私自身、今回のボルネオ旅行ではコタキナバルを早く切り上げたかったのだが、妻の要望はボルネオのジャングルを流れる川をクルーズしながら野生動物を探すというモノ。ジャングルクルーズならコタキナバルでなくても、サンダカン(スカウ)やブルネイでもできるよと”助言”をしても、そんなことで言うことを聞くわけがない。調べてみると、コタキナバルからならゲラマ川のジャングルクルーズが比較的人気があり、料金も手頃。ただ、午後遅い時間からの出発なので、それなら午前中は私の趣向に沿った場所に行ってみましょうよ。
 
コタキナバルからバスに1時間ほど乗るとコタブルという街に行くことができる。このコタブルでは毎週日曜日に大規模なマーケットが開かれ、そこでは海上の民バジャウ族とジャングルの民(主にドゥスン族)との間で交易が行われているとのこと。折よく日曜日の午前はコタブル、午後はゲラマ川クルーズに出かければ、私と妻2人の要望を同時にかなえられます。まぁ忙しくなるが、Let’s enjoy!
 

コタブルのマーケット、海千山千の新鮮な食材がたくさん見つかります

コタブルのマーケットは運動場ほどの広さがある空き地で行われる露店マーケット。地元の方たちが持ち寄る食材や衣類が目立ちます。
 

ジャングルの民が持ち寄る農産物は、けっこう我々にもお馴染みのモノ

こちらは陸の幸がメインに売られているため、おそらくドゥスン族など山の民の販売エリアなのでしょう。一見したところ、さほど珍しい産物は売られていませんでした。私としては珍しい昆虫や得体の知れない野生動物が食材として並んでいるかと期待したのですが、まぁラオスやカンボジアとは違うようですね。
 

バジャウ族のエリアでは、あのテーマパークで食べたスナックが売られていた

他方こちらは海産物が売られているのでバジャウ族の方たちのエリアなのでしょう。熱帯の露天市なので、魚が干物に加工されて売られているのは致し方のないところ。この魚は何と片言のマレー語で聞いてみましたが、返ってくる答えを理解する術はなし。質問をしても言われた回答が分からない、海外あるある話でした。
 

スナックもよく売られているが、あれ、これはつい最近に食べたことがあるぞ……と思ったら、先日訪れたマリマリ文化村でご馳走になったスナック菓子でした。値段は1リンギットを渡したところ2つくれた上にお釣りまでくれた。いや~安っいですね!
 

そろそろコタブルを後にしようとすると伝統楽器、銅鑼(ゴング)を発見

そろそろ食事でもしようかなとマーケットを後にしようとしたところ、大きな銅鑼が吊るされているのが目についた。おそらくはジャングルの民ドゥスン族(カダサン・ドゥスン族)が使う伝統楽器ゴングだと思われるが、こうしたマーケットで何気なく鎮座していることに感銘を受けました。
 
高級ホテルのエントランスやツーリスト向け演奏会場で見るゴングとはアリガタミがなぜか違うように感じる。ステキな輝きを放つゴングがいつ鳴らされるかと休憩がてら10分ほど待っていたが、まぁそんなに我々の都合に合わせて演奏されることはありません。ゴングは諦めて小さな食堂に入ると、まだ午前中のためナシルマしかないとのこと。シンプルなメニューですが、とてもオイシクいただきました。
 

午後は妻にとってのメインイベント、ゲラマ川クルーズに出発

実はコタブル探訪でけっこう疲れてしまった私、午後は街なかにあるカフェでゆっくり休みたかったが、前日に申し込んだクルーズツアーをキャンセルするのは面倒。まぁ妻の手前、私も疲れた表情は隠し、なるべく(ひきつり気味の)ニコニコ顔をつくりながらツアーに参加することにします。
 

もともとジャングルだった場所も木々が刈り取られ、ナツメヤシなどのプランテーションが築かれた一角にクルーズ船の発着場所があります。クルーズ船出港の前に一通りのレクチャーを受けるが、コーヒーにスナック菓子(揚げバナナとココナッツ菓子)を出していただける点が何気にウレシイおもてなしです。
 

ボートが出港するとすぐにシルバーリーフモンキーのお出迎え。ただね、今回のクルーズでぜひとも見たいサルは君じゃないんだよ。私たちが探し出したいサルはテングザル、鼻がビヨンと伸びたカワイらしいおサルさんなのです。しばらくすると、ボートは本格的なジャングルの中を分け入る。
 

船長はいかにも動物たちがいそうな茂みにボートを止めては、ホッホッホッと雄叫びをあげてサルを呼び出そうとする。するといましたよ、テングザルの親子が樹の上で足を伸ばして休んでいるところに遭遇。当時、僕が持っていたデジカメではズームがあまり効かず分かりにくいですが、樹上に腰かける姿はまるで人間のオヤジそのもの。しかも別の場所では、樹の上で手を広げて後姿を見せるテングザル君を発見。お尻だけが白く縁取りされた姿は、まさにオヤジのパンツ一丁姿!愛くるしいテングザルの神々しい姿に、思いっきり萌え~となる私たちでした。
 

さらに川の奥にボートが進むと、今度は水牛の大群に遭遇。野生動物の宝庫、ゲラマ川に満足をした私たちでした。
 

クルーズツアーはこれでは終わらない。夕食後、再びクルーズに出発

ボート出港場所に戻ると、なんとディナー(ツアー料金に含まれている)が準備されているではないですか。夕日が沈む中でとるディナーは内容がどうであれ、それなりに贅沢なモノ。満足げに休んでいると、次はナイトクルーズの時間!いや~盛りだくさんなツアー内容に、私は疲労感マックスです。
 
ナイトクルーズではホタルの群生地に赴き、幻想的な光景に酔いしれるといったメニューとなっていたが……私が事前に期待したほどの光景ではなかった。それでも数十匹のホタルが輝き乱舞する光景はまぁ見ておいて損はしません。ただ、ホタルの行動を妨げてしまうためストロボは禁止。写真に撮ることはできなかった点が少し残念でした。
 
ホタル見学を終えると私だけではなく、ツアーに参加していた大半の人々が疲労感を隠せない表情となる。もうみなさんお腹いっぱい胸いっぱい、ホテルにとっとと戻り明日に備え早く眠りにつきましょう!


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