秩父って西武鉄道の特急ラビュー(Laview)に乗ってしまえば池袋から一時間ほどで到着するのに、とにかく地味さが拭えない。世間ではGoToトラベルキャンペーンが始まり、箱根や熱海、軽井沢の盛況ぶりは報道されるが、秩父ときたら・・・いや~アホみたいな人混みを避けて観光したいのなら秩父は打ってつけの場所です!

 秩父旅の始まりに私たちが選んだ場所は、和銅黒谷駅の周辺を巡る旅。ただでさえ地味な秩父で和銅黒谷というのがシブすぎる。秩父と言ったら長瀞の渓流やパワースポットとしてお馴染みの三峰神社を連想するのが一般的だと思うが、いやいや和銅黒谷を外して秩父観光は語れないと個人的には力説したい。では和銅黒谷周辺の魅力的なスポットを簡単に紹介した後、旅行記をご覧ください。

聖神社

  • 和銅黒谷駅から徒歩で5分ほど。言わずと知れた金運スポット。和同開珎ゆかりの神社で「銭神様」とも呼ばれている。
  • 金銭欲にとらわれた強欲な者たち(私もその中の一人!)が必死にお金持ちになりたいと願う神社。和銅黒谷を目指す方の大多数がこの神社を参拝するものと思われる。

和銅遺跡

  • 和銅を採掘していた露天遺跡。和同開珎を模した巨大なモニュメントが建つ。
  • 聖神社ではまだまだご利益が物足りないと思う、さらに強欲な者(当然、私を含みます!)が目指す遺跡。聖神社から歩いて15~20分ほどで着くが、途中から渓流沿いの山道を分け入ることになる。サンダルやヒール履きで歩くのは辛く、オノレの足元を見つめよというメッセージがふと頭に浮かんだ。

秩父温泉 ゆの宿 和どう

  • 秩父を代表する高級温泉旅館の一つ。西武線沿線に住む庶民にとって和どうの露天風呂付き客室に泊まることは何よりの贅沢。妻も友人の噂を聞きつけ、数年前から和どうに泊まりたいよぉ~と吠えていた。
  • 部屋出しの食事がとにかくスバラシイ。私が訪れた秋は松茸懐石、これほどの松茸を食したのは生涯でこの一度だけかもしれない。また、カニやマグロの刺身といった海の幸からデザートに至るまで、ただ一言”旨い!”

 では旅行記を始めます。2019年デビューの西武鉄道が誇る特急ラビューに乗り西武秩父駅に降り立った私たち夫婦。秩父鉄道の御花畑駅に向かうが、鉄道ファンの私にとって秩父鉄道に乗車すること自体が大切なアトラクション、旅の目的の1つなのです。コロナ禍の影響で蒸気機関車C58 363の運行は停止中だが、それでも東京界隈の住民にとっては懐かしい旧東急電鉄の8500系(現7000系)や都営三田線でお馴染みだった旧6000形(現5000系)が現役で走る姿につい目頭は熱くなる。


 これらの写真は9月22日と23日に和銅黒谷駅で撮影したものですが、いや~のっけから東急と都営の競演ですよ。この姿に感動し写真を撮りまくる私の姿を見て、妻は相当にひいていました。最近は鉄ジョなる言葉もあるようですが、私の妻には通じない様子。ちなみに和銅黒谷は駅それ自体も魅力的なデスティネーションになりえる場所だった。

 駅ホームにあるワザトラシイ和同開珎の像はどうでもよいが(お約束として顔出し写真は撮影済み)、それよりもこの古色蒼然とした木造駅舎の素晴らしいこと・・・


 駅舎に加え古い備品の数々も味わいがあるじゃないですか。実は和銅黒谷と言う駅名は2008年に黒谷から改称されたもので、駅名標などは10年足らずの歴史しかないはずだが、この”古さ”を前面に出した駅づくりに好感が持てます。と、和銅黒谷駅だけを語っても〇〇時間は過ぎてしまいますが、妻もいることだし先を急ぎます。

 和銅黒谷駅周辺の観光スポットとして先ほどは聖神社や和銅遺跡を挙げましたが、これまで数多くの金運スポットを巡ったにもかかわらず未だにお金持ちになれない私にとって、いくら和同開珎の故郷だと言ってもイマイチご利益を信用できない。そんなスポットに真っすぐ向かうのも癪なので、まずは駅周辺を当てもなくぶらつきます。駅から徒歩7~8分ほどの場所でしょうか、感じの良い田舎道でひときわ目を引く古民家が現れました。

 案内標識によると、こちらは内田家住宅、17世紀末期に建てられたものと記されています。写真をバチバチ撮っていると、通りがかりのクルマの中から声がかかる。一応の自己紹介を済ませるが、ひょっとすると不審者に間違われたかな?

