旅の宿泊先
 横谷温泉旅館:長野県茅野市北山
 蓼科グランドホテル滝の湯:長野県茅野市北山

2020年は怒涛のGoToキャンペーンに乗り、秋から冬にかけ毎月2回ペースで旅行を繰り返していましたが、年が明け2021年になるとコロナ禍の拡大に伴う緊急事態宣言の発令など、とてもじゃないが旅をする雰囲気は急速に萎えてしまいました。しかもGoToで改めて気づいた国内旅行の魅力ってナニって改めて考えてみたが……我が身の不感症体質を確認しただけでした。

この景観すごいぜぇ!神社仏閣ステキだなぁ!この料理うまいぜぇ!…と素直に感動できない体質になってしまったのです。どんなに素晴らしい景観を見ても、どんなに荘厳な神社仏閣を参拝しても、どんな豪勢な料理を食べても、つい海外バックパッカー生活と比較してしまい、あぁこの程度ねと妙に冷めてしまう自分がいるのでした。あるいはネット情報に日々晒されているせいか、全ての体験に既視感があり、結局は予定調和の範疇に収まってしまう。これじゃ旅をする意味がないよ!ただしGoToではそれなりの旅館や高級ホテルにタダ同然で泊まることができた点は政府に感謝、ありがとうございました。

と、2021年に入るや否や旅に対する情熱は急速に衰え、しかもコロナ禍は拡大するばかり。東京に発令された緊急事態宣言はいつ明けるんだよ~といった状況は皆さんご存知の通り。いつまでも都内の雑踏に身を隠すことに痺れをきらし、さすがのオヤジも旅に行きたい病が疼いてきました。じゃらんや楽天、一休などのOTAサイトをチェックすると、GoToに匹敵するほどの格安料金を提示する宿がいくつも見つかるではないですか。日本国内を旅しても予定調和なんだよね…などと言うシニカルに構えるオヤジはどこかへ去っていきました。そう、俺は旅が好きなんだぁ~!

前書きばかりが長くなりましたが、やっと重い腰をあげて5月半ば旅に出ることを決意、場所は長野県諏訪・蓼科エリア。なぜこのエリアにしたかと言えば、たんに宿泊代金が安く収まりそうだったからです。日本旅行の醍醐味と言えばオ・ン・セ・ン、サイトを覗けばいかにも秘湯然とした温泉旅館に格安で泊まれるとあったら、これは泊まるしかないでしょ!今回は上記の温泉ホテルにそれぞれ数泊滞在しましたが、いずれもクーポン&ポイントを利用し2名1泊6000円(2食込み)程度で泊まることができました…安いぜ。

山深い深山幽谷にある温泉ホテルに長逗留しても退屈じゃないのと考える若者たちよ、その点は心配無用ジャ。今回宿泊したホテルでは茅野駅までの長距離(!)無料送迎サービスがあり、茅野・諏訪エリアの名所旧跡を見学するには十分な時間が取れるのジャ(ちなみに私は上諏訪のビジネスホテルでも2泊滞在しているが…)。

諏訪エリアに泊まればおそらく訪れるであろう、諏訪湖の間欠泉や足湯。

まぁ、予定調和の観光スポットと申し上げておきましょう。

ちなみに諏訪エリアで私がもっとも感銘を受けたのは、諏訪大社下社春宮のすぐ隣に鎮座する万治の石仏でした。

岡本太郎氏も感銘を受けたという万治さんの愛くるしくも崇高なアリガタイお姿に論評を加えるのは野暮というモノ、ここで私は5分ほど立ち尽くしてしまいました。諏訪エリアで予定調和の枠をはみ出て感動の域に達したのは、この万治の石仏だけという結論。

横谷温泉旅館
茅野駅を14:45に出発する送迎バスに乗車、途中から山道に入り渓谷沿いに走ること30分、いつになった着くのかと不安になりかけた頃やっと到着しました。この送迎が無料ということにまずは驚き。

