トゥットゥッに着いて早速いろいろなトラブルに見舞われましたが、こんなことを気にしていたらスマトラ島を旅行するなんて無理です。ゴキブリがいくらでても特に害はなく、夜に山が燃えていたってゲストハウスにまで延焼することはなかったし、ネコちゃんに魚を奪われたってもう悔しくありません。そう、ここではツーリスト側にも多少の度量の大きさが必要なのです。
 

ゲストハウスで迎えた爽やかな朝、過去の事件は遠い彼方に

ゲストハウスの食堂で朝食を摂る、僕ってやはり度量の大きな男だね!

翌朝には何事もなかったかのように目を覚まし、食堂へ向かう。そこでは昨夜ゴキブリを素手で潰したスタッフが、何事もなかったかのようにコーヒーを入れてくれるが、昨日の事件については何も語らず「今日はどこへ行くの」というツーリスト向けの挨拶を交わす。これってかえって気持ちが良い対応です。例えば私の方で、昨日のことを下手に話題に出したり今さら文句の表情を浮かべたら、こちらの度量の小ささを悟られかねません。
 

このゲストハウス自体が森の一角にあるような雰囲気があるが、食堂までは”山のコテージ”の階段を上って行く仕掛けがあります。すると食堂はまるでジャングルの中、ボルネオ(マレーシア)のジャングルで経験したことがある、樹上のジャングルトレイルを想起しました。
 
例のスタッフ兄さんは「どうだい、イイだろ」という感じで、またもや(ゴキブリを素手で潰した時のように)ステキなドヤ顔を見せる。この後、私は兄さんのドヤ顔を一日に一度は見ないと物足りない”症状”となります。
 

トゥットゥッでの移動の足、それは自転車を借りるのがベストプラン

昨日、長いバス旅からトゥットゥッにたどり着いたこともあり、始めの1~2日はトバ湖(サモシール島)を観光することはせず、トゥットゥッの周辺をブラブラうろつこうと考えていました。ただ、トゥットゥッ周辺はサモシール島の小さな半島部にあたり、私が滞在するLibertaは半島の付け根部分にあたります。つまりトゥットゥッ・エリアを反対側の端まで行こうとしたら、湖沿いに歩いて4~5kmはあるのです。まあ歩けない距離ではありませんが、やはりここは自分の足(自転車orバイク)を確保することをお勧めします。

これがLibertaで借りた自転車。実は、当時レンタル料はとられませんでした!さすがLiberta、私など、ここの食堂と自転車無料というのに惹かれたのか、また荷物の移動が面倒くさくなり、結局あの部屋で1週間滞在しました。
 

知らない街での最初のミッションは、居心地の良いカフェ探しです

ゲストハウスから自転車をこぎ出すと、すぐにトバ湖の湖面に出る。道は多少の起伏があるが、とくに運転がしづらいということはありません。まあ所詮、湖に浮かぶ島の湖岸を行くだけですから・・・ここではサイクリングライフが気持ちよく過ごすコツのような気がします。夕暮れ時のトバ湖を望む光景は、べタな言い方ですがまさに絵を見るような美しさでした。
 
私の場合、知らない街にたどり着いたときは、まず1日目に居心地の良いカフェを探すようにしています。私にとって常に必要なのは「逃げ場所」、気に入らない街や退屈な時間にあたっても、その場所に行けば何とか楽しく落ち着いた時が過ごせる・・・そうした場所を見つけることが初日のミッションとなります。トバ湖では結果的に1週間程度滞在しましたが、そのうちの多くの時間をカフェで過ごすことになります。
 

まず最初にたどり着いたのは「Horas Shugary」という高台から湖を望むカフェ

看板にあるWifiの表示に惹かれ入ったカフェ。外側からは判らなかったが、中から見るトバ湖は美しかった!
 

Wifiに何とか繋がれば、そこはとても素晴らしいカフェになる。注文した品が運ばれてくるまで、けっこうな時間を要したが、そんな退屈な時間も全く気になりません。やっと手元に届いたコーヒーの美味かったこと、サイコー!
 

「Orari Restaurant」は湖岸にすぐ出られるカフェ、ここから泳ぎに出られるよ(?)

トバ湖界隈のカフェでは”マジックマッシュルーム”の表示を出しているところが多く、そうした場所には例外なく人相の悪い男性がたむろしている。私自身はタバコもやりませんし、そうしたドラッグ類には全く興味がなく、この表示がある場所にはほとんど入りません!こちらもおそらく真面目なカフェの一つだと思われます。先に紹介したHorasは高台の上にあるカフェでしたが、Orariは湖岸にあるカフェ。まぁ泳ぎに行く人は見ませんでしたが・・・スイミングウェアを着こみザブンとひと泳ぎするのも一興では。さっそくジンジャーライムティーを注文、値段は当時Rp7000(約56円)でした。
 

「Juwita Café」でネコと戯れる、もうここを離れたくないよ!

店先でお姉さんたちが何かを一所懸命に作っている様子で、それを見たくて入店。ただ作業場所を通り過ぎた奥には、とても居心地の良い空間が広がっていました。店先だけでは好悪を判断できないことを実感。
 

こちらでは食事がてらナシゴレンをオーダー、とても上品な味付けでオイシイ上に安い(コーヒーと合わせRp23000:約185円)と感動をしていると、どこからか小ぎれいなネコちゃんが来ました。先日出会った魚泥棒のネコの記憶が生々しいですが、こちらのネコちゃんは見た目通り、とにかく行儀が良い。そばにずっとついているが、食べ物をねだるような下品な振舞いは全く見せません。背中やアゴをさすってやると、喉をゴロゴロ鳴らします。しばらくすると、お姉さんが店先で作っていたクッキーを持って来てくれる、と同時にネコちゃん用の食事も運ばれてきた。ネコちゃんの皿はやや離れた場所に置かれたため、しばし彼とはお別れですが、食べ終わるとまたこちらに戻ってきた。
 
甘さ控えめなクッキーをおいしくいただきながらネコちゃんと戯れる、すると、いつしか素晴らしいトバ湖の夕景が顔を覗かせる、なんて幸福な時間!


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