ホイアン旧市街を探索するのに忌々しいのは、大概のスポットで観光チケットの提示を求められること。ちょっとイイ感じの建物だなと思い中を覗いてみると「プリーズ チケット!」とまるで犯罪者に相対するような口調で言われてしまう。あのねぇ、私もチケットを持っているし、わざわざ無銭飲食するような態度で覗いたわけではなく、ただ何となく良さそうだなぁ~ってフラッと中を覗いただけでこの調子、感じ悪いゼ。

 
たださすがはベトナム、私が思うに感じの悪かった場所はたったの2ヶ所所で、観光チケットを取り出そうとカバンをゴソゴソするうち「プリーズ カムイン」と言われチケットの提示を求められなかった場所も3~4ヶ所もありました。まぁいい年齢のオヤジが、人の善意を期待しそれに甘え旅をするような真似は絶対に避けたいものです。
 

ホイアン旧市街、観光チケットについて少々の解説

ホイアン旧市街にある大概の観光スポットは、フラッと訪れただけでは入場ができず、事前に購入したチケットの提示を求められます。この観光チケットは5枚綴りで12万ドン(約570円)、1ヶ所の入場につき1枚チケットが必要となる。つまり入場料は1ヶ所あたり100円強と、高すぎると目くじらを立てずに入れる料金です。

 
さて、チケット提示が必要な観光施設は全部で20ヶ所強程度。私は徳庵(Old house of Duc An)と郷賢祠(Cam Pho Communal house)を除く箇所を制覇した、う~ん相当の暇人です。
 

観光チケットを購入したらまず優先すべき見学場所5選

観光チケットは5枚綴りでワンセットのため、1枚でも無駄にしたり、2セット目のチケットを購入したくないのなら、観光スポット5ヶ所を厳選して入場すべきですね。
 
ちなみに私の独断で最優先すべき見学場所を5ヶ所ピックアップしますが、それはあくまで私の趣向に沿ったもので、このブログをご覧の皆様の意向に沿ったものかどうかは・・・。また、観光的な詳しい説明は『地球の歩き方』などのガイドブックをご覧いただくとして、ここでは私が撮影した写真と私の惹き・萌えポイントを記します。
 

福建会館(Phuc Kien Assembly hall)

中国各地から華人が集まったホイアンの街では、それぞれの出身地ごとに同郷人の集会所(会館Hoi quan=Assembly hall)がつくられました。福建会館はそうした会館のうち、もっともインパクトのある外観が高ポイント。なにせピンクの楼門にゴチャついた装飾、さすが福建華僑の心意気を感じさせるカワイラシサです。
 

祠堂内には巨大な願掛け用の渦巻き線香がいくつも垂れ下がり、奇妙な景観をつくりだす。ただ線香よりもポイントが高いのは、妙にリアルな鶴!とぼけた表情の中で光る眼光は、福建華僑に紛れた若冲を連想させる?
 

均勝號(クアンタンの家:Old house of Quan Thang)

ホイアン旧市街には華人の古民家が数多く残され、私が思うに古民家巡りこそ最も楽しいアトラクション。ただ、ご多分に漏れず古民家の大半でチケットの提示が求められるため、代表的な1ヶ所だけをピックアップしたいもの。私ならその1ヶ所に均勝號を選びます。この家のポイントはとても狭い間口なのに、中に入ったらビックリ!とても奥行きが深いこと。まぁ昔の長屋造りと言えばそうなのですが、こうしたギャップが楽しめる点が高評価。
 

均勝號の素晴らしさは、何と言ってもツーリストの数が比較的少ないこと。細部まで美しい彫刻を心置きなく見学することができる。しかも最後の締め、一番奥まで歩くとホイアン名物「ホワイトローズ」を包む姿が見られ、そこで注文することができる!街歩きはとかくお腹が空くもの、ちょっとした腹ごしらえにピッタリです。
 

明郷華先堂(Minh Huong Communal house)

ホイアン旧市街の観光スポット「関公廟」の並びにありながら、あの有名なガイドブック『地球の歩き方』では全く解説されていない可哀想なスポットですが、見た目のインパクトではホイアン旧市街1~2の派手さを持つスポット。黄色に塗られた門にちょこんと座る獅子、これだけでもカワイイじゃないですか!ガイドブックに頼る紳士淑女ならおそらく素通りするが、そんなバイアスに惑わされず入場してみましょう。
 

極彩色に彩られた堂内はとにかく派手で、私個人的にはとても美しい!しかも、ガイドブックからは全く無視されているため、ツーリストはまず入ってこない。昼寝をするのに打ってつけの場所です。
 

ホイアン民俗博物館(Museum of Folk culture)

