今回参加したパンガー湾ツアーで、私にとってもっとも興味深かったのは、パンガーの港からほど近い場所にある巨大な水上集落でした。この集落は「コパンイ(パンイ島)」の周囲に築かれ、1500人以上の人口を抱える大きな町です。しかも居住民はほぼ全てが、ムスリムである点でも大変ユニークでした。
 

今回のパンガー湾ツアーの内容をおさらい

パンガーの街で予約した今回のツアーは、プーケットを出発する日帰りツアーに私たちを(無理やり?)押し込んだもので、料金は絶対に口外するなとのこと。とにかく格安で参加しました。ツアー内容は以下の通りです。

タムロート(洞窟)→ ポントゥーン(人工の小島:カヌー体験)→ ピンカン島(ジェームスボンド島:映画『007 黄金銃を持つ男』の舞台地)→ コパナック(ビーチ/昼食)→ タルー(洞窟)→ コパンイ(水上集落)

ちなみに上記写真はいずれも前回記事で掲載。それではパンガー湾ツアーの後半部を紹介します。
 

ムスリムの水上集落に到着する前に、いくつかのスポットに立ち寄ります

今回記事のメインはムスリムが居住するコパンイについての報告です。したがって、他の寄港した場所については軽く触れるだけにしておきます。
 

コパナックでランチタイム

ピンカン島を出発したボートは奇岩が連なる島々の間をぬいながら走行、このあたりでカクレンボをしたら楽しそうですね。と、しばらくすると小さなビーチにボートは接岸しました。コパナックに上陸、ビーチ部は狭かったですが、景色はイイですよ。ここで簡単なランチをとりました。
 

タルー洞窟で探検気分に浸る、ここは秘密にしておきたい美しいビーチがあります

この島のアクティビティは洞窟探検。ただ先客がいなかったためか、上陸した時点で秘境感が満載です。
 

背後を見ると、確かに洞窟があります。しかし、木造のはしご(階段?)は今にも朽ち落ちそうで、中に入るのはケッコウ勇気が必要かも?
 

洞窟内は立派な鍾乳石が並び面白いのですが、いかんせん暗い!とにかく足元に注意ですね。
 

洞窟を抜けると・・・そこは美しい光景が広がっていました。
 

では今回記事のメインテーマ、パンガー湾のムスリム水上集落について報告します

タイは国全体の人口は6572万人(2015年)、このうちの多数を仏教徒が占めています。ただ、タイ最南端3県を中心としたエリアでは多くのムスリム(イスラム教を信仰する人たち)が居住しており、タイ全体では約400万人がムスリムだと言われています
 

パンガー湾の複雑な地形が、この地の特殊性を増長する

これまでカルスト地形によってつくられた、パンガー湾の風光明媚な光景について多くの写真をまじえ紹介しました。岩山の島々や数多くの洞窟によって、まるでこのエリア全体が迷路のような地形になっており、過去には映画007シリーズで敵の隠れ家が設定されたほどです。
 
そう、このエリアは隠れるのに非常に好都合な場所だと言えるのです。昨今のニュースを見ても、ロヒンギャたちが乗った木造船がこのエリアに漂着するニュースが散見されたり、噂レベルではロヒンギャ難民ビジネスの拠点が築かれているとも・・・?!
 
また、「モーケン族」と言われる海上生活民が暮らすエリアとしても、パンガー湾は特筆されます。モーケンの人々は、舟の上でほぼ一生をおくる船上生活者で、つい10数前まではパンガー一帯でもよく見られました。ただ、2004年に発生したスマトラ震災をきっかけに、現在は大半の方が陸上に定住しているとのこと。まぁ、船上生活をおくるモーケンの人々はタイ国籍を付与されていない方が多いため、観光客の目に付くような場所に出現することはあまりなさそうですが・・・。
 

パンガータウンを出港してすぐに水上の家屋は多く見られます

このように複雑な背景を持つパンガー湾の水上生活者、隠れ家として有効なこのエリアを自力で旅行する気にはなれませんでした。さすがにタイ深南部で散発するテロ事件と結びつける気はありませんが・・・、だからこそ、私はとりあえずツアーの形で、パンガー湾エリアを巡ることにしたのです。
 

パンガータウンを出港した時点で多くの水上家屋が見られました。まぁ、これらは陸上生活をおくる方の家屋だと思いますが、こうした光景、風情があり大好きです。
 

では、コパンイに上陸します

タルー洞窟を楽しんだ後、再び乗船。まるで船上生活者モーケンの気分です。しばらく進むと・・・

巨大な水上集落が見えてきました。あれがコパンイなのでしょう。
 

いよいよ上陸。集落内には、この木道が延々と(?)続いています。
 

私が上陸した時間はたまたま干潮だったのでしょうか、海がひいており多くの住宅は干潟の上に建っている。多くの住宅では個人のボートを所有しているようで、住宅に横付けされています。
 

実はコパンイの集落内はビニールの屋根が貼られた大きな1本道ができており、そこにお土産屋が立ち並んでいます。観光客が多く訪れる人気スポットなのでしょう。私も写真をパチパチ撮りますが、先ほど述べたこのエリアの特殊性・・・もしかしたらマズイものが写りこんでいたら…なので、公開は控えます。まぁ、集落内の八百屋さん兼食堂なら別に問題はないでしょう。
 
パンガー湾日帰りツアーは盛りだくさんの内容、とにかく満足・お腹いっぱい!


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