ランテパオはトラジャ観光の拠点として賑わっていますが、この街自体を楽しむ方は意外に少ないでは・・・? 確かにこの街では、目立った観光スポットや楽しいナイトライフは期待できません。しかし何日か滞在してみると、落ち着いた環境の中で心身がどんどんリラックスしてくる。何かと暗く陰鬱な光景に出会う機会が多いトラジャで、ランテパオは渡り鳥にとっての止まり木のような街だと感じました。

ケテケスから戻り少し気が塞いでいたこともあり、ランテパオの街を改めて歩きまわってみました。
 

ランテパオの中心街を紹介、できればグーグルマップをご参照ください

グーグルマップでは「Jalan Ahmad Yani, Rantepao」で検索してみましょう。この「Jalan Ahmad Yani」がランテパオ市内を南北に貫く目抜き通りです。

「Jalan Ahmad Yani」と「Jl.Diponegoro」の交差点辺りに「ベモ乗り場」があります。ここから南に500mほど歩くと「ツーリストインフォメーション」があり、この間がランテパオの繁華街と言えるでしょう。ちなみに、このツーリストインフォメーション、前の記事では愚痴を書いた場所。向かいには新しいトンコナンが建てられたプロテスタント教会(グーグルマップでは「BPS Gereja Toraja」と表記)があります。

ベモ乗り場から西に少し歩くとカトリック教会(グーグルマップでは「Gereja Katolic St.Theresia,Rantepao」と表記)があります。実はこのカトリック教会の周囲にホテルが多く集まっており、教会の向かいには、やや高級な「Indra Toraja」や「Hotel Luta Resort」、カトリック教会から50~100mほど南に、私が泊まった「Wisma Maria Ⅰ」などのリーズナブルなホテルがあります。このエリアには外国人宿泊客が多いためレストランや中華食堂、バーが数軒あり、何かと便利な場所。
 

ランテパオの歩き方:ランテパオの見どころスポットを独断で紹介
カトリック教会

バックパッカーの方ならホテルを探す際の目印になる教会。写真では手前のイスラムモスクの奥に、教会の高い塔が見えます。このあまりにシンプルな教会、礼拝堂に入らなければその価値が判らないかもしれません。カトリック教会のため、礼拝堂の前面には十字架にはりつけられたキリスト像があります。見どころは、その下や周囲にデザインされたトンコナン。トンコナンと言えば、トラジャ族伝統の宗教儀礼に根差した遺体の安置場所であるはず。この古いアニミズムに基づくトンコナンがデザインされているということは、社会学的にいえば世界宗教であるキリスト教の現地化、伝統宗教との習合の場といったものになります。ちなみに、このカトリック教会のすぐ隣にはイスラム教の礼拝の場モスクがある。イスラムとキリスト教世界が共存するトラジャの信仰の現場を見るにつけ、彼らの懐の深さを感じます。なお、こうした習合の実例はツーリストインフォメーション向いのプロテスタント教会でも見ることができます。
 

マーケット

カトリック教会とベモ乗り場の間には、小さな地元仕様のマーケットがあります。山の中で売られる海鮮物などを見ていると、いつの間に時間が過ぎ去っていく。
 

むしろランテパオで歩きたい場所は、川むこう(川を渡った西側)にある

マップの中央部を見ると川が流れ、その川の先(西)は道がかなり少なくなっています。川むこうは農村地帯で、豊かな田園と、とても閑静な集落が広がっています。右(下)の写真はおそらく牛皮でしょう、なめし皮を作っているものと思われます。
 

川の向こう側を外国人が歩くことはめったにないのでしょう。子供たちに絡まれ、さんざん写真をせがまれました。生意気そうな子供たちでしたが、それなりに楽しい時間を過ごす。
 

少し歩くと、とても感じの良い集落に突き当たりました。古いトンコナンが残り、農作物の貯蔵用に使われている様子。きれいな英語で話しかけられ振り返ると、仲の良さそうな若いカップルが立っていました。お宅に案内され、お茶をご馳走になる。カップルと書きましたが実は兄妹でした。
ちなみに、写真の状態が悪いです。ケテケス訪問後、レンズの調子がおかしくなった影響です。
 

ランテパオのホテル街

ランテパオでリーズナブルなホテルを探すのなら、やはり先に挙げた「カトリック教会の向かいから南側」がおススメ。ただ最近は、ベモ乗り場から北のエリアにも外国人向け安宿が増えてきています。しかし北のエリアでは宿の位置がやや分散しており、先に挙げた「カトリック教会」の方がエリアが狭く固まっている分、断然ベター。また、カトリック教会自体がメインストリートから1本外れているので、静かに過ごすことができます。

なお、高級ホテルに関しては、ランテパオ郊外部にあることが多く、市街地エリアからはベチャやオジェッ(三輪タクシーやバイクタクシー)、ガイド付きタクシーなどで移動することになります。そんな、優雅な旅もたまにはイイですね。

ホテル予約に関しては、以下のサイトがおススメです

こちらは格安ゲストハウスなどの取扱が多く、キャンペーン価格も多数掲載されています。
Booking.com

 
 
次回記事では、再びトラジャ各地の集落を巡った旅行記を、多くの写真とともに紹介します。


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