どうも私にとってのインドネシア旅行とは、スマトラやタナトラジャといった現世とは異なる”あの世の世界”を覗き見するような場所にばかり興味が向かうのですが、そうした場所ばかり巡っていると疲れきってしまう。旅で出会う強いインパクトやインスピレーションに我が身を晒してばかりいると、そのアグレッシブな攻撃にいつか耐えられなくなり遂には倒されてしまう…まるで特撮戦隊モノの悪役の気分ですね。まあ、長い旅の途中でそんな感覚に襲われたとき、一時、アクセク動き回ることを中断し、落ち着いた物静かな場所でユックリと休息をとることが必要で、私ならばバリ島のウブドがそんな休息にうってつけの場所なのです。

 
これまでウブドには何回くらい滞在したか覚えていません。ただウブドも今や世界中から観光客が押し寄せる”癒しの観光都市”、目抜き通りのウブド大通り(Jl.Raya Ubud)やモンキーフォレスト通り(Jl.Monkey Forest)はツーリストで渋滞をつくることも多い。こうしたエリアはなるべく外して宿泊・滞在したいのですが、食堂や居心地の良いカフェ、ウブド王宮までは歩いて容易にアクセスできる場所には滞在したい。しかも、プラマ社(ツーリスト向け路線バス運行会社)のオフィスが近ければベターですね。当然、ゲストハウスはコスパ(設備が良い上に清潔、料金はRp200000=約1600円以内)に優れていなければ論外。意外にワガママな私!

 
こんな条件を満たす場所として、私ならスグリワ通り(Jl.Sugriwa)を推します。詳細なマップはグーグルマップなどで検索してください。この通りに滞在するもう一つのメリットは「情報センターAPA」が通り沿いにあること。この観光案内所はバリ島のオダラン(祭礼)情報にとても詳しく、遊びに行けば日本語が堪能なワヤンさんが懇切丁寧に多種多様な情報を教えてくれます。
 

こちらは私の常宿、場所は情報センターAPAのすぐ近くとだけ言っておきます。部屋はバンガローにしてはやや狭いですが、1~2人で泊まるには十分な広さ。部屋の前に設えられたテーブルでは常にコーヒーが用意されている上、ここで中庭を見ながら食べる朝食は豪華さはないが格別のおいしさ。
 

しかも、このゲストハウスの強烈なベネフィットは、何軒か先にある少々お高い宿のプールが自由に使えること。どうも宿のオーナーが親戚同士らしい。う~ん、極楽ゴクラク!
 
とまあ「ウブドの中心街でも探せばいくらでもコスパの良いステキな宿が見つかるよ」という話しを続けてきましたが、こうした宿に滞在しながら、美しい田園風景の中で散策を楽しめば、すさんだ気持ちもどんどん清く浄化されていくもの。では、ウブド癒しの道を散歩してみましょう。
 

癒しの散歩道の出発点は「グヌン・ルバ寺院」(Pura Gunung Lebah)

ウブド王宮からウブド大通り(Jl.Raya Ubud)を西に500mほど進むと見えてくるのがグヌン・ルバ寺院の入口。ここは、ウブド発祥の地と言われる由緒正しき寺院ですが、緑に覆われた閑静な境内に立ち入るツーリストはかなり少なく、気の赴くままに見学することができます。

ちなみに、こちらの方は私にスバリ村への道順を教えてくれた方。スクーターに乗るワンちゃんって・・・癒しだな~!
 

愛の丘(ブキッチンタ)を歩く

グヌンルバ寺院から緑の中を道なりに進んで行きます。多少坂があるが登山道というほどではなく、とても歩きやすい道。ハイキングと言って身構えてしまうようなお姉さんでも安心ですよ。
 

寺院から歩いて10分も経たないうちに、ご覧の草が生い茂る丘の中の1本道となります。こちらの道、私はとくに意識なく写真におさめていたのですが、後ほど『地球の歩き方 バリ島編』を立ち読みしていたところ、ここは「愛の丘」と名付けられた観光スポットのようですね。
愛の丘ってさぁ・・・このB級感あふれるネーミングが妙にツボにはまる。まるで韓流ドラマに出てくる名前、記憶を失った主人公がこの愛の丘を歩くうちに…ウッここはと言ってなぜか記憶を取り戻す…チープなストーリーについ笑みがこぼれます。しかも、この殺風景な景色と「愛の丘」というネーミングの間に横たわるギャップ・・・例えばドイツの某ロマンチック街道などはネーミング負けをしていません。しかし、ここが「愛の丘」?どこで恋人同士が愛を囁き合うのでしょうか?ここでキスをしようものなら周りから丸見え、どこからか子供たちが湧き出て冷やかされるのは必至ですね。
 

スバリ村に到着、ネコの寝姿に癒されます

愛の丘にツッコミを入れながらもしばらく歩き、バンキアンシダム村を通り過ぎるとスバリ村に入ります。田園風景は私たち日本人にとって見慣れたものと思います、が、若干の違和感が生じる。やはりここは南国バリ島ですね。
 

バリ島名物ライステラス(段々田)も見えますが、さらに美しいライステラスをご覧になりたい方はタバナンまで足を伸ばすことをおススメします。
 
こちらの村で目立つのはワークショップやギャラリー。そういえば新庄剛志さんって一時期、バリ島ウブドで絵描き修行をしていたそうですね。ひょっとしたら、この辺りに滞在していたのかもしれません。そんなギャラリーに目をやると・・・

うわ~カワイイゼ!ヒンヤリとした大理石の上は絶好の昼寝場所なのでしょう。日本のネコの様な嫌らしい警戒心はなく、私が隣に座ってもずっと寝入っています。あまりにも気持ちよさそうな顔で寝ているので、少々ちょっかいを出したくなる。頭を撫でると、喉をゴロゴロ鳴らしながら顔を上げるが、やはり目はつぶったまま。頭を撫でるのをやめると、また大理石の地べたに全身をつけて寝入るネコ。う~ん、癒される~!


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