ウブドからレンタバイクを使い日帰りツーリングを楽しんだ記録の続き。前回記事で紹介したバンリの見学を終え、キンタマーニ方向へと思いましたが少々疲れを感じてくる、バイクをいったん南に向け、タンパシリンを目指しました。

ちなみにタンパシリンに関する予備知識はほとんど持っていなかった。ただ手元にはガイドブックのコピーが残っており、それによれば「ティルタ・ウンプル」という美しい寺院や、「グヌン・カウィ」という大きな石窟遺跡、テガラランというバリ島を代表するライステラス&ビュースポットがあるらしい。これは興味がそそられる、タンパシリンに行ってみようじゃないですか!
 

道中にはコーヒー農園が点在、そのうちの一軒でコーヒーを無料でいただきます

バンリから北へバイクを走らせると、コーヒー農園の案内が目に付くようになる。バリ島名物”バリコピ”という、粉をカップ底に沈殿させて飲むコーヒーは、バリ島の飲食店ならどこでも飲めるもの。また、”コピ・ルアック”というジャコウネコの糞に残る、消化されきれないコーヒー豆から抽出したコーヒーもご存知の方が多いのでは。せっかくコーヒー農園があるのなら、見学してみたいと思うのが私の性分なのです。

こちらのコーヒー農園、看板に”Welcome”とあるので、堂々と入ってみました。しかもジャコウネコの絵とLuwak Coffee(コピ・ルアック)の表示がある。つい期待をしてしまいます。
 
入口の門番さんに英語で話しかけると、少し待っていろとのポーズ。しばらくすると判りやすいインドネシア英語(完全なローマ字発音で、無音のRを強調する)を話すガイドが登場しました。彼によると、こちらの農園は無料で見学ができる上、いろいろなコーヒーの試飲もできるとのこと。Lucky!
 

園内はかなり広く、コーヒー豆以外にカカオも植えられています。彼は慣れない(?)英語で説明をしてくれるが、それがかえって理解しやすい。ちなみに、彼の写真を撮ろうとしたら”No~”と大きく手を振る。バリで写真を嫌がる人はけっこう少ないはずだが……。
 

園内にはウロチョロとうろつくアイツ、そうジャコウネコがいました!こいつの糞が世界最高級のうちの1つと言われるコーヒーをつくりだすのです。
 

眺望が良い広場の一角にテーブルが設えられ、いよいよ試飲タイムです。え、これ全て無料なの?とガイドの顔を覗き込むが、どうぞどうぞと勧められる。上一列目は「バニラコーヒー、チョコレートコーヒー、ココナッツコーヒー、ジンセンコーヒー、ココア」と続く。どれも程よい甘みがあり、とても美味しかった!ちなみに右下には「Coffee Luwak Rp50000」とある。せっかくお世話になったのに無料の表示に甘えてばかりいるのも申し訳が立たない。意を決して注文したら……突然の来訪客のためか準備をしていないとのこと。残念!
 

ティルタ・ウンプル寺院で敬虔な祈りの場を見る

コーヒー農園で道の確認をし再びバイクを走らせる。さほど迷うことなくティルタ・ウンプル寺院に到着です。
 

寺院に入るとまず目に入るのは大きな沐浴場。老若男女を問わず、多くの方が沐浴に励む姿は心打たれるものがあります。
 

沐浴場の奥にはティルタウンプルのメインスポット「聖なる泉」が清らかな水をたたえ我々を迎えてくれます。この泉が発見されたのは962年、ガルンガンの日には泉を使ってバロンの仮面の清めの儀式が行われるとのこと(『地球の歩き方 バリ島2018~2019』の完全なる受け売り)。
 

聖なる泉の正面には広場があり、祭礼が行われている。
 

ただ、私はこの地の祭礼とは全く関係がない単なる旅行者。言葉も通じない中、土足で立ち入る無礼な振舞いは避けて、この寺院を立ち去りました。
 

グヌン・カウィの巨大な石窟

ティルタ・ウンプル寺院で、オーストラリア人のバイカー(バリ島在住!)と出会う。彼と少し話すと、これからグヌン・カウィやテガラランに同行してくれるとのこと。再びLucky!私、この地の地理に詳しいはずがなく、実は心細かったのです。
 

美しい田園風景が広がる一角でバイクを停める。グヌン・カウィへは、ここから石段を10分ほど下っていくらしい。
 

ココナッツを削るオジサンの先に、グヌン・カウィの石窟は広がっているのです。
 

やってきましたグヌン・カウィ。こちらはワルマデワ王朝第6代王家の陵墓で、写真1枚目は王妃の陵墓、2枚目は王家の陵墓(のはず)です。インドのアジャンタやエローラといった巨大な石窟寺院の影響がインドネシアに伝わった証左として、貴重な石窟遺跡とのこと(再び『地球の歩き方』の受け売り)。
 

こちらの遺跡内を流れる水がとにかく美しい。まるで日本の渓流地を散策している錯覚に陥るが周囲の景色は熱帯、やはりインドネシアを旅しているのだなぁ。
 

テガラランはツーリストの大渋滞、これほど有名な観光スポットだとは知らなかった!

グヌン・カウィを出発し次に目指すはテガララン、しかし、ここに到着する手前からクルマが渋滞している。そう、このテガラランはバリ島を代表するビュースポットの1つだったのです。え、本日訪れた他の観光地ではツーリストがほとんどいなかったよ!
 

何とかバイクの停車場所を探しライステラスを見ましたよ、そして写真を撮りましたよ。ただ、これでテガラランはお終い。田んぼを見渡せる場所はカフェになっており、けっこうお