ジャワ島クタパンからフェリーでバリ島に渡ると到着する街がギリマヌク(Gillimanuk)です。実はバリ島とジャワ島を結ぶフェリーはそのままクルマを積み込むことができるため、両島を行き来するバス路線の大半も、そのままフェリーに乗り込んでしまう。つまり、両島を移動する旅行者にとってはギリマヌクの街に繰り出す必要がなく、ここは単なる通過点、ひょっとすると通過したことさえ気づかない方も多くいると思います。

 
しかし、バリ島のリゾート地、例えばクタやサヌールとジャワ島のイジェンやブロモ山をバスで直接移動しようとしたら、どれだけ時間がかかるか、腰やお尻が悲鳴を上げてしまいそうな行程となってしまう。そう、私なら必ず居心地が良さそうな途中の街で休憩がてら宿泊をとります。そんな居心地の良い街がギリマヌク、ここで1~2泊程度、ゆっくり休んだ後、次の目的地に向かうことをおススメします。
 

ジャワ島クタパンからバリ島ギリマヌクまで移動の様子

クタパンとギリマヌク間のフェリーは1時間間隔で終日運行しており、料金は片道Rp8000(2018年現在、約65円)と格安です。
 

上記写真はクタパンのフェリーターミナルと、そこからほど近い場所にある鉄道駅(バニュワンギ駅)。この間は歩いて10分もかかりません。ちなみにジャワ島各地からツーリストバスに乗り込んだ場合、クタパン港(フェリーターミナル)で降ろされるはずなので、問題なくフェリーに乗り込むことができます。
 

フェリーから見る海は格別。イジェンやブロモの山々が遠くに見えますが、バリ島に近づくと白砂の美しいビーチが近づき、否応なく期待感が高まります。ちなみにこの海峡、実に多くの船が行きかっており、素人目には船舶が渋滞しているのではと映る箇所もありました。
 

ギリマヌクに到着、この街をずんずん紹介します

こちらは、グーグルマップからコピーしたギリマヌクの地図。フェリーターミナル(Ferry Port)とバスターミナル(Terminal Bus)の間は450m、徒歩6分と表示されています。ただ、ギリマヌクは地図がなくても問題なく歩けるほど小さな街、仮に道に迷っても「フェリー、フェリー、テルミナル(ターミナル)」「バス(ブスに近い発音)、ベモ、テルミナル」と言えば、誰かが道を教えてくれたり、親切な方に当たればそこへ連れて行ってもらえます。
 
フェリーターミナルから外に出ると、そこは(一応)大通りに繋がっています。

この辺り、インドネシア人の観光客をターゲットにしているのでしょうか、お土産屋がけっこうあります。店内をざっと見てみましたが、私たち外国人ツーリストではあまり興味を示さないものばかり。みうらじゅん風に言えば「いやげもの」が大半を占めるが、それも良しとします。
 

まあこの辺りはバリ島の田舎町そのもの、実にのんびりとした空気に包まれており、たまに子供たちとすれ違うと好奇の目とともに挨拶される。
 

ギリマヌクの宿泊事情

豪華な設備を備えたバンガローでトップシェフが勧める食事、昼は美しいプールでひと泳ぎといったリゾートライフは、ギリマヌクではまず無理です。しかし、ここにはバジェットトラベラーなら十分に満足がいく居心地の良い宿がいくつもありました。

フェリーターミナルから大通りに出ると、数百メートルの間に写真のような「ホテル」「ホームステイ」「ゲストハウス」の看板を掲げた建物を何軒も見つけることができます。私がこの街を訪れたときは、どの宿もほとんど宿泊者が泊まっていない様子、じっくりと自分好みの宿を探すことができます。
 

私が泊まったのは写真のバンガロー(Asih Homestay)で当時1泊Rp100000(約800円)。室内は広い上に清潔に保たれ、コスパに優れた宿。お宅は雑貨店を兼ねており水や簡単な食料はいつでも買うことができて便利でした。そこではお宅の子供さんが遊んでいることが多く、私が宿に戻るといつもキャッキャッはしゃいでいました。う~ん、イイね!
 

ギリマヌクの食事事情

この街では豪華なリゾートグルメは到底期待ができません。しかし、港から大通りにかけていくつかのワルン(食堂)があり、オイシイ食事にありつくことができます。

バリ島での食事といったらナシゴレン(焼き飯)にミーゴレン(焼きそば)といった方が多いのでは・・・でもそれじゃ味気ないよ!バリではナシチャンプルを食べましょうよ。ということでナシチャンプルの写真を上げました。ナシチャンプルの魅力については以前こちらの記事に書いたので、そちらをご覧ください。
ちなみに、このギリマヌクのワルンで特筆すべきものは2枚目の写真、豚肉専門のワルン(バビグリン)があることです。ご存知の方が多いと思いますが、インドネシアではイスラム教がもっとも浸透しており、豚肉が食されることは非常に少ない。ただ、バリ島ではヒンドゥ教がもっとも信仰されているため豚肉を供する店があり、とくに豚の丸焼きが名物料理となっていますが、このギリマヌクのような田舎町で豚肉ワルンがあるとは想像もしていませんでした。
 

ギリマヌクの街を散策する

ギリマヌクには目立った観光スポットというのは(おそらく)ありません。ただ、その分、気の赴くままに散策を楽しむことができます。
 

かなり大きなヒンドゥ寺院。最近に再建されたものと見受けられます。
 

平和な空気に包まれたバリ島の田舎町。正直申しまして、ジャワ島はややギスギスした冷たい空気が漂っていたことを思うと、心底安心できます。
 

浜辺に来ました。特筆すべきことは何もない浜ですが、かえって心が落ち着きます。陸に目をやると、オジサンたちが新しい舟を建造中。
 
う~ん、この街、本当にリラックスできます。例えば、クタやスミニャックなどのビーチは人がとても多い上に波が高く、とてもリラックスするような雰囲気ではない。ヌサドゥアやジンバランなどのリゾートではプールに入るだけですかね。ところが、この田舎町の何もないビーチなら誰にも邪魔されることなく、何時間でもいられる。静かでイイですよ。バリ島に来たからといって、有名観光地ばかりを巡っていても、ただ疲れるばかり。私なら、こうした場所で数泊滞在し、心のデトックスを図りたいものです。


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