂湯の地、あれから時は経ちすっかりオヤジとなってから再訪するのは感慨深いものがあります。

いや~屈斜路湖、キレイだなぁ大きいなぁ~……って私の記憶にある砂湯ではありませんでした。あのキャンプ場はどこにあるの?たしかに足湯はあるけれど、私はたしか湖の真際にあった露天風呂に入浴した覚えがあるのだが……。ひょっとしたら私の記憶が怪物によって差し替えられた?

すると湖畔の土産物屋に巨大な怪物が拍子抜けするような表情で鎮座していた。これはあの幻の怪獣クッシーが降臨した姿、私のおぼろげな思い出や記憶違いも全てクッシーのせいにしておきましょう。

屈斜路湖からはまだ長い道のり、そろそろお腹がなってきた13:00過ぎ阿寒湖畔に到着です。


この日の阿寒湖も美しいぜ!ピリカ号は阿寒湖畔温泉で2時間ほどの休憩タイム。昼食&散策に余裕をもたせた時間設定だが私たちはこの阿寒湖温泉で途中下車、ピリカ号とはお別れです。名物わかさぎ天ぷらソバをいただいた後、本日の宿泊地ニュー阿寒ホテルにチェックインしました。

ニュー阿寒ホテルはリゾートホテルとして申し分なく、とくに屋上にあるインフィニティ温泉プールは格別。写真撮影ができないのは残念ですが、ほどよい水温のプールに浸かりながら阿寒湖の美しい景色を眺めこの上ない極楽気分に浸る。あぁ~旅ってイイなぁ!



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