東日本大震災発生から5日が経った2011年3月16日、私と妻が搭乗予定だったフライトは飛び立つことができませんでした。しかし、その後の航空会社の対応は見事だった!この日の成田空港はとても異様な雰囲気、天井は照明が落ちてしまったり、ところどころガラスが割れている。帰国を急ごうとする中国人や韓国人の方が、おそらく徹夜をしていたのか、空港内で新聞紙などを敷いて座り込んでいた。フライトキャンセルが多く出ており、空港職員に罵声を浴びせている外国人が目立つ・・・空港にいる誰もが一刻も早く日本から離れたい、そんな様子がひしひしと伝わるのでした。この当時のことを覚えている方も多いのではないでしょうか。原発事故の深刻さがやっと表沙汰になり、地震と津波による直接被害だけではないことに、これから日本はどうなるのか皆が不安に思っていた頃。某総合電機メーカーに勤める友人からのメールには、「もう生きて会えないかもしれないが」と非常に大げさだが切実な文面が書かれていた。
 

QR803便はフライトキャンセル、無料で1泊分のホテルが用意されました

成田空港では既に出国を済ませ、搭乗ゲート前で20:50の予定出発時刻を待っていた。フライトキャンセルが相次ぐなか、搭乗予定のカタール航空QR803便が搭乗ブリッジに横付けされており、準備が整い次第すぐに乗れるものだと思っていたが・・・。
 

搭乗のアナウンスはいつまでもされず、突然ゲート前で軽食が配られる

21:00頃、ゲート前で写真にアップした簡単な軽食が配布される。あれ、予定出発時間は少々過ぎているけれど、もうすぐ出発じゃないの?飛行機に乗り込んでから機内食が出るんじゃないの?と疑問に思うが・・・。このパンとロシェのチョコが当日の夕食になるのです。
 
アナウンスでは相変わらず続々とフライトキャンセルの告知がありました。ただ、カタール航空便のアナウンスがなされていない中、私たち2人のもとに空港職員と出入国管理官が駆け寄り事情を説明。案の定、カタール航空便もフライトキャンセル。空港バックヤードの通路を通り、いったん日本出国を取り消された後ロビーに集合しました。
 

「ガーデンホテル成田」が用意され宿泊。今後の旅行はどうなるの・・・?

ロビーでは職員から今後の方針についてレクチャーを受ける。私たち2人には、その日の宿泊先「ガーデンホテル成田」の宿泊バウチャーが用意されていました。今後の予定や動向は、翌朝ホテルで直接説明をするとのこと。私たちは旅先でのホテル予約状況などを伝え、スペイン旅行のスケジュールに変更が生じないよう対応していただきたい旨を要望。この日は不安のまま眠りにつきます。
 

翌日、JL(日本航空)便が用意される。カタール航空の対応は見事だった

翌朝、ホテルフロントの方に声をかけると、すでに当日分の航空券が用意されていました。さすがは日本!
 
【当初の予定】

3月16日 QR0803:成 田20:50 → ドーハ05:10(翌朝)

3月17日 QR0071:ドーハ07:25 → マドリッド13:35

【変更後の予定】

3月17日 JL0405:成 田11:05 → パリ15:40(当日)

3月17日 AF1900:パ リ16:40 → マドリッド18:45

 
1泊分、成田のホテルに泊めていただき、翌日の夕方にはマドリッドに着くスケジュールは100点満点!機内泊を避けられたばかりか時間的ロスも5時間程度に収まり、今後のスケジュールには全く影響は及ぼしません。助かりました!カタール航空の担当者の仕事ぶりは本当に素晴らしい、感謝!お礼の意味を込めてカタール航空ホームページのリンクを置きます。
 
ヨーロッパへのご旅行はカタール航空

 

とりあえず、JL便の機内食を紹介

実は、日本航空って国際フライトでは出張くらいでしか使ったことがなく、久々のジャル体験(出張ではビジネスクラスが多く国際線エコノミー席はほぼ経験ナシ。個人での旅行は米国系航空会社やアエロフロートの格安エコノミーチケットなのにね)。長らく日系航空会社のサービスから遠ざかっていたが、やはりイイですね。日本航空や全日空は、日本人の痒いところに手が届く感じと言うのでしょうか、例えば写真の蒸しパン。欧米系航空会社では、こんな気の利いたモノはまず出てきません。日本人の感覚にフィットしたきめ細かなサービスに感服。これが米国系航空会社ならエコノミーは……(隣にガタイの大きな外人オッサンが来たら最悪!)、ビジネスクラスでも甘~いチョコケーキにアイスクリームがダメ押しで乗る、まさにカロリーお化け!そんな大味デザートより、僕はこの蒸しパン(ヤマザキやキムラヤでOK)が大好きなんだ~と声を大にして言いたいです。
 

パリのシャルルドゴール空港で乗り換え。久々のパリとエールフランスに少しご機嫌

実は私、エールフランス航空(AF)から何を間違えられたのか、ものすごいVIP待遇を受けていた経験があり。以前(2007年)にモロッコを旅行した際、格安チケットで初めてAF便を利用したのですが、なんとビジネスクラスにアップグレード!まぁそれはオーバーブッキングなどで時々あることだし、当時はスカイチームのゴールド会員だったので、その恩恵かなと思っていました。

そんなこんなで数ヶ月が経過した晩秋のこと、どこからか宅配便が家に届く。異様に重い包みを開けると、なんとエールフランスからボジョレーヌーボーの贈り物!ボジョレー解禁日にキッカリと飲んだ記憶は、たぶんこの時だけでしょう。しかもなぜか数日後にはチーズなどの乾きものツマミ一式が送られてきました。いや~、驚きっす!

まぁ、これ以降は特段のサービスを受けることもなく、お礼がてら後にAFに乗ったが通常のエコノミー席で通常の素っ気ないサービスを受けただけでした。今回も謎の恩恵を受けることは全くなく、パリからマドリッドまでは簡単なスナックが出たのみ・・・うん、あのエールフランスの厚待遇は何だったのだろうと考えているうち、マドリッド郊外が上空から見えてくるのでした。


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