深山の奥に建つ秘境の一軒宿を想像していたが、良い意味で期待を裏切られた立派な建物に面食らう。そして通された部屋は少々の古さは否めませんが、広い上に居間と寝室が別で使いやすい。窓から横谷川の渓流が見えるとともに川のせせらぎが聞こえ耳に心地良い。これは長逗留を決めて正解でした。

こちらの温泉旅館の魅力は何といってもオ・ン・セ・ン。共同露天風呂は秘湯マニアの間でも有名だが写真撮影はNG。まぁネット上に転がる写真をご覧になればどれだけスバラシイ温泉かご理解いただけるでしょう。しかも家族風呂が無料で使えるとあって、私も妻としっぽり入浴しました。

どうですか、家族風呂も素晴らしいでしょ!しかし、共同露天風呂はこの家族風呂とは比較にならないほど秘湯ムードが満載でした。

温泉旅館に泊まる醍醐味と言えば、地産地消を冠した滋味あふれる豪勢な料理の数々。私の場合、格安で宿泊していることもあり、食事にそれほど大きな期待を抱いてはいなかったが…まぁ想像の範疇内でした。ただ、値段相応と言ってしまうと、それも違う。よくありがちな安っぽいバイキング料理などではなく一品一品を配膳してもらうコース料理、格安宿泊代金に対して頭が下がる思いがしました。まぁ、ブランド和牛など豪勢な食事を期待する方は追加でオプション料理を頼んでくださいね。

横谷温泉旅館の奮闘する姿は、毎晩プロの方による無料演奏会がホテルロビーで行われている点からも見て取れます。コロナ禍でプロ奏者に発表の場が大きく失われた現状に鑑み、こうした方々を助成する心意気には頭が下がる思いです。


深山幽谷の地に建つ横谷温泉旅館。外に出れば渓谷沿いの遊歩道もあり、10分も歩けばかなり大きな滝(乙女滝)を見学することもできる。ネイチャー至上主義のツーリストにも満足できる温泉と言えるでしょう。

蓼科グランドホテル滝の湯
茅野駅14:20発の無料送迎バスに乗り到着した蓼科グランドホテルは、2名2食込み〇千円で泊まるにはあまりに豪華なロビー、本当にこの値段で泊まってイイのかと疑問を感じるほどでした。バブル期に建造されたホテルにありがちな増築を重ねたであろう館内はかなり広く入り組む迷宮状態、地図なしに館内をうろつくことは難しそう。

ちなみに私の格安宿泊プランに対し広くキレイな部屋に不満はアリマセンが、外がすぐ駐車場なのは…マァ仕方ないね。


蓼科川の渓流沿いに設えられた巨大露天風呂は横谷温泉旅館に負けず劣らずスバラシイ(私自身は写真に撮っておらず、ネットで露天風呂の写真を拾えば…感動モノです)。あまりに居心地が良いので長時間寝そべる方たちが多数見受けられました。

皆さん期待の食事は口コミサイトでも高評価、リゾートホテルらしくデザート類にも力を入れているようで美味しかったです。

ただねぇ、こうしたリゾートホテルに限らずホテルのバイキング料理って全国的なフォーマットがあるのでしょうか?ラグジュアリーホテルと言われる欧米系資本の高級ビジネスホテルもそうですが、一定の水準を保ちながらも感動は全くない料理に、オ・マ・エ・モ・かぁ~という気分にさせられます。いや~、口コミサイトで高評価だからイイとホテル側は判断しているのでしょうがオモシロくない。予定調和以上の感動を求めるオヤジにとってヨクアリガチなバイキング料理はかえってマイナス評価になりかねないのです(だったらオプションで豪華コースをオーダーしろよ!という声が聞こえる~)。

結論
国内旅行において想像の範疇を越える感動を得るのは、やっぱり難しいね。


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