サダンに着く手前でベモ(ワゴンカーを用いたバス)の車内から見えた村落が大変美しく見えたので、歩いて行ってみようと思いたちました。どうやらその集落の名前は「パラワ」、この村に関する事前の情報は何も持ち合わせていません。ただ、誰にも気兼ねすることなく思いのままに動けるのが一人旅の利点。いざ訪れてみたパラワ村は、私のような異国のオヤジをを笑顔と歓声で迎えてくれる素晴らしい伝統集落でした。

 

パラワまでの道中が、とてもイイ感じです

山間の田畑を見ながら歩く道は気分が良いです。途中ですれ違う子供たちは、目が合う前から「ハローハロー」と言って近寄ってくるが、いざ写真を撮ろうとすると蜂の子を散らしたように逃げていく。しかし、しばらくするとまた近寄ってくるといった様子で心が和む~。1時間ほど歩いたでしょうか、トンコナンハウスの屋根がいくつも見えてきました。
 

パラワに到着 そこは、巨大なトンコナンが残る、木彫りが盛んな伝統集落でした
パラワ集落の様子をご覧ください。巨大なトンコナンハウスが立ち並んでいます

パラワの集落に到着です。サダンに続き、まさかの入村料を徴収されました(IDR10000=約85円)。集落の構造は、先のサダンと同様、縦に長い広場の両脇にトンコナンハウスが立ち並び、中央の広場には車が入ってこられるつくり。全体的に古いトンコナンが多く、外観が朱色などの明るい装飾に彩られたものも見受けられます。
 
ここで、若干興ざめなのは、外国人観光客がここでも4~5名の団体(?)で来ていたことです。まあ入村料を徴収している村だけあって、外国人の受け入れに積極的なのでしょうか。
 

ここでも、牛の角をたくさん飾ったトンコナンが誇らしげに鎮座しています

う~ん、角が多いです。これだけの角があるとは、どれだけ盛大な葬式を行ったのでしょうか?
 

村では、木工細工が盛んな様子。しかし売りつけようとする人はいませんでした

後の記事に掲載しますが、トラジャでは埋葬の際、タウタウという木造人形を死者と一緒に飾る習慣があります。こうしたタウタウ人形はどこで造られているのか知らなかったが、このパラワでも造られていることが判りました。木造人形に着させるのでしょうか、木の胴着と小さな人型人形、土産屋の中ではタウタウ人形が飾られていました。
これらのものは、葬儀の際に使用するためか、私のような外国人が見物をしていても、誰も売りつけようとしたり説明をしようとすることはありませんでした。ただ、タウタウ人形が置かれていたトンコナンでは、外国人の団体に売りつけるためかネックレスや皿などが置かれていました。
 

村落の外れでは、まだ新しいトンコナンも建造されていた

まだ新しいトンコナンは、屋根がトタンでできています。トンコナンが両側に立ち並ぶ光景はお馴染みのモノだが、広場が小さく人もさほどいない様子。
 
 
この辺りでパラワを去り、すぐに来たベモに乗り込みました。宿泊先があるランテパオに向かうには、どうやら「パンリ」という場所で乗り換える必要があるよう。パンリ・・・聞き覚えがある名前です。日本を発つ前に「地球の歩き方」のメモをとってありましたが、それにパンリの名があり、どうやら特殊なタウタウ人形があるようです。
 

パンリは現代家屋も建つ比較的大きな集落

パンリに着いてすぐに、すれ違う人皆さんに「タウタウ、タウタウ」と言いましたが、ほとんど理解されませんでした。しかし、勘が良いのはやはり高校生くらいの子供で。「Oh~タウタウ、Follow me!」などと言われたのかは定かではないが、とにかくついて来いとのこと。雑草の生い茂る空き地の方に、それまで見てきたトンコナンとは明らかに違う、粗末な建物に案内されました。裏に回ると確かに石で造られた人型の人形が座っています。案内してくれた高校生は、なぜかいつの間にいなくなっていました。

これが「地球の歩き方」で紹介された「石造タウタウ」です

こちらのタウタウ人形の芸術的あるいは歴史的な価値は全く判りません。ただ、周囲には誰もいないのに、なぜか人の気配を感じてしまう。たんなる石の人形のはずだが、死者に対する並々ならぬ思いを感じます。粗末な建物の中には故人でしょうか、少々古びた写真が何枚か貼られていました。
 
 
石造タウタウを見学後、ランテパオに戻り休みました。7月31日の旅行記は以上です。次は、ケテケスやレモなどへ向かいます。


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