タナトラジャのロンダにある鍾乳洞は、中に入ると驚愕!お骨があちこちに散らばり、あの世に迷い込んでしまった錯覚に陥ります。真っ暗な洞内を歩くとジャリジャリした感触、地元のガイドの方が持つライトで足元を照らすと、そこには骨が散らばっているのでした。これが、死後、魂が通って行くと言われる黄泉の国への道なのかと、思わず納得するのでした。

8月4日。トラジャに来たら行ってみたいと考えていた洞窟が「ロンダ」にありました。この洞窟は、トラジャを代表する「埋葬洞窟」として(一部の方には)有名で、散骨された骨がそこらじゅうにあるとのこと。しかし、このトラジャ旅行で、動物たちの断末魔の叫びや、朽ち落ちた人の骨ばかりを見て、まさにお腹いっぱい食傷気味な自分がいる。「また、骨を見に行くのか」と、少しセンシティブになっていましたが、「ここまで来たんだ、行ってみようか」ということで、気持ちを奮い立たせ、ロンダに向かいました。

ロンダへの行き方:ランテパオから、直接ベモ(乗合ワゴン車)に乗り込みGO!

ランテパオからは、マカレ方面に向かうベモに乗れば20分ほどでロンダに着きます。ちなみに、ランテパオとマカレを結ぶベモは頻発しており、さほど待つことなく乗り込むことができます。ただ、始発地点から乗るわけでなければ、混んでいることが多い。料金は当時、片道IDR3000(約25円)でした。

ベモで「ロンダ」と言うと、この大きな村入口の標識で降ろしてもらえます

ベモのドライバーに「ロンダ、ロンダ」と伝えておけば、おそらく写真の標識がある場所の近くで降ろしてくれるはず。これだけでかい看板ならば、迷うことはないです。看板から集落までは、数百mでしょうか、田園風景の中を歩いて行きます。

いよいよ、ロンダの集落に到着です

ロンダの集落に入りました。入口からしてプンプン怪しい空気が流れています。トンコナンを模った集落の入場門を通ると、多少の木工細工やTシャツ(いちおう土産物?)が置かれた売店があり、ツーリストがよく来る場所だと判る。ただ背後に建つ協会はプロテスタント教会のようですが、トラジャの土俗信仰と習合していている様子がうかがえ不気味な雰囲気が漂います。

いよいよ埋葬洞窟への潜入。ここはガイドをつけないと中に入る勇気がでません
例によって、ドクロやタウタウ人形のお出迎え!

集落から少し歩くと、でました~ドクロが並んで「コンニチハ」と迎えてくれます。けっこう突然なのでトラジャ体験が浅い方はビックリしてしまうでしょう。

タウタウ人形も、妙にリアルで・・・ただ、生気がまったく宿っていないご老体たちに迎えられる気分は・・・最高!とはいかず、微妙ですよね。

いよいよ、洞窟入場・・・の前に、ガイド料はケチらない方が無難です

ロンダでは、集落の入り口で入場料としてIDR10000(約85円)を支払いました。うん、これ以上に出費をしてたまるかと思う人、多いと思います。しかし洞窟の中は真っ暗闇!しかも洞内は骨が散乱した”魔界”状態なのです。洞窟に入る際、ガイドをつけることを勧められますが、ここは払った方が絶対に良い!と思います。ガイド料はIDR25000(約210円)、ベモ料金や日ごろの食事代金を考えれば確かに高いと思いますが、仕方がありません。まぁ、プライベートガイド付きの洞窟探検が200円ちょいと思えば、高級リゾートに泊っていたり、ツアーで来ている方などは安すぎて仰天するのでしょうか。

洞窟入場・・・これがリアル肝試しでしょうか。とにかく足元に注意をすること!

中に入ると、とにかく真っ暗・・・。しかし、明かりを照らすと・・・驚きます・・・目の前にはドクロが!このインパクト、心の準備ができていなかったら、その場で倒れこみ、尻もちをついてしまうかもしれません。しかし、尻もちをつくことは許されません。足元にも骨が散らばっているのです。歩いていて、ジャリジャリと石を踏んでいると思っていましたが、実は、骨を踏んづけて歩いていたのです、ヒエ~!

この、スカスカな足元の感触、遊園地のアトラクションや恐怖のオカルト映画ではけっして味わえない、リアルな感触です。もう、この時点でトラジャは十分に堪能したと実感。見たいもの、行きたい場所は十分に行き尽くしました。ランテパオに戻ると、すぐに長距離バスチケットの売り場へ直行(売り場は、ボル方面へ向かうベモ乗り場近くの交差点付近に集まっている)、この日の夜行バスのチケットを購入する。夕方近くにチェックアウトを申し出たのにも関わらず、その晩の宿泊料金は請求されませんでした。トラジャ、優しいぜ!
ちなみに、このページトップの若者たちは、ロンダの洞窟に来たマカッサルの大学生たち。文化人類学を研究しているらしく、いろいろ面白い話を聞かせてもらいました。


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