ジョグジャカルタ(略して「ジョグジャ」)市内には「トランスジョグジャ」という市内バスが、かなりのネットワークを張り巡らせており、ソスロウィジャヤンに滞在していたり、プラウィロタマンからマリオボロ通り界隈に行くには、大変便利な乗り物です。ただ、ジョグジャに来て、毎回トランスジョグジャに乗って市内中心部へ行くのは何か味気ない。実は、ジョグジャ市内には、自転車の前に客席を取り付けた「ベチャ」(Becak)という乗り物が縦横無尽に走っていて、かなり安い料金で乗ることができます。ジョグジャ市内観光は、このベチャをうまく使いこなすことから始まると思います。
 

ベチャっていくらくらいで乗れるの

例えばプラウィロタマンに滞在していると、ベチャのドライバーから「1日観光」のお誘いを方々から受けると思います。たとえ観光を断っても、今度は「マリオボロ」などと言ってくるかもしれません。そこで料金を尋ねると・・・地元の人に言わせれば、ふざけるなよ!と言いたくなるくらいの料金が返ってきます。そんな料金を払ったら、高級タクシーで豪遊できるじゃないか~という金額をふっかけてくるドライバーもたまにはいますね。
しかし、こちらが相場を言えば、「お、お前よく知っているじゃないか」「ちっバレてしまったか」という顔とともにドライバーの態度は途端に変わります。

では、ベチャの相場はいくら位なのでしょう。外国人に対する言い値はRp20000(約160円)と提示されることが多いですが、こんなのボッタクリです。ここ、しっかり押さえてください。ベチャの相場は1kmあたりRp10000(約80円)です。また、ベチャの場合、1~3km程度の短距離の利用が一般的で、数km以上の長距離利用や数時間~1日の貸し切り利用の場合、料金は交渉となります。ただ、いずれにせよ乗車する前に、しっかりと料金交渉を済ませてください。
 

ベチャでジョグジャカルタ市内を観光する場合、いくらくらいが相場なの?

ちなみにボロブドゥールやプランバナンなど、ジョグジャカルタを代表する観光スポットを、市内中心部からベチャで観光するのは無理があります。ベチャは、なんといっても本体は自転車!機械動力ではなく人力で動かすものなので、あまり無理な要求をするのは止めましょう。ベチャで観光するのにちょうど良いのは、「クラトン」(王宮)や「ソノブドヨ博物館」「タマンサリ」「マリオボロ界隈」など、ジョグジャ市内の中心部にほど近い観光スポットを巡るコースです。こうした観光スポットは、暑い中、歩いてまわるにはキツイ位置関係にあり、また、トランスジョグジャでまわるのもキツイ!やはり、ゆったりとベチャで見てまわるのが、この街ではお似合いのような気がします。

ちなみに、ベチャでまわる場合、チャーターしないでいちいち乗換しながら行っても構わないと思います。ただ、ドライバーの方と身振り手振りコミュニケートをしながら、観光スポットやおススメのショップ・レストラン情報を聞いたりなど、チャーターをして観光をするのも一興です。チャーターする場合、半日でRp100000(約800円)程度は見ておきましょう。
 

ジョグジャカルタ市内、ベチャで観光するおススメスポットを紹介します
タマンサリ

タマンサリは王家の離宮の跡で、クラトン(王宮)からほど近い場所にあります。このタマンサリは「水の王宮」とも呼ばれており、王宮の中央部にある沐浴場(プール)で女性に水浴びをさせ、それをスルタンが塔から眺め気にいった女性を呼びつけ王の夜の相手をさせたという、まぁスゴイなぁという場所です。
 

タマンサリ近くの街の風景です。
 

このトンネルをくぐり、タマンサリへ行きました。まるで防空壕のような場所です。
 
少々余談を記します。前回ジョグジャカルタを訪問したのは2010年で、その時クラトン(王宮)などの主な見学スポットは見学できましたが、タマンサリは行けませんでした。2006年にジャワ島中部を襲った大地震によってタマンサリは大きな損傷を受け、見学ができなかったのです。そこで、今回タマンサリへ行けることに特別な感慨がありました。
 

タマンサリに到着しました。こうした門をくぐり、プールに向かいます。
 

これが「噂」のプールです。暑いジョグジャカルタの気候で、このプールはいかにも涼しげです。1枚目写真で正面に見える、この塔の3階から、スルタンは数あまたいる美女たちを見つめ、夜の相手を決めていたのですね。なにか感慨深いです。
 

クラトン(王宮)

ジョグジャカルタにおける王朝の初代スルタン(藩王)ハメンクブオノ1世の宮殿として建立され、現在もスルタンの末裔が居住する場所です。このクラトン(王宮)は、トラディショナルなジャワの伝統と西洋が融合した建築物として名高く、博物館として公開された現在、私たちは歴代スルタンが収集した多くの調度品や楽器、衣装などを見学することができます。
 

まずは、王宮の紋章がお出迎えです。
 

王宮の中庭では、伝統舞踊や音楽といった伝統芸能の公演が見られます。この日は「ワヤンクリ」という、ジャワを代表する王宮芸術である影絵芝居を行っていました。
 

この王宮の見どころは、西洋の文化や近代技術の受容プロセスが見られる点です。随所にある「電灯」や「ステンドグラス」は、確かに伝統と近代の融合と言えるでしょう。
 
 
今回はジョグジャカルタ王家ゆかりの観光スポット2ヶ所を紹介しました。次回は、(おそらく)ソノブドヨ博物館かな?


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