内田家住宅の見学を終え再び駅方向に歩き出す。次は聖神社を参拝、金運アップを本気で願いに行きます。

 「銭神様」のご利益を記した案内板を読み期待が高まる。さらに「お金儲けの縁起の神様」として注目されていると書かれている。私、旅生活に入った段階で職を辞しており、つまり現在の収入は……(;´д`)トホホ。胸の鼓動が高まる中、本殿まで参道を駆け上がります。

 う~ん、イイ感じの本殿じゃないですか!和同開珎のオブジェが微妙に安っぽくて味があります。何人か参拝客は見かけたが、この程度なら一獲千金を願うライバルは少ないと言える。御縁があるように5円玉をお賽銭箱に入れ、聖神社を後にします。

 聖神社から和銅遺跡までは歩いて15~20分ほどだが、神社から先の急坂に妻はうろたえだす。足腰が常に痛いと愚痴をこぼす妻に無理をさせては、この先の旅行が台無しになるかもしれず、妻には駅へ先に戻ってもらいます。

 途中からはハイキングロードと言うにはあまりにヒトケのない、かなり不気味な山道となる。まぁ遭難は有り得ないが、ぬかるんだ土道は滑りやすく細心の注意を払いながら歩みを進めます。

 和銅遺跡に到着しました。この和同開珎のオブジェに触れてこそ、ご利益が最大化すると勝手に信じ込みます。本当はオブジェにホッペタをスリスリしたかったが、コロナ禍の今日、そんな姿をどこかで晒されたら批判のマトにとなってしまう。ここは手で撫でるくらいにして駅に戻ります。

 私の帰還を待ちわびていた妻は、駅のベンチで他の客がいるなか半分眠りこけていた。妻を起こし宿泊先「ゆの宿 和どう」に送迎依頼の電話を入れる。

 東南アジアのチープなゲストハウスばかり巡ってきたオヤジにとって、駅までの送迎がついているだけでも感動ものなのに、こちらのホテルではロビーのフカフカなソファーに座りながらチェックインができる上、ウエルカムドリンク(アイスコーヒー&アップルジュース)までいただく。さすがは高級旅館、イイね!
(ちなみに最近は貧乏臭さが板についた私だが、サラリーマン時代はヒルトン・オナーズのダイヤモンド会員だった時期が数年間あり。エグゼクティブラウンジに入り浸り、朝夕食代を浮かせることに血眼になる若きオヤジでした)

 今回泊まる客室は露天風呂付き!妻の誕生日だから奮発しましたよ。と言っても、この9月は東京都民以外ならGoToトラベルキャンペーンと秩父市助成の宿泊クーポンを使うことで最大85%オフ、つまり1泊4万円の宿泊料でも6千円で泊まれると想像すると・・・う・う・う。都民の私は秩父市助成のクーポンだけを利用、それでも少なからず割引となったことは大きい!ありがとう秩父市。

 こちらは居間の奥にあるベッドルームを撮影したもの。その先にベランダが見えるが、実はここ客室内の露天風呂と繋がっているのです。

 どうですか、木立を見ながらの露天風呂は!ほどよい湯加減の風呂に浸かるうち身体が温まってくると、そのままの姿でベランダのイスに座り休憩。う~ん、極楽じゃ~!

 そうこうしている内に日は暮れ夕食タイム。今回の宿泊プランでは食事は部屋出し、すっかりお殿様気分。

 まず前菜からしてスバラシイ!山深い地で食すカニの刺身やウニは格別の味です。

 お品書きを見ると・・・これでもかと言うご馳走が続々と登場します。しかも今回は松茸尽くしの献立・・・炭火焼でいただく松茸や、茶碗蒸しで味わう松茸、定番の土瓶蒸しは当然、締めは松茸ご飯。和牛の朴葉焼や魚の焼き物、揚げ物、それに柿でつくった鉢に入った白和えが彩を添える。う~ん、余は満足じゃ!

 妻の誕生日プランであるため、ホールケーキとシャンパンまで登場。そしてサプライズは・・・妻への誕生日プレゼントまでいただきました!さすがは日本の高級旅館、このオモテナシは半端ないです。


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