2021年7月は栃木県と茨城県という魅力度ランキング調査結果ではワースト2を形成する二つの県を旅しましたが、いずれも私的には魅力たっぷりのオモシロ県!得体の知れない魅力度などと銘打ったキャッチーな言葉に騙されてはいけないと思いました。ところで今回、宇都宮と水戸に数泊ずつ滞在し気づいた点は、両県を代表するスターU字工事サンと磯山さやかサンってそれぞれの県民イメージをダイレクトに表したマサにご当地スターだなーと改めて知らされたこと。宇都宮の居酒屋ではU字工事お二人そのまま優しくトボケながらも時々見せる鋭いツッコミ、他方、水戸の居酒屋で聞こえてくる声はオットリしながらもキンキン辺りに響く・・・磯山さんが10人くらいいるのではと錯覚してしまう光景が広がるのでした。

ところで最近の国内旅で如実に感じる”不感症”体質、どこへ行っても既視感があり、予定調和の行動に陥りやすいため旅の感動が全く得られないという症状から完全に脱却できたわけではありません。水戸市内を歩き回るのは初めてなのでまずは有名観光地へ、水戸の黄門さんの銅像に挨拶をした後は弘道館周辺や偕楽園に足を運びました。まぁ、このブログでそうした観光地を紹介するのは差し控えますね。不感症患者の愚痴を聞いたって面白くないでしょう。
 

先に旅した宇都宮や今回の水戸で一番おもしろかった場所は、ズバリ居酒屋!地酒と気の利いたボリュームたっぷりのご当地ツマミを肴に、居合わせたオヤジたちとクダラナイ話しに花を咲かせた時が旅のハイライトでした。まぁ当時は緊急事態宣言もマンボウも発令されていない両県&ワクチン2回摂取済みの私ですが、このご時世、自粛警察の方々を含め世間様を敵に回してしまうことは避けようと思います。

しかもこの時期の大衆酒場通りは寂しいのなんの・・・コロナ後の復活を切に望みます。
 
すると茨城旅で書くことはなくなる~なんてことはありません。実は私、ローカル私鉄に乗車することが大好きでして、しかも旧国鉄車両に出くわした日には興奮!ひたちなか海浜鉄道に乗らない選択肢はありえません。
 
 

ひたちなか海浜鉄道の旅が始まります

勝田駅で一日乗車券を購入し乗り込んだ車両はキハ37100、茨城交通の自社発注車両です。ひたちなか海浜鉄道と言えば、キハ206やキハ222、キハ2000など旧国鉄キハ20系列の気動車が有名ですが、現在はいずれもほぼ運行を終了しており、イベント時にキハ205が走行する姿を見せる程度。今回の旅ではキハ11を含め平成生まれの車両にしか乗車できなかった点は少々残念。
 
まずは一路、終点阿字ヶ浦駅を目指します。途中の田園風景や那珂湊駅を過ぎたあたりで見えた大平洋の光景は、まぁさほど心を打つ光景とは言えず。前日の寝不足とあわせ、けっこう退屈な気分で乗車を続けると…

いきなり駅前に広大な芋畑に心を奪われる。え、ここって北海道は美瑛の丘?いえいえ茨城県は美乃浜学園駅前です。いや~さすがは茨城、いもですなぁ。
 

阿字ヶ浦駅で見つけたオモシロスポット


 
いよいよ神となった!祀られるキハ20系列の気動車たち
事前に得た情報で阿字ヶ浦駅にはキハ222やキハ2005といった旧国鉄キハ20系列の気動車が安置されていることを確かめており、駅に到着する前からそれらの車両に会いたく心臓がバクバク心地よく鼓動していました。そんな阿字ヶ浦駅に降り立ち、まず目についたものは・・・

真新しく塗装されたキハ222の神々しいお姿…なぜか神々しく目に映るのは、車両の前に建てらえた線路による鳥居型の建造物と赤いノボリのせいでしょうか。ノボリを見ると「ひたちなか開運鐡道神社」と書かれている。なんと、この車両は”開運鐡道神社”のご本尊として祀られているのでした。なんともアリガタイお姿におもわず手を合わせてしまいます。正直申すと……苦笑。現役を退いた車両が、なぜかピカピカな状態で保存されている光景には少々引きながらも、町おこしにかけた真剣な愛すべきおバカさに感動。
 

後ろに安置されていたキハ2005、そこはかと漂う哀愁ある姿には素直に感銘を受ける。時の流れに身をまかせ、ただ風化するだけの姿に”諸行無常~”と唱え”もののあわれ”を感じ入る”日本人の美意識”はかえって判りやすいと言えるでしょう。
 
ところがねぇ茨城旅で思い知る美とは、もののあわれに感じ入る古の美ではなく、現在進行形で続くピカピカな信仰(傍から見たら愛すべきおバカな美)だったのです。
 
驚愕!干し芋を祀るピカピカな神社

阿字ヶ浦駅を降り海でも見に行こうかと5分ほど歩いたところに、この「ほしいも神社」はありました。干し芋の黄金色に彩られた鳥居が何本も建つ光景に身震いしてしまった。確かに阿字ヶ浦に到着する前、美乃浜学園駅前で広大な芋畑を見ましたよ。確かに茨城名物は干し芋ですよ、オイシイですよ~!でもねぇ、干し芋を祀る神社って……つい苦笑してしまう。荘厳さのかけらもないし、もののあわれも全く感じられないが、ピカピカに彩られた鳥居をくぐり願い事を頭に思い浮かべてしまう自分の姿を客観的に見ると……おバカだねぇ~。う~ん、この愛すべきおバカこそ、茨城最大の魅力だなと感じ入ってしまいました。感動!


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