タイのビザラン事情【2019年版】

昨今、ビザランに対する規制が強まり、ビザなしでのタイ長期滞在が難しい状況となっております。では、最新のタイ・ビザラン事情を見ていきましょう。
 

一般的な観光の場合の、タイ長期滞在の方法

日本国籍保有者は、タイに入国した日から数えて30日間はビザなしで滞在することができます。また、30日以上を希望する方は以下の方法で滞在を延ばすことが可能です。

  • タイを1度出国した後、再度入国して30日間の追加滞在をする。ちなみに、こうしてビザなし渡航を繰り返す行為を「ビザラン」と言います。
  • 他国で観光ビザを取得する。一般的にはラオス(ビエンチャン)、カンボジア(プノンペン)、マレーシア(クアラルンプール)にあるタイ大使館で観光ビザを取得する方が多いものと思われます。

 

現在のビザラン事情を紹介します

ご存知の方も多いと思いますが、2014年8月以降、タイのビザを取得していない状態で出国&再入国を繰り返す、いわゆる「ビザラン」について規制が強化されています。そして、2016年12月15日に在タイ日本国大使館から「タイ入国に際してのご注意(陸路入国回数の制限)」が発表されました。この発表では、タイへの陸路入国は暦年に2回までと記載されています。一般的に「暦年」とは1月1日~12月31日までを指しますが、こうした暦年に加え「1年間=365日/366日(うるう年)」として理解した方が良いでしょう。参考に日本大使館から発表された注意文章をそのまま掲載します。
 

タイ入国に際してのご注意(陸路入国回数の制限):2016年12月15日
タイ入国管理局は国境を接する国からの査証免除措置を利用しての入国を暦年で2回までとする旨の内務省令を12月1日付け官報に告示しました。同措置は12月31日より施行されますので、陸路でのタイ入国を予定されている方はご注意ください。
 
上記の措置は、ビザ免除制度を利用して出入国を繰り返し、実質上長期滞在を行う者を規制するために講じられたものです。これまでも当館より注意喚起を行っておりますが、短期観光以外の目的でタイへの入国を希望する場合、入国前に目的にあったビザを取得するようご留意ください。

 

まとめ

以前よく見られた露骨な「ビザラン」を繰り返すことは、やはり避けた方が無難です。とくに陸路入国については「年に2回まで」と明記されている以上、観光目的ならそれを守るべきでしょう。一度タイを出国後に空路で再入国する場合も、1週間程度は期間を置いた方が無難だと思われます。また、空路での出入国を露骨に繰り返すことも避けましょう。私は、これまでビザランが理由でタイへの入国が拒否された方に会ったことはありませんが、それはたまたま運が良かっただけかもしれません。タイ滞在日数が年に60日間を超えている方は、入国拒否にあっても仕方がない状況だと理解しておいてください。
 

ベトナムのビザラン事情【2019年版】

ビザなしでの滞在期間は15日以内です。
 
昨今ビザランに対する規制を強化した国がまさにベトナム。2014年までは、ベトナム出国後の再入国に関してとくに制限はなく、いわばビザランが”やりたい放題”の国でした。それが、2015年1月1日以降、前回出国時より30日以内にベトナムへ再入国する際にはビザが必要になりました。あまりにも急激な変更!ただ、規制強化があまりにも厳しかったのか、同年6月に制限が一部緩和され、30日以内に再入国する際には、航空券の有効期間に応じた最大15日間の滞在が可能な1回限り有効なVRビザを空港到着時に取得できるようになりました(料金は5米ドル)。
 
ベトナムに関しては、完全にビザランが封じ込まれたと考えて良いと思います。
 

マレーシアのビザラン事情【2019年版】

マレーシアはビザなしで長期滞在が可能な国としておススメです。現在は、1回のマレーシア滞在で最長90日間の滞在が認められています。また、年間では合計180日間の滞在が認められており、隣国のシンガポールやタイ、インドネシア、ブルネイなどと組み合わせた滞在は、まさに東南アジア長期滞在者のベストルートの1つだと言えます。
 

インドネシアのビザラン事情【2019年版】

査証免除対象港(5大国際空港及び9海港)から入国した場合、30日以内のビザなし滞在が可能です。30日を過ぎる場合はいったん出国する必要があります。ちなみに、このビザなし入国は年に2回まで認められるという情報が有力です。また、ビザを取得した場合、1度出国した後に再入国する「ビザラン」が(運が悪くなければ)可能な国だといえるでしょう。ビザ(アライバルビザ)は大概の空港や港で到着時に取得することが可能で、料金は30日観光ビザで35ドル。隣国のマレーシアやシンガポールなどと組み合わせた長期滞在は、う~ん、ステキです。
 

フィリピンのビザラン事情【2019年版】

ビザなしで30日以内の滞在が可能です。また、30日以上の観光希望者のためには駐日大使館にて59日間有効な観光査証を無料で発行してもらえます。ビザランでもフィリピンは候補国の1つとなりますね。
 

ラオスのビザラン事情【2019年版】

ビザなしで15日以内の滞在が可能です。年間滞在日数に関する制限はないため、隣国のタイやカンボジア、ベトナム、中国などと組み合わせたビザランが可能です。
 

カンボジアはビザの取得が必要ですが、長期滞在が可能です

空港及び国境到着時に30日間有効なTビザ(観光査証)と1年間有効なEビザ(一般査証)を取得できます。料金はTビザが30米ドル、Eビザが35米ドル。Tビザに関しては事前に電子申請することも可能で料金は37米ドルです。年間滞在日数に関する制限はないためビザ代を割り切って払えば、これほど長期滞在に向いた国も少ないのでは・・・GOOD!
 

2018年10月1日からミャンマーもビザなし渡航が可能な国になります

日経新聞に掲載された次の記事によると、ミャンマーが2018年10月1日から1年間の期限付きで日本人のビザなし渡航を解禁するようです。このニュース、その後の報道がほとんどないため詳細が判りませんが、タイなどの近隣国から陸路での入域が解禁されるなら、ビザラン候補国の1つになりますね。


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