メーホンソンのゲストハウスで参加したバイクツアーについて引き続き報告。前回記事で紹介したパドゥン族(首長族)の集落「Ban Huai Seau Tao」を後にし、次の目的地へと向かいます。実は、このバイクツアーのメインとなる目的地は2ヶ所あり、1ヶ所目の首長族の集落はまず始めに訪問、もう1つの目的地は中国国民党の残党がつくったゲリラ村・・・。え、ゲリラの残党の村って・・・行って大丈夫なの?確かに、この村は1980年代前半まで、タイ政府ですら容易に立ち入ることができない、アンタッチャブルな存在の村でした!
 
今回の記事では、この中国国民党ゲリラの残党が暮らす村「Ban Rak Thai」に加え、「Pha Sua」(滝)という景勝地について紹介します。
 

山間の景勝地「Pha Sua」を訪れる

パドゥン族の村を訪れて、かなり満足のいくツーリングになりましたが、このツアーはまだまだ先が長い・・・!
 

バイクはのどかな山間の地を快走します。まるで日本にいるかのような景色が広がり、異国の地にいることをふと忘れてしまいそう。
 

パドゥン族の集落から1時間ほど走ったでしょうか、かなり飽きが生じてきた頃、着いたよという合図が。バイクを停めて歩き出します。
 

轟音をかなでる激流が見えてくる。木々の間から滝の姿が眺められます。
 

滝に到着です。なかなか勇壮な光景で癒される。まさしくマイナスイオンを浴びまくりですな。
 

滝つぼには鯉でしょうか、けっこう多くの魚が泳いでいる。水がきれいな証左ですね。
 

中国国民党の残党がつくった村「Ban Rak Thai」

滝で十分にリフレッシュした後、いよいよ「Ban Rak Thai」に向かいます。こちらの村、中国国民党の残党がつくった村としてガイドブックにも掲載されていますが、ここ、タイですよ!なぜ、中国しかも国民党が(台湾ではなく)このタイの山奥で登場するのか、解説が必要ですよね。

第二次世界大戦が終結(1945年)後、現在の中国「中華人民共和国」が成立(1949年)までの間、中国本土では国民党と共産党の主導権争いから内戦状態に陥りました(国共内戦)。この内戦は結局、共産党軍の勝利となり、国民党軍は台湾に逃げ延び現在の台湾政府を成立。こうした内戦の歴史の中、雲南省で戦闘を行っていた国民党軍は、あまりにも遠く離れた台湾に逃げることはできずに、結局はタイ・ミャンマー国境の山間エリアに逃れるに至ったわけです。
 
こうして成立した村が「Ban Rak Thai」ですが、なぜこの村が「ゲリラ村」と呼ばれることとなったか・・・実は、この村で「大陸反抗」、つまり将来に共産党に支配された中国本土を攻めることを想定し、ゲリラの養成が行われていたのです。村は要塞化され、タイ政府が容易に近づけないエリアとなりました。ゲリラ養成のための資金源は・・・当時、ゴールデントライアングルと呼ばれたタイ山間部の主要作物ケシや、ミャンマーで産出されたヒスイの売買などイリーガルなものでした。
 
結局、この村が武装解除に応じタイ政府の影響下に置かれたのが1980年代半ばの話し。つい最近のことです。

周囲の景色がずいぶんと変わってくる。茶畑の中をバイクは走って行きます。いつの間に、台湾の田舎を走っているような錯覚に陥りました。
 

バイクを降りると、少年のお出迎え。風車などがあり、のどかな農村の光景です。
 

う~ん、ここ本当にタイ?確かに、雲南省の健水郊外や台湾の台東郊外の光景に似ている気がする。
 

お茶屋が多いです。お茶と言えば、雲南省のプーアール茶に台湾のウーロン茶。さすが茶の産地です。試しにお茶を入れてもらいました。
 

中国名物、魔法ビン屋さん!

店先の表示も漢字ですね、さすが中国!しかし字体が・・・現在の台湾で用いられている繁体字ではなく、中国本土で使う簡体字で書かれていることが気になりました。中国本土からの観光客が多いためかなと推察できますが・・・過去のゲリラ村としての歴史を考えると微妙ですね。
 
 
今回の記事はここまで。ツーリングはまだ続きます。


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