メダンを早々に離れ向かう先はブキッ・ラワン。ここに行く目的は、スマトラのジャングルを歩きながらオラウータンなどの野生動物を見つけに行くジャングルトレッキングという人が、おそらく100%を占めるのでしょうか。オラウータン目当ての人々が世界にこれだけウジャウジャといたのかと、とにかくビックリ仰天の場所がブキ・ラワンです。
ちなみに、私がメダンに滞在していたのは、ちょうどラマダン明けの休日(イドゥル・フィトリ)時期、これはイスラム教徒にとって最大の休日で、多くのインドネシア人は連続1週間の休暇をとる時期です。ただでさえブキッ・ラワンは現地で人気のデスティネーションなので、こんな時期に行っても宿がとれないぞと脅されていました・・・そこで休日最終日にブキッ・ラワンを訪問、宿は無事に押さえることができたが、果たして肝心のオラウータンには会うことができたのでしょうか?
 

ブキッ・ラワンへの行き方と宿泊事情

まずは、ブキッ・ラワンのアクセス方法・・・私が訪問した時期がちょうどラマダン最終日ということで、大勢のインドネシア人ツーリストが自分たちのクルマで来ていました。

なかには、上の写真のように巨大なトラックをチャーター、吹きさらしの車内では素人のバンド演奏に合わせ、皆さんダンシン~グ☆彡うるさいったらありませんが、楽しそうですね。私には、こんなスバラシイ青春時代を送った記憶がありません(非リア充)。後ほど述べますが、連休最終日のブキッ・ラワンはとにかく人・人・人の大洪水!よくこんな日に来たものだと感心してしまいました。では、私たちツーリストがアクセスする方法について、最新版の『地球の歩き方』の記載にしたがい説明します。
 

メダンからブキッ・ラワンまでのアクセス方法
  • メダン市内のピナン・バリス・バスターミナルからミニバスが6:00~17:00頃まで毎時2本運行、所要2.5~3時間、料金はRp35000(Rp10000=約80円)。また、ドアトゥドアのツーリストバスはメダン15:00発、料金はRp120000。
  • ブキ・ラワンのバスターミナルは村の入口から1kmほど離れており、ツーリストの拠点ビジターズセンターまで歩くかベチャで移動する必要がある。ベチャ料金はRp15000ほど。

 

ブキッ・ラワンの宿泊事情

ブキッ・ラワンのツーリストエリアは、ビジターズセンターから奥、バホロク川の両岸に広がり、シンプルな安宿や食堂がずっと連なっています。まぁよほどの繁忙期でなければ予約をわざわざする必要はありませんが、ラマダン明けの休日(イドゥル・フィトリ)などインドネシア人が大移動をする時期は、ここを訪れるのを避けた方が無難でしょう。
とにかく行けば判りますが、コテージタイプの宿が何軒も連なっているので、自分で気に入った場所を見つけましょう。ちなみに私はネコがいる宿を選びました。
 

休日&休日明けのブキッ・ラワン。え、あの人々はどこへ消えたの?

イドゥル・フィトリ最終日、ブキッ・ラワンへ向かうバスはガラガラ、さすがそんな日に観光地へ向かう人はいないだろうと我ながらアッパレと自賛していました。ただ、ブキ・ラワンに近づくにつれ、反対車線が大渋滞!こちらの車線にもクルマが紛れ込み、なかなかバスは進みません。そして、やっと着いたブキッ・ラワン・・・
 

見てくれぇぇ、このイモ洗い状態!連休最終日なんだから、今日くらい家に戻ってゆっくり休みなさい!しかもこんな山奥まで来て、帰りはずっと大渋滞が続いているんだよ、彼らがメダンに帰れるのは何時頃になるのでしょう。
 

再びイモ洗い状態のバホロク川を見てくれぇ~。夏の東京・秋川渓谷や埼玉・長瀞でさえこんなにキャンパーが集まらないよ!しかし、これだけ人がウジャウジャいる中で川遊びはしたくないなぁぁぁ。余談ですが、海やプールの水中で用をたしてしまったことがある人は7~8割という、うろ覚えな情報をお伝えします。
 

ちなみに、こちらは翌日のバホロク川。ほぼ同じ場所を定点観測で撮影してみました。川遊びをする人は誰一人いない、村を散策する人は誰もいない、静かな山あいの地で静かなリゾートライフを送るのに打ってつけですね。
 

祭りの最中と祭りの後を表した図。村のメインロード(土産もの屋街)もたった1日違うだけで、これほど雰囲気が変わります。
 

オラウータンは僕の隣りにドンっと飛んできた、そして笑っていた

ブキッ・ラワンに到着したその日(つまり異常な混雑の日)、私は早速オラウータンを見物しに、グヌン・レウセル国立公園のジャングルトレッキングに出かけました。

国立公園はこのバホロク川を挟んで南側のジャングル地帯。ここにオラウータンやトラ、サイ、ゾウなどが潜んでいるのかと思うと興奮します。川の上流部ではカヌーやチュービングを楽しむ人が大勢いました。
 

さすが連休最終日、川遊びをする若者は多かったが、時間がかかる上に疲れる(かもしれない)ジャングルトレッキングをしようという方は少数派。このグループでジャングルの中を分け入ります。
 
ちなみに、私がこのジャングルトレッキングに支払った料金は当時の記録を見るとRp20000(約160円)、これは国立公園入場料に加えレンジャーによるガイド料金も含まれています。ところが最新の『地球の歩き方』をチェックすると、3時間のジャングルトレッキングでRp375000・・・ヒェ~いつの間にそんなに値上がりしたんじゃ~とビックリしました。
 
ジャングルトレッキングに話しを戻します。皆さんでジャングルの中を歩くこと15分ほど、まあ道がしっかり整備されているため、ジャングルとは言いながら歩きやすく快適なトレッキングでした。到着した場所はオラウータンの餌やり場。
 

レンジャーが「ホッホッ」と雄叫びをあげ、木を揺するとオラウータンがさっそく登場!レンジャーからバナナをいただき、ご機嫌の様子かな。
 

結局2匹のオラウータンが餌やり場に来ました。実はこのオラウータン見学ツアーでは「カメラ持ち込み料」が請求されるそうだが、私はそれを知らずに払っていなかった。すると、別のレンジャーの方にツアー終了までカメラを取り上げられてしまい、この後の写真が撮れませんでした。仕方がありませんね。
 
ちなみにカメラを取り上げられた後はどうなったか・・・オラウータン2匹は木々を伝ってそこら中で遊びだす。グループの人数が少なかったためか、人のそばまで来てレンジャーが怒り出すとクルッと振り返り木を伝って消えてしまう。そして、しばらくすると、また誰かの近くに現れる・・・おそらくはイタズラ好きか好奇心が旺盛なオラウータンです。しまいには私がもたれかかっていた木にもドンと飛んできて、私の顔を覗き込もうとする。その時のオラウータンの顔は明らかに笑っていました。
 
オラウータン、君はなんてオリコウなんだ、というより私より知能が高いかもしれない。君のあのニコヤカな顔は一生忘れないよ。


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