インドネシア、スマトラ島を代表する都市の1つ「パダン」、西スマトラ州の州都として近年発展が著しい街。初めてのスマトラ島訪問の第一歩はこのパダンから、約1ヶ月をかけてメダンまで公共バスを乗り継いで旅をします。今回の記事では街の概要に触れた上、私が歩きまわったパダンの街を紹介します。
 
私がパダンの地に降り立った時期はちょうどラマダンの真っ最中、このパダンの地は、インドネシアの中でも敬虔なムスリムの方が多く、日の出ている時間は皆さん断食に励んでいます。実はこの期間というのは旅行者にとっても深刻な影響があり、例えば、レストランの大半が閉まっていました。そうしたラマダン時期の旅行テクニックも少し紹介しますね。
 

パダンの街の概要

インド洋に面したパダンの街は西スマトラ州の州都として発展を遂げ、2014年現在で人口は100万人を少し超える大都市です。インドネシアは約500程度の民族集団によって構成される多民族国家ですが、この西スマトラ一帯はミナンカバウ族が多数を占めるエリア。彼らの中心都市であるパダンでは、ミナンカバウの文化や建造物を紹介した博物館や、インドネシアでその名を轟かせたミナンカバウ料理=パダン料理を楽しむことができます。
 

パダン空港(ミナンカバウ空港)からホテルまでのアクセス:私の場合

パダンの玄関口、ミナンカバウ空港はパダンの市街地から約30kmほど北に離れた場所にあり、市街地まではタクシーかバスでアクセスすることができます。市街地までタクシーで移動する場合はチケット制のタクシーに乗りおよそ40分ほど、料金は2018年時点でRp150000~200000(Rpはインドネシアルピア、Rp10000=約80円)、つまり日本円で1200円~1600円程度です。しかし私はバックパッカーの身、タクシーを使うことは控えたいのです。

この写真は私が空港からバスで市街地まで乗車した後、バイクタクシー(オジェッ)に乗換えてホテルに向かう際に撮影したもの。ミナンカバウ空港からパダン市街地までDamri社のエアポートバスが毎時1~2本程度運行され、料金は2018年現在Rp35000(約280円)で済みます。また、バスが着いた場所にはこうしたバイクタクシー(オジェッ)が待ち構えており、市内中心部のホテルであればRp10000~20000程度(約80円~160円)だせば行ってもらえますよ。
 

私が泊まったゲストハウス:Wisma Mutiara Hotel

市内中心部にほど近いこちらのゲストハウスは、ネットであらかじめ予約しておきました。私の場合、土地勘のない街では最初の1~2泊目を予約サイトでブッキング、その後は自分の脚で探すことにしています。ちなみによく使う予約サイトは以下の2つ、ホテル予約では定番のサイトですね。
 
Booking.com

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このゲストハウスは朝食込みで当時Rp150000。いかにも品の良いご家族が経営をしており、メンテナンスや清掃が行き届いている印象を受けました。ただ風呂が問題でして、水風呂のマンディ!まぁ熱帯地域なので水でも問題はありませんが・・・熱い風呂に浸かりたい人はご注意を。
 

パダンの街を歩く

では、パダンの街歩きを始めてみましょう。できればグーグルマップなどを立ち上げておいてください。
 

パダンの街歩きはここからスタート:マーケット&ベモターミナル(Air Mancur Pasar Raya)

グーグルマップでは、「Air Mancur Pasar Raya,Padang」と打ち込んでください。まさにパダンのへそ、喧騒の真っ只中で思考を失います!

馬車と屋台が立ち並んでいますね。混沌としたアジア世界が広がり、興奮してきます。
 

しかもここはベモ(ワゴン車を用いたローカルバス)のターミナルも兼ねている。ベモの渋滞にクラクションの嵐と来れば、アジア慣れしていない方にとってはイヤ~と絶叫したくなるのでしょうか。
 

生鮮品市場の中に足を踏み入れるといつの間にか方向感覚を失い、どう戻れば良いのか判らなくなります。ラマダン中でも生鮮品は販売しています。ただ、そこで食べては・・・いけません。優しそうなオバチャンから竹筒に入ったおこわ飯を買って食べようとしたら、オバチャンは腕で大きな×をつくり優しくダメと言いました。
 

アディッヤワルマン博物館(Adityawarman Museum)

パダンでもっとも著名な観光地と言えばこの博物館です。先ほどのマーケットからは300mほどの道のり。西スマトラ一帯のカルチャーを紹介するこの博物館ですが、展示物に関する印象はほとんど残っていません!これは私の勉強不足ですかね。ただ、この建物は伝統的なミナンカバウ様式を踏襲しており、見応えがあります。
 

パダンビーチ

博物館から5分も歩けばそこはインド洋!ただ、街中のビーチなので期待はなさらずに。夕陽を見るスポットとして良いと思います。
 

パダンの街をただぶらつくのも楽しい

街のランドマークとして先に博物館を紹介しましたが、とくに観光を気にしなければ上の広場(サッカー場)の方が印象に残るかもしれません。グーグルマップでは「Imam Bonjol Park」、地球の歩き方では「サッカー場」として記載されている場所です。この辺りにはモスクが多く頼めば拝観をさせてもらえます。
 

サッカー場から南に歩くと下町の情景の中、いつのまにチャイナタウンにたどり着きます。先ほどラマダン中の食事事情について前振りをしましたが、この時期、ファーストフードですらレストラン内での飲食は認めないところが大半!食品自体は売ってくれるので、購入後、人目のつかない場所やホテルに戻って食べるというのが一般的な対処法ですが、私の場合は・・・チャイナタウンに行きました!中華街ではムスリムの慣習に縛られない人々が生活しています。中国系の方は食に関しては本当に貪欲!まわりをムスリムに囲まれていようと、平然とレストランは通常営業、ランチ時も普段通りに賑わいを見せます。
 

チャイナタウンの先には比較的大きな川が流れ、そこでパダンの市街地はほぼ途切れます。
 

川にかかる橋には夕方、多くのパダン市民が夕涼みに来るため、たくさんの屋台が並び賑わいを見せる。こうした街の情景が私は好きですね。
 

日が落ちればチープだがオイシイ食事を楽しみます

何度も申しますがラマダン中のパダンでは、ムスリムの方たちの目前でランチをとることは控えるべきこと。食品を買い込みホテルの部屋で食べるか、中華街に足を運びレストランで堂々と食べましょう。外国人が多く泊まる星付きホテルのレストランなら、そのようなことを気にする必要はないのでしょうが・・・。
 
ただ、昼間に美味しい食事が楽しめない時期でも夜は違います。日が落ちるやいなや街なかには屋台が大挙営業をし始め、おいしそうな香りを辺り一面にふりまきます。価格はRp20000~30000(約160円~240円)くらい、格安です。

やっぱり、定番はおいしいオレンジジュースにナシゴレンでしょうか。いやいやミーゴレンもおつですね。
 

こちらはRp10000もしない格安のチキンご飯(ナシアヤム)。店主のオバチャンと身振り手振りで会話を楽しんでいたらエビセンベイ(クルプック)の差し入れを出してくれた。ヤ・サ・シ・イ~!!


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