ジョグジャカルタ市内でどこか1ヶ所だけを見学するのなら、私ならソノブドヨ博物館を推します。ここでは、毎日夜に「ワヤンクリ」と呼ばれる影絵芝居が行われることで有名ですが、午前中はジャワ文化の博物館として、ガムランで使われる様々な楽器、人形、刀剣(クリス)、伝統衣装、伝統工芸品、日用雑貨品などが展示され、とても見応えがあります。影絵芝居だけではなく、こうした展示物や建物自体が、私の興味を存分に惹き付ける、とても素敵な場所なのです。
 

ソノブドヨ博物館の概要(開館日・開館時間など)

ソノブドヨ博物館は、1935年に建立されたソノブドヨ図書館(Sonobudoyo library)の付属施設で、伝統的なジャワ様式をベースにオランダ人がデザインし建立されました。現在のソノブドヨ博物館の開館状況は以下のようになっています。

【午前】
 ・休館日は月曜日とインドネシアの祝日
 ・開館時間は8:00。一応14:00~15:30が閉館時間となっているが、午前中で閉めることも多いので注意。
 ・入場料は、外国人の場合Rp5000(約40円)。
 
【夜間】影絵芝居の公演
 ・月曜~土曜 20:00~22:00
 ・観覧料はRp20000(約160円)。

 

午前中のソノブドヨ博物館

ではソノブドヨ博物館、午前中の様子を見ていきましょう。
 

こちらがエントランスの様子です

まずは、バリ様式の割れ門がお出迎えです。
 

この仮面もバリですね。オランダ人がイメージするインドネシアがが、シンボリックに表されていると思います。
 

博物館に入場する前に、工房をのぞいてみましょう

ワヤンクリ(影絵芝居)で使う人形を制作する工房が見学できます。ちなみに、ワヤンは「影」、クリは「皮革」を意味するとのこと。ワヤンクリの人形は水牛の皮で作られていることから、その名がついたものと思われます。
 

博物館の展示物、ほんの一部を紹介

説明を受けたわけではないので、展示物の仔細な内容は判りませんが、私の勝手な思い込みによる解説を付記しながら紹介します。

こちら、旧王族が使用していた座椅子でしょうか。人形たちの展示とともに、独特な雰囲気がありますね。
 

インドネシアといったら「バティック」(ろうけつ染めが施された布織物)でしょう。こちらは、きっとジャワ・ジョグジャカルタ産の高級バティック、おそらく王侯貴族が使用したものと推察されます。
 

こちらの骸骨、レプリカだと思われますが、なにゆえ骸骨が展示されているのか?一応、ジャワ原人と言えば、北京原人と並び最古のヒト族の一種として有名ですが・・・。
 

ワヤンクリで使われる人形たちですね。精細な彩色が施され、手足や顔が可動式になっています。素人目に見ても、人形に施された技巧に感銘を受けます。
 

こちらは、木工人形と仮面。それぞれ、やはり伝統芸能の公演で使用されるものです。
 

夜のソノブドヨ博物館

夜の部、ワヤンクリの公演を見ていきましょう。ワヤンクリは「影絵」を見るものなので、芝居は照明がかなり落とされた、薄暗い会場で行われます。ちなみに影絵芝居のストーリーは、インドの古代叙事詩「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」の中の一部章節が公演されます。ストーリーを事前に知っていればより楽しめるとは思いますが、たとえ知らなくても、おおよその展開は見ているだけで(なんとなく)判るのでご安心ください。
 

公演前の様子

幕に映る影絵。ぼんやりとした中に映る影絵は、静寂の中おちついいた風情が漂っています。
 

幕の後ろには、整然と人形たちが並べられています。
 

読誦を担当なされるお姉さまたちが入場しました。私たちは、この中に入れと促され、お茶を一緒にいただきました。ありがとうございます。
 

公演が始まりました

幕の後ろでは、影絵を操る男性が入場しました。いよいよ公演が始まりです。まずは幕の後ろから見てみましょう。
 

ガムランの演奏が賑やかに行われています。
 

観客である私たちは、幕に映る影絵を見て楽しみます。ガムランと読誦が相乗して、大変素晴らしい総合芸術として成立しています。姫の救出シーン(かな?)や戦いの場面などでは、激しいガムランの演奏に伴って影絵の動作も非常に激しくなり、とても見応えがあります。全くストーリーを知らなくても、芝居の内容は(おそらく)容易に理解できるものでした。


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