私と伴侶、伴侶の母の3名で三浦半島を4日間旅した珍道中の報告、第2弾。今回は横須賀市内に出没、海風がキツイ中を義母の車イスを押しながら旅するのはかなり疲れましたが、横須賀の方々の暖かい眼差しに助けられ、楽しく街を散策できました。

今回の旅行、もともとのキッカケは義母が「美味しいマグロがどうしても食べたい」と何度もつぶやいていたから。では、三崎のマグロを思う存分に堪能しようと旅することに決定しました。これまで私は海外で暮らすように旅することを目的に、この数年では大半を東南アジアで過ごしてきましたが、90歳代半ばになった義母のことは気がかりで、特にこの近年は足を悪くし車イス生活を続けているとのこと・・・さすがに私もこうした状況を放っておけなくなりました。2017年の年末に帰国後しばらくは東京に滞在、伴侶と一緒に義母の願いをなるべくなら叶えていこうと努力している最中です。
 
とまあ前置きが長くなったので、今回の旅に話しを戻します。三浦滞在も3日目になると、義母のマグロ熱がだいぶ冷めてきたようです。実は、この日の天候は前日のように崩れることはないとの予報だったため、マグロ満喫旅の仕切り直し、再び三崎港へ赴くか、城ヶ島や油壷へ行こうと考えていました。義母にもこうした提案をしたところ、「もうマグロは飽きた」との想定外の返事。え、旅行前にはとにかくマグロをずっと食べ続けたいとあれほど言っていたのに、マグロへの情熱はその程度でしたか!
 
これは予定を変えなければならぬ・・・三浦から近場の街で私が知る場所では、真っ先に思い浮かぶのは横須賀!何といっても京急1本で行けるのが楽です。ちなみに、城ヶ島や油壷などは私が幼稚園~小学校低学年の頃に訪れたことがあるが、横須賀には降り立ったことがない、しかも、戦艦三笠を一度は見ておきたい。これは横須賀に決定です。
 

大型ビルやオシャレ商店街と古い横丁や商店が混在する、それが横須賀の魅力です

三浦海岸駅から京急に乗り込み降り立った駅は「横須賀中央」、背後には大型のファッションビルが建つ近代的な駅です。駅の周りはバリアフリー化が進んでおり、車イスを押しての歩行でとくに支障はない、ステキな街。しかも、駅から外に出ると真新しい建物の合間に写真のような趣のある書店があったりして、ワクワクしてきました。
 

このアーケードは、横須賀中央駅の脇の若松町から200~300mほど続く商店街。アーケードの終わりにはミリタリーショップがあり、様々な自衛隊グッズが売られているのが、いかにも横須賀らしいです。しかも、その脇には昔ながらの横丁がありますが、ここに立ち入るのは一見の者には少々勇気がいりますね。
 

横須賀のゆるキャラ「スカレーちゃん」

横須賀のご当地料理と言えば「よこすか海軍カレー」でしょうか。このご当地料理の公式キャラクターとして「スカレーちゃん」という海上自衛隊の水兵と同様の制服を着たカモメをモチーフにした”ゆるキャラ”がいるのですね。横須賀中央駅前と横須賀海軍カレー本舗の前にいたスカレーちゃんをパチリと撮りました。カワイイね。
 

三笠公園で戦艦三笠を見学、平和の尊さを実感

横須賀でぜひとも行きたかったスポットは三笠公園、こちらに展示されている記念艦・戦艦三笠を拝観することでした。三笠は連合艦隊旗艦として1904年から日露戦争に加わり日本海海戦ではバルチック艦隊とも交戦、その後も数々の戦歴を誇りました。1921年ワシントン海軍軍縮条約により廃艦が決まり、1925年横須賀に記念艦として保存されることが閣議決定される。その後も太平洋戦争と戦後の混乱といった紆余曲折をはさみながらも、世界で現存する唯一の前弩級戦艦としてこの地に展示されています。
 

私は軍事モノに特別な興味があるわけではないですが、こうした戦艦の砲塔や国旗を見るとやはり興奮してしまいます。私にとって戦艦とは「宇宙戦艦ヤマト」がもっとも身近なものでした。

 
はしゃぐ私たちに対して、義母が強烈な一言「戦争は嫌だね」と発したのでした。90歳代の義母は当然ながら先の戦争経験者、(三笠は太平洋戦争で出動したわけではないですが)戦艦それ自体が戦時体験の記憶を呼び起こしてしまったのでしょう。私たちの興奮は一気に冷め、この場を早く離れようと思ったのでした。
 

この三笠公園からは、対岸の猿島に渡る船が頻発しています。また200mほど離れた場所には「よこすかポートマーケット」という地元生鮮品を広範に扱う巨大なショッピングモールがあり、良いお土産が見つかりました。ただ、このショッピングモール、ネットでチェックしたところ来年(2019年)3月末で閉店するらしい、残念です。
 

横須賀「中央酒場」は”昼飲みの聖地”、まさに”人情酒場”の名にふさわしい名店でした

来たことがない街を散策すると時間の経過が本当に早い!昼食をとることを忘れてしまっていました。車イスをずっと押していたこともあり、疲れがかなり溜まっていることを実感できます。ここはしっかり休みたいし、居酒屋で熱燗といきたいものです。実は、横須賀には昼から開店し多くのお客で賑わう”昼飲みの聖地”があることを噂で知っていました。この聖地「中央酒場」は横須賀中央駅のすぐそばにあることをネットで突き止め、一目散に目指しました。
 

中央酒場はすぐに見つかりましたが、車イスで入店するには少々躊躇してしまう。だが思い切って扉を開け、車イスで入れるかどうか伺ったところ笑顔で快諾、すぐに扉そばに席を用意してくれました。こうしたご配慮、本当にうれしいものです。
 

飲み物は熱燗とホッピーを注文、今日のおススメが書かれたボードを見て、まずは「ブリの刺身」をオーダーしました。え、また刺身と言われそうですが・・・運ばれてきたブリ刺は新鮮そのもの、上質な脂がのり身は適度にしまっている。おいしい!
 

こうなると次から次へと注文していきます。カキ鍋、小鯵の唐揚げ、鯨のカツ、レバーペースト・・・さらに注文は続く。私はここを「人情酒場」(夕方のニュースに使われそうなべタなフレーズ!)と勝手に呼ぶことにしました。店の雰囲気に加え、スタッフの我々へのつかず離れずの応対と細やかな気配りは、まさに長年のご商売の経験に裏打ちされたものだと思います。昭和歌謡の世界にどっぷりと浸かりながら、心地よい時間が流れていくのでした。


<スポンサーリンク>