地中海を望む高台にあるミハスは白色が美しく映える、地中海特有の明るい日差しに癒される村。散歩中に突然、子供たちのパレードに遭遇、その平和を体現した地中海の田舎町の光景に一瞬は晴れ晴れとした気持ちになるが……東日本大震災発生からまだ1週間ほどしか経っていない日本を事あるごとに思い出し不安がよぎります。

 

マラガを拠点に、個人でミハス、フエンヒローラ、ロンダを1日で回る

アンダルシア地方に属するマラガは地中海に面した大きな街で、コスタ・デル・ソルの中心地。ここを拠点に、地中海沿岸の”白い”村々や渓谷の街ロンダを回ろうと、ネットで掲載された鉄道・バス時刻表とにらめっこ。これらの街を1日で巡るプランを考えました。

タイムテーブルと料金表(2011年3月現在)
  • 鉄道:マラガ08:30→フエンヒローラ (料金2.85ユーロ)
  • バス:フエンヒローラ09:30→ミハス (料金1.25ユーロ)
  • バス:ミハス11:30→フエンヒローラ (料金1.25ユーロ)
  • バス:フエンヒローラ13:30→ロンダ (料金8.40ユーロ)
  • バス:ロンダ18:00→マラガ     (料金9.42ユーロ)

う、団体ツアー並みの緻密なスケジュール、さすが宮脇俊三(名著「時刻表2万キロ」は私のバイブルです)を崇敬する俺!でも、これって実際にうまく動けるのか・・・なんてことはド~でも良い。ステキな場所があれば、そこに長居をすれば良いし、仮にトラブルがあれば、それもまた楽しいモノです。
 

ミハスに到着。バスから降りた先でも、すでに美しい!
バスで着いた先の広場。おそらく「ビルへン・デ・ラ・ペーニャ広場」か

フエンヒローラからバスは懸命に坂道を上って行く・・・着いた先は、うん、ここって天国?と見まがうばかりの白亜の街でした。(写真は出せませんが)一緒に行った伴侶も感激。
 

それでは街歩きを開始します。まずはガイドブックにも掲載されている石造りの古い教会「ラ・ペーニャ聖母礼拝堂」へ向かう。中では礼拝している人が見られ、厳かな雰囲気です。
 

ロバや馬たちのお尻に、家畜の悲哀を感じる

重い荷物や人を載せて一所懸命に働く牛馬(この場合はロバも)たち。君たち、おいしい飯を食べてくださいと切に願います。
 

ミハスの街歩き本番。白い街並みがただただ美しい

私はギリシャには行ったことがありません。ただ、地中海に浮かぶ島々の純白の光景は、このミハスの美しさを上回るのでしょうか、誰か教えてください。
 

沿道ではどこの軒先にも美しい花が飾られ、まるで魔法にかけられお伽の世界に入り込んだ気分。伴侶はすでにお姫様になりきっています。
 

こちらのレストランで一休み。魔法から覚めて現実に引き戻される

私たちはこちらのレストランに立ち寄りビールとタパスを何品かオーダー。まだ魔法にかけられたまま、美味しくバクついていました。すると、アメリカからの女性観光客が通りかかり「Are you from Japan?」と聞かれる。もう、何を言われるか想像がつきます。「Yes」と答えると、彼女は涙を流しながら、「Sorry・・・Sorry!」と私たちにいきなり謝罪の言葉を繰り返す。彼女の話しを聞くと、日本であれほどの惨状が起きていることにただただ悲しく、また楽しく幸せに観光をしている彼女自身の現状に照らして、日本人にはスマナイということらしい。ただねぇ、私たちも日本から離れスペインを楽しく観光をしている身、こちらこそ「Sorry」と言わなければいけない立場なのです。
 
アメリカの方の謝罪する態度があまりに目立っていたのか、他の通りかかった観光客たちも口々に私たちに声をかけていく。その大半は応援の言葉だったが、中には好奇心から発せられた心無い言葉も投げかけられた。とくに大げさな身振りで「アトミ~ック、ボ~ン」と言い放ち去って行った男を決して忘れることはできません。
 

広場に戻ると、子供たちのパレードに遭遇。明るい笑顔に癒されます

レストランのスタッフからも日本のことをいろいろ聞かれ、かなり憂鬱な気持ちでバス乗り場に向かう。すると、朝方に降り立った広場で仮装した子供たちが大勢いたのです。皆がかわいらしく、まるで天使のよう。この一瞬を楽しむこと、幸せを実感できる時間を持つことがいかに大切か思い知らされ、この村をあとにしたのでした。


<スポンサーリンク>