ホイアンには数多くの博物館があるが、どこも展示物や説明は少なく見応えはイマ一つ……残念!ただ1ヶ所くらい博物館に当てようとするのなら、この博物館がベターだと思います。ホイアンに住む人々の伝統的な暮らしを様々な道具などから再現することを目的とした展示は、民芸品や古物に関心のある方なら楽しめるはず。まぁ博物館に代わって他の古民家や会館を巡っても良いかとは思います。
 

ホイアン トラディショナル アート パフォーマンス(Hoi An Traditional art performance house)

伝統的な街を散策し多様な寺院や民家を巡ることがホイアン最大の楽しみ方と言えますが、それだけでは……飽きてしまうね。やはり伝統的なダンスパフォーマンスなどを鑑賞し盛り上がりたいもの。このホイアントラディショナルアートパフォーマンスハウス(長い!)では毎日10:15,15:15,16:15の1日3回、30分ほどの伝統芸能の公演を行っており、さすがはプロのパフォーマンスと拍手喝采もの。内容は、伝統楽器の演奏と歌から始まり、いつしか曲芸めいたショーへと変わる。続いて、お姉さま方たちによる壺を使った舞踊、壺を落とさずに踊る様はGOO~D!。最後は扇などを振り回し豪華絢爛なショーは幕を閉じます。断言するが、観光スポットばかり巡り疲れ切った身体にすばらしい養分を与えてくれる伝統芸能ショーは必見です。
 

観光チケットを再度購入した方におススメ、次に優先すべき見学場所5選

ホイアン旧市街に1日だけ滞在するのなら、上記5ヵ所を見学しながら、途中とちゅうにあるオシャレカフェでウダウダし、お土産屋を冷やかせば十分満足できると思います。しかし、ホイアン旧市街の散策に2日以上をあてているならば、観光チケットをもう1セット購入し別の5ヶ所を見学したくなるのが人情というもの。あるいはマジメな文系バックパッカーでも5ヶ所の見学だけでは物足りず、もう5ヶ所追加でお願~いと言いたくなるのかもしれません。そこで、私からあえて提案、次の5ヶ所もとても興味深いスポットなので、ぜひとも行ってみてください!
 

馮興家(フーンフンの家:Old house of Phung Hung)

再度申しますが、私にとってホイアン旧市街最大の見どころは、いかにもお金持ち華人たちの古民家でして。このお宅は忍者屋敷と言っては大げさですが、随所に隠れた工夫が隠されており、観光客が集まった頃を見計らってスタッフがいちいち派手なリアクションで説明をしてくれます。ただねぇスタッフさん、忍者屋敷は言いすぎかな。
 

進記家(タンキーの家:Old house of Tan Ky)

再びお金持ち華人のお宅を訪問。暗いが暖かい灯に照らされた家は、精細な装飾がそこら中に施され、う~金持ち!
 

潮州会館(Trieu Chau Assembly hall)

福建会館以外にもう一つ会館を訪れるのなら、私なら潮州会館を推します。潮州人と言えば、進取の気性に富み、我先にと海外に打って出た華僑の代名詞。そんな潮州人の会館は黄に彩られた派手な色。こちらの会館は訪れる観光客が比較的少ないのか、静かにボーっとマドロムことができる点も高評価。
 

陳祠堂(チャン家の祠堂:Tran Family’s chapel)

陳家の祖先礼拝のための祠堂で、とても大きな建物なのが印象的。こちらも人数が集まり次第、スタッフさんがガイドをしながら邸内を散策します。ちなみに観光チケット購入時に渡されるマップの一番上にこの陳祠堂が掲載されており、公的には一番の推しスポットなのでしょうか。
 

関公廟(クアンコン廟:Quan Cong Temple)

 

ホイアン旧市街最大の見どころって、やはり日本橋(来遠橋)と、美しい夜景でしょ!

これまで有料チケットで入場すべき観光スポットを紹介しましたが、ホイアンと言ったらやはり日本橋!

ここは渡るだけならチケットを切り離す必要はありませんが、建前上ホイアン旧市街では観光チケットを購入することが求められるため、橋の両端ではチェックが入ります。まぁ旧市街を歩くのなら1セット程度はチケットを必ず勝っておいた方が良いでしょう。ちなみに橋の中ほどに記念館があり、そこに入場するとチケットを1枚切り取られてしまう。橋の両端に座るチェックオバチャンの中には、始めからチケットを切り取ろうとする方もいるので、その際は渡ることだけが目的であることを主張してください。
 
そして、美しい夜景・・・

道のあちこちに光が入り美しく輝きだす時間、カップル達も大挙押し寄せ、街はかなりの混雑状態となります。私のような独り身オヤジの居場所はそこにはなく、なんとか同じ境遇の旅人を探そうとするが見つからない。う~ん、やっぱりこのホイアン、あまり好きになれない街だな……と呟きながら一人寂しくゲストハウスに戻るのでした。


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