昨今ホイアンと並ぶ”映え”の街として人気を集めるダナン、確かにサンワールド・バーナーヒルズの例の”巨大な手”の映像はインパクト抜群です。ただねぇ、私は孤高のオヤジバックパッカー、若いカップルが手を取り合いキャーキャー言いながら渡ろうとする例の巨大な手には興味がコレッポチも湧きません(というより、この旅をした時点では”例の手”の存在を知らないし、完成してたかどうかも不明)。

 
実はホイアンに1週間ほど滞在していたのだが、旧市街の混雑ぶりに辟易しダナンに移動したのでした。このダナンの街、ベトナム戦争時に置かれた米軍基地の印象がどうしても強く、私のオヤジ的先入観では兵士相手の風俗産業が今でも残っているのかな?と良からぬ想像が先に立ちます。SNSの浸透による最近の”健全な映え”ブームには無縁のオヤジにとって、ホイアンやダナンが集客力のある街だということさえ全く知識になかった。
 
ただ言葉を翻すようだが、ダナンで”映え”スポットとして人気を集めるのは、先に挙げたサンワールド・バーナーヒルズや「愛の桟橋」があるDHCマリーナ、街なかの遊園地(サンワールド・ダナン・ワンダーズ)など、まぁ数は少ない。つまり、そうした真新しい観光スポット、つまり”映え写真”やカップル向け”愛のスポット”を外せば、この街でオヤジ一人がウダウダ歩いていても周囲から浮くことはありません(そこがホイアンと違う点)。では、孤高のオヤジバックパッカーがウダウダ歩くダナンの街をご覧ください。
 

バックパッカーにとってダナン市街の見どころは、ハン川西岸沿いの1.5km程度に集まっている

私が思うにダナン市街地の見どころは、ロン橋たもとにあるチャム彫刻博物館からダナン博物館までハン川西岸沿い約1.5kmに集中していると思います。この間のバクダン通り(Bach Dang St.)やチャンフー通り(Tran Phu St.)を歩けば、ダナン大聖堂やハン市場、ダナン市庁舎、ダナン博物館など一通りの観光スポットは巡れる上、ホイアンや五行山(マーブルマウンテン)を循環するバス乗り場もいくつかある。観光メインでダナンに滞在する独り者バックパッカーは、このエリアに滞在することをおススメします。ちなみに、私はダナンではコン市場やBigCが近いエリアに滞在しました。
 

チャム彫刻博物館

ダナン観光の出発点はチャム彫刻博物館、そして終点はそのすぐ正面にあるロン橋だと勝手に思う私。ちなみにチャム彫刻博物館にはチャンパ王朝時代の遺物、シヴァ神やガルーダの石像にリンガ像などが所狭しと置かれ圧倒される。とにかく量が多いので頭がクラクラ、”遺物酔い”してしまいそう。また、館内はツーリストが比較的少ない上に写真が撮り放題なため、価値の有無にかかわらず自分のお気に入り石像をじっくりと見定め鑑賞できる点は高評価。
 
再度言います。私には石像の価値ウンヌンは判らず、ただ見た目にインパクトがあるモノが素晴らしいのです。そんな私が特に気に入ったのは次の2点。

何の解説も申しません。とにかくコミカルな獅子像の表情と仕草に魅了された私は、他に人がいないことをイイことに1~2分は彼とニラメッコをしていた記憶があります。そして2枚目の彫刻、カンボジアのクメール遺跡を見慣れた方なら何の変哲もない造作に映るでしょうが、私にとっては数日前に訪れたミーソン遺跡で観た、あの衝撃的なチャムダンスショーの魅惑的なポーズを思い出し、つい笑ってしまった。前回の記事で私はチャムダンスショーを「歴史的な裏付けのない、お色気ムンムンのエロダンス」と(そこまでヒドイ言葉では書いていないが)揶揄した覚えがあるのですが、その前言は・・・。いや~こうしたレリーフを参考につくり上げたショーはオヤジ目線にもステキで、方々からブラボ!と声がかかるのも理解ができます。
 

ダナン大聖堂

ダナン市街地の観光スポットとしてまず第一に挙げられるのはダナン大聖堂でしょうか。巨大な大聖堂はなかなかフレームに収まらず、下手くそな写真になってしまった。まぁ現在も信仰の拠点として機能する教会、観光スポットに挙げられるのはドウかと思いますがねぇ。
 

ダナン市庁舎とダナン博物館

ハン川沿いに北上すると、あまりにも巨大で奇抜な建物が目に入ります。これがダナン市庁舎で、役所の建物にこれほどお金をかけることの是非がウンヌン…と日本では問題になりそうですが、まぁベトナムではアリなのでしょう。何と言っても今を時めくダナンの役所ですもんね。
 

この役所の次ぐ隣にあるのがダナン博物館。館内には農村部で使われた民具や生活を再現したジオラマ、ベトナム内に居住する少数民族の衣装などの展示が興味深い。が、それよりも目を引くのはベトナム戦争の展示。写真には撮らなかったが、ファイルに綴じられたムゴタラシイ戦時中の写真は……オエェ~と目を背けたくなるもの。
 

起点&終着点はやはりロン橋(ドラゴン橋)

街歩きの起点ロン橋、昼間に見る分には色に特徴があるが別に観光スポットというほどのインパクトはナイ。
 

ただ、ここを終点というのは夜景が美しいから。1枚目はロン橋、2枚目はソンハン橋を写したもの。ただねぇ若いカップルがたむろする川沿いをいい歳こいたオヤジが一人寂しく散歩するのはイカガなものか自問自答する日々。私も若い頃なら、一人で異国の夜景スポットで物憂げな表情を浮かべていたら、誰か地元の方が声をかけてくれたりしましたが(本当かよ!)、今、そんなことを期待するだけ野暮なモノ。一人物憂げな表情のオヤジは、いつまで経っても物憂げなオヤジのままです。ここに留まっていても虚しくなるだけだし、どこか近くに飲みにでも行くか・・・
 

橋のすぐ向かいは若者たちが大挙押し寄せるスポット、なにやら皆さんチープなデザートでデートを決め込む方が多数を占める様子。まぁここまで来たら私のマゾ気質がムクムクと起き上がったのか、オヤジ一人でデザート屋に入る。ベトナム名物バインフラン(カスタードプリン)は少々ほろ苦い大人の味でした。


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