ブキティンギから苦行ともいえるバス旅でやっとたどり着いたトバ湖。パラパッからトゥットゥッへフェリーで乗りつけ宿を確保した瞬間、それまでの緊張が全て解けたのか急に眠気が。しかし、トバ湖の安宿は私をそんな簡単に寝かせつけることはさせません・・・なぜならここはスマトラ島、日本では考えもつかない騒動が巻き起こるのです。
 

まずは前回の旅日記の続き、トゥットゥッで宿を見つけるまで

トバ湖対岸の街パラパッでランチをとり終えた私は、トバ湖に浮かぶ島(サモシール島)にあるトゥットゥッを目指しフェリーに乗り込みます。

上の写真は前回の記事でも使ったもの。このフェリーに乗り込んでパラパッを目指します。ちなみにパラパッからトバ湖(サモシール島)方面へのフェリーの運航状況を記します(2018年1月現在)。

■パラパッ~トゥットゥッ
  7:00~18:30まで毎時約1便程度運行、所要40分、料金Rp15000
■パラパッ~トモッ
  7:00~19:00まで毎時約1便程度運航、所要40分、料金Rp10000

サモシール島内のゲストハウスやホテルはトゥットゥッに集中しているので、ここでは行先を間違えないようにしてください。しかもパラパッの港周辺には客引きやガラの悪い人たちがたむろしていることも多いので注意、そうした人に安易について行くと痛い目に遭う可能性が高まります。
また、フェリーはトゥットゥッにあるゲストハウスに近い桟橋をいくつも経由していくので、最初の1泊目くらいは目星のゲストハウスを決めておき、フェリーの係員に伝えてください。そうしないと、フェリーの終点まで乗ってしまうことに。都会の通勤電車で眠りこけてしまい終点の山岳リゾートまで運ばれてしまうことをご想像ください。
 

パラパッ~トゥットゥッ 気軽なクルーズ旅がスタート!

一応、私もバックパッカー歴が長いですから港で騙されることは・・・ありませんでした。ブキティンギに滞在していた時、トバ湖から来たフランス人と話して、「Liberta」というゲストハウスが安い割に居心地が良いと言う情報を仕入れており、まずはそこに向かうことにします。

パラパッを出港してすぐに、周囲を高い崖山によって囲まれていることが判る。それもそのはず、トバ湖は世界最大のカルデラ湖、この湖自体が巨大な噴火口なのです。それってどれだけ大きな火山なんだよ!と思い調べてみると、トバ湖で起きた最新の巨大噴火は、アメリカのイエローストーンと並び世界最大級の噴火だったとのこと。74000年前の噴火により噴出した火山灰は、遠くインドやパキスタン・中国南部で数cm堆積し、なんとグリーンランド(北極圏!)でも検出されたそうです。
 

フェリーはサモシール島内の村々を何ヶ所も巡りながら進んで行く。村の素朴な生活を目の当たりにするのは楽しいこと、時には先住民族バタッ族の伝統家屋(を模した建築物?)も見えます。
 

こちらの桟橋で西洋人が何人か下船します。こんなリゾートホテル、僕も泊まってみたいが今日はやめておきます。何と言っても「Liberta」にまずは行かなければ、紹介をしてくれたフランス人に義理がたちません。
 

大型リゾートを出港してさらに10分ほど進むと、ここで降りろとの指示が。地元の方が洗濯をしていますね。下船場所の正面には写真のような墓所もあったが、この形が面白い。十字架がありキリスト教を信仰しているのは一目瞭然ですが、墓上部には舟型の造形物が設えている。舟を信仰対象としている点は、私がこの2年前に訪れたスラウェシ島・トラジャ族と共通します。
 

Libertaにチェックイン、この日に起こった出来事は衝撃的!?

桟橋から降りて5分も歩かないうちに「Liberta」は見つかりました。料金を聞くとコテージ1部屋が使えて1泊Rp77000(約620円)。ホットシャワーも使えるということで、これは格安です!ちなみに料金は2018年1月現在も変わりません。
 

ただ、多少不安な点はあったんですよ。この日たまたま開いていたのは写真の部屋。かなり薄暗い点が気になり、他の宿泊客がいる部屋を見せてもらったのですが、明るくとても居心地が良さそう!ステキな部屋に滞在していた西洋人はあと2日ほどしたらチェックアウトするとのこと、あの陰気な部屋でもまあ1~2泊程度ならイイかと思いチェックインしました。
 

まず第一の騒動は、シャワールームで起きた

部屋を決めたことで急に疲れが出たので、夕食まで外出をせずに休むことに。夜行バスによる移動で埃&汗まみれになったこともあり、浴室へ。バスタブで熱い湯に浸かるなんて何日ぶりか覚えていません。
 
水を出すとすぐにホットシャワーに切り替わった!これはイイね、と思い熱い湯をバスタブの中で出したその時・・・排水溝から何匹もの大型ゴキブリが飛び出してきた!その数はゆうに20匹は超えています。ヒエ~!私は急いでホテルスタッフの元へ行き、ゴキブリを何とかしてくれと懇願する。
うん判ったと言い、スタッフはすぐに来ましたが、この時の彼は何の荷物や道具を持っていない。殺虫剤を持たないで、どうやってゴキブリに対処するのだろうと思っていたら・・・なんと、スタッフは素手で一匹ずつバンッと潰していくのです。これにはゴキブリ達も堪りませんね。すべてのゴキブリを潰し終えた後、彼はおもむろにTシャツを脱いでそれらの死骸を包んでしまう。この時、彼の浮かべたドヤ顔を私は一生忘れることはできません。
 
とまあこれほどの騒動がありましたが、熱湯をそこら中に振りまき一安心?バスタブに湯を張り入浴を満喫しました。
 

一休み後、夕食をとった食堂でおきた小さな騒動

この日は本当に疲れていたのでしょう、ゴキブリ騒動があってもしっかり風呂に入り眠りにつく。起きると、もう夜でした。近くの食堂に赴き魚を注文。

魚、スープともに日本人好みのシンプルな味付けで、おいしくいただきます。
 

食べ始めると、1匹のネコが隣のイスに上がってきました。そうか、お前、この魚が欲しいんだな。まぁ、食べ終えたら残りの頭や骨をあげようと考えていたら、こいつはテーブルに上がってくる。ダメだよ、行儀悪いなと叱りイスに下ろすと、写真のような残念で恨めしそうな表情を浮かべる。うん、こいつカワイイぜと思ったその時、奴はテーブルに速攻の速さで駆け上がり、魚を持って行ってしまったのでした。
 

ちなみにこの時、ワンちゃんもすぐ脇にいたのです。彼は行儀良く、そのうちおこぼれにあずかろうとしていたのに、ネコが全部さらっていってしまった。すまん、イヌよ。
 

第三の騒動は、山が燃えていた!

魚を失い、スープとご飯で食事を済ませ宿に戻ると、宿泊客が集まり一点の方向を見つめていることに気づきました。

そう、山が燃えているのです。おそらく焼畑の炎が見えているだけだと思いますが、西洋人たちは若干おびえている様子。ゲストハウスのスタッフに聞くと、まあ心配ないよとの返事が。そりゃそうでしょ!日本であれば京都や奈良で山焼き(大文字焼など)の行事がありますしね。ただね西洋人の数名、炎がこっちに延焼するかもしれないなど、妙なデマを言うのはやめて欲しいね。
 
とまあ、トバ湖(トゥットゥッ)到着早々にいくつかのトラブルが発生したが、これも旅の楽しいネタです。ちなみに、この初日以外にトバ湖でネタになるようなトラブルはとくに起きませんでしたよ。


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