率直に言わせてもらえばダナンの中心街には大した見どころはありません。せいぜいチャム彫刻博物館やダナン大聖堂を見た後、日が暮れたらドラゴン橋の夜景を見るといったもの。そんな観光に飽きて市内のカフェでウダウダ時間を潰すのならば、バスに乗ってしまい郊外へ出た方がマシというモノ。ただね以前から繰り返し申すが、孤高のバックパッカーにとって”あの大きな手”(バーナーヒルズ)はさすがに敷居が高い。となると五行山(マーブルマウンテン)へ、まぁ大して期待をせずに行ってみますか。ちなみに結論から言わせてもらえば、公共バスで安くアクセスするのなら五行山は行く価値が十分にアリ!
 

神々が宿る場所、五行山は後光が本当に輝くステキな山だった
バスで降りた五行山入口、そこからゲートに至る道は大理石の土産物屋が軒をつらねる

ダナンとホイアンを結ぶ循環バスは料金をボッタクルことで悪名高いバスだが、私が乗った時はとても正直で事前に調べた料金を渡したら、それ以上に何も言われず請求されることはなかった。車掌とのバトルを内心では期待していたのに、ある意味拍子抜け。ダナン大聖堂から20分ほど乗車した頃、あらかじめ伝えた”テーブルマウンテン”で降ろされた場所は、何もない道路の真ん中。しかし、不安に思う必要はありません。幹線道路から(確か)右手に折れる道を歩けば、テーブルマウンテン散策道のゲートが見えるとのこと。指示通り歩く道はヤシの木がなければ、日本の農村風景と何ら変わらない風景の中、場違いとも言える塔が見えてきました。きっと五行山の麓にある七重の塔「サーロイタワー」でしょう。
 

沿道には大理石を成形した彫刻屋が軒をつらねる。そうこうするうちに第一ゲートに到着。五行山探索の始まりです。
 

タムタイ寺院~トゥタム寺院を目指す、まあそれなりにステキな眺望も期待できます

第一ゲートからの散策道、始めはケッコウ急峻な石段が続くが、これホンの5分ほどなのでご心配なく。ご老人も易々と道を上って行きます。道を上がりきると何差路かの分岐点、道標が設置されており自分で行きたい方向を決める。4~5分ほど歩き辿り着いた場所はトゥタム寺院(Tu Tam Pagoda)という、いかにも”ザ・古刹”といった雰囲気のある寺院。
 

この寺院の脇から眺める展望が、それなりにスバラシイ。タイからラオスを貫きベトナムに至るカルスト地形が顔を出していますね。
 

分岐点にあるタムタイ寺院(Tam Thai Pagoda)を参拝、正面に鎮座する布袋様が愛嬌があってヨロシイ!
 

さっそく五行山最大の”映え”スポット、ホアギエム洞窟~フイエンコン洞窟に向かう

五行山には入場ゲートが2つありますが、第一ゲートから入る最大のメリットは、後光が差し込む”映え”スポット「フイエンコン洞窟」へ手軽にアクセスできることだと断言します。時間のない忙しい方なら、この洞窟を見学すれば、とりあえず”映え”の証明写真を撮れるというもの。先のタムタイ寺院脇の分岐点から5分ほど歩くと到達します。

石門をくぐると目の前に現れたのは巨大な洞窟の口、まるで怪獣に飲みこまれ腸内を旅するかのような錯覚にとらわれる。
 

一度外に出るが、すぐフイエンコン洞窟に繋がっている。いよいよ五行山のメイン”映え”スポットに到着です。
 

洞窟内はスゴイ人だかりです。写真でも雰囲気は伝わると思いますが、この洞窟の”映え”スポットは洞窟から差し込む光!神々を照らす光線はまさに後神の光(?)
 

まぁこんな場所なので、世界中から詰めかけたツーリストが光を浴びながらの”映え”写真を撮ろうと列をつくる。う~ん、私の嫌いな、まさに写真を撮ることだけを目的とした”映え”スポット、ここからすぐに脱出したのは言うまでもありません。
 

少し寄り道をしてヴァントン洞窟に向かう

いったんタムタイ寺院そばの分岐点に戻ってきたら、次は第二ゲートに手前にあるリンウン寺院(Linh Ung Pagoda)に向かう。ただ、リンウン寺院まで真っすぐ歩いてしまうのも芸がないため、少々遠回りをしてヴァントン洞窟に立ち寄ります。
 

山門を潜り抜け、他のツーリストについて行くと洞窟への入口が見えてくる。崖をよじ登るのもアトラクションの1つ。ワクワクするぜ!?
 

で、入った洞窟は上の通り。フイエンコン洞窟と比べ人が少ない分、スケールもだいぶダウンしました。来ることはなかったかなぁとガッカリ…しなくてもヨロシイ!
 

このヴァントン洞窟を抜けた場所に展望スポットがあり、美しい南シナ海が見通せるのでした。展望スポットに来たらお約束、ブラボーと声を張りあげる。
 

サーロイタワー~リンウン寺、出口はすぐそこです

ヴァントン洞窟に寄り道した分、リンウン寺に至る道はケッコウ厳しい。ぽっかり口を開けた穴は、まさかの地獄への入口?…の訳はナイか。
 

すると見えてきましたよ。あのバスを降りてまず目に入った七重の塔サーロイタワーです。そして、このすぐ脇にあるのは・・・
 

リンウン寺院です。パワースポットとして大々的に宣伝される五行山ですが、確かにこれだけ洞窟や寺院が目白押しなら私にもパワーを授けてもらえそう。ただねぇ、五行山の神々は私のような孤高のオヤジよりも、前途ある若者たち(!)にパワーを与えるのでしょう。私はそのオコボレだけで十分です・・・と神々にお願い。そんな謙虚な私の姿に感心して、神々はきっと大きなサチをくださるものと期待しております。
 

個人的に選ぶ五行山イチの見どころ、タンチョン洞窟

リンウン寺院の裏手にはタンチョン洞窟があるが、第一と第二ゲートを結ぶメインストリートからは外れているため、ツーリストの数はグッと減ります。

これまでのルートではどこも人影があり”映え”を狙った写真を撮る若者に溢れていたため、五行山に淡くも期待していた神秘性はほとんど感じられなかったが、人がいない場所ではご覧の通り、岩神楽の神門が眼前に立ちはだかる。
 

洞窟に入ると、そこはまさに遺跡!得体の知れぬ神殿、これぞ謎のパワースポットでしょ!秘匿された古代人の祭礼場所、そんなフレーズがよく似合います。
 

至る所に仏像が彫られ、神々しいお姿を示す。フイエンコン洞窟のように天から光が降り注ぐ光景も良いが、それもスマホやデジカメをぶら下げたツーリストがあまりいない時に限る。パワースポットなどとモテハヤサレてしまっては、神々も驚いてしまい登場しにくくなるのでは。このタンチョン洞窟に来て、私にもやっと五行山に宿る神々を感じとれる気分に浸りました。
 
 
ベトナム中部の古都、フエ・ホイアン・ダナンの3都紀行もそろそろ終わりに近づきました。ダナン滞在もあと1日、その後はいったん日本に戻り2ヶ月ほど滞在、再度あてもなくアジアをブラブラと巡るゼ!


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