地球大の規模でコロナウイルスが蔓延する今日この頃、旅の話題など憚られる風潮に息苦しさを感じてしまう。ブログの中でさえ”旅ってこんなに素晴らしいんだよ!”なんて言おうものなら、世間からバッシングを受けてしまうかもしれない雰囲気に嫌だ~と逃げ出してしまいたくなるが、そう、ワールドワイドに広がったコロナの脅威から逃れられる場所などナイのです。海外旅行に行くことができないならば国内旅行はどうかと言えば、これも自粛、浮かれ気分で人混みに出てしまえば感染リスクが高まる~ぅ!
 
ただね、感染を恐れずっと家に閉じこもってしまうのもストレスが溜まり、精神的な病に陥る可能性が高まる。なるべく感染のリスクを軽減しながらストレスも解消するとなると……もう、これはご近所を散歩するしかないでしょ!出歩く人が少ない時間帯に屋外を散策する分には(コロナが長時間にわたり広範囲に空気感染するのでないならば)感染リスクも恐れるに及ばず、仮にあなたが感染者だとしても人にうつす可能性は低下します。
 
ということで、当ブログでは「ご近所再発見」をテーマに、自宅から電車やバスに乗らずとも(つまり徒歩or自転車で)訪れることができるステキな散歩スポットを紹介することにします。ちなみに私が今住む場所は東京都練馬区、そこで必然的に練馬区内の散歩スポットを紹介することになってしまう点をご了承ください。
 

練馬区を代表するお散歩スポット「石神井公園」界隈を巡る

練馬区民にお馴染みの行楽スポットと言えば石神井公園、とくに4月初旬の現時点ではお花見スポットとしても外すことはできません。

池にせり出すサクラの花、ご近所の散策コースとして見ればステキじゃないですか!まぁ遠方からワザワザここを目指して来るほどの価値があるかどうかと言えば……ですが、手軽な散策コースとしてはこれほど打ってつけの場所はありません!
 
ところで、石神井公園の見ごろはサクラの時期に限ったものではなく、私は冬の石神井公園・三宝寺池の光景がとくに気に入っているのです。

どうですか!とても都内にある公園といった風情ではなく、大げさに言えば尾瀬や福島県の五色沼を散策するような気分。誰もいない池辺を歩けば、どこからともなく野鳥の羽音が聞こえてくる。

これ、実はカワセミが写っているのですが、カメラ性能の悪いスマホで撮ったためピンボケ!申し訳ないッス。
 
とマァ石神井公園の散歩スポットとして、当然のことながら石神井池から三宝寺池に至る水辺の散策路を”マズは”紹介しましたが、石神井公園の魅力はなにも池だけではないのです!それどころか、公園を取り囲むようにして建つ寺院や豪農の旧宅こそ見物に値するスポットだと声を大にして申し上げたい。
 

旧内田家住宅/練馬区立石神井公園ふるさと文化館

石神井池の奥まった、ちょうど三宝寺池と境をなす場所に「石神井公園ふるさと文化館」が建ちます。ここは、練馬区が運営する”博物館”でなんと入館料は無料!昭和30年代・高度成長期における練馬区の街並みや一般家庭を再現したジオラマが特に秀逸です。

どうですか、ミゼットが置かれた街並みって、アラフィフの私にとってはあまり馴染みのない東京の光景。まぁ東南アジアの田舎街を連想させるものです。
 
オモシロい展示物を発見。1963年(昭和38年)10月の多様な消費財の物価が掲示されている。これって東京オリンピックの開催や東海道新幹線の開通が相まって日本が絶頂を迎えた時代ですね。当時の平均月給が30000円とまあ今の10分の1程度でしょうか、その割には各種消費財の物価が意外に高い!米1kgが112円、醤油1本が205円、鶏卵10個が245円って・・・当時の生活って意外に大変そう!
 
とまぁ「ふるさと文化館」も十分楽しい場所で、展示をゆっくりと見れば2時間程度は潰れそうですが、この敷地の隣りには(私にとって)さらに興味深い建物が見られる。それが「旧内田家住宅」なのです。

茅葺き屋根の巨大な邸宅は、私がまだ小さい頃は関東地方でも田舎に出れば普通に見られたもの。例えば京成線に乗り成田空港に向かう途中、大佐倉という駅の前で茅葺き屋根の邸宅が見えたことで、思わず途中下車をしてしまった。ところが時代が平成に変わる頃、茅葺きの屋根がどんどんトタンに置き換えられ、通るたびに楽しみにしていた大佐倉の茅葺き屋根も(おそらく)消えてしまった。
 
こちらの旧内田家住宅は練馬区中村にあった旧家を2007年に移設したもの……って21世紀にも都内にこれほど立派な茅葺き屋根住宅が建っていたとはオドロキ!館内にはボランティアのガイドさんが常駐しているはずで、声をかけたら大変喜ばれるはず。その後の説明は大変詳しく、しかも長かったなぁ……。
 

道場寺/三宝寺/氷川神社

まぁ私自身にとっては博物館や住宅建造物、遺跡、鉄道…などに対する関心はとても強いのですが、寺社仏閣に対する興味は少し落ちるかな…。ただ、街散策といえば寺院や神社を巡ることと先入観(偏見?)を持つことも多いので、当ブログでも触れていきたいと思います。
 
石神井公園には江戸成立の直前までこの地を治めた豊島氏の根城があった場所で、石神井池のほとりには太田道灌によって滅ぼされた石神井城址があります。さて、城があったということは寺社仏閣もこの地に多いことを意味し、石神井公園の周りには例えば豊島氏の菩提寺となった道成寺など数多くの寺社が建つ。ここで挙げた石神井城址、道場寺、三宝寺、氷川神社はいずれも徒歩5分以内でまわれるエリアに建ち、しかも「ふるさと文化館」から歩いてもスグ。散歩コースに打ってつけでしょ!
 

こちらは道場寺。室町様式の山門を入ると、左手に鎌倉様式の三重塔、右手に安土桃山様式の鐘楼、正面に天平式の本堂……まぁこの辺りの説明はぜひともボランティアガイドの方々に聞いてみてください。喜んで教えてくれますよ。
 

上の三宝寺は、石神井城落城後に太田道灌が移設したと伝えられる由緒ある寺院。境内には「四国八十八か所のお砂踏み霊場」が設けられ、ここを訪れればお遍路さんにならずとも霊験あらたかなご利益が得られるのでしょう。私的には境内のあまりに多いお地蔵さんの姿に度肝を抜かれました。
 
 
どうですか?都内の凡庸な住宅街「石神井」ですらも、それなりにワクワク~ウキウキ~散策スポットがあるのです。なにも海外へ行かなくとも、ご近所の歴史を少しは調べた上で散策をすれば十分に楽しめる点をご納得いただけたでしょうか。コロナで萎縮するこのご時世、ぜひともご近所の魅力を発見しましょうよ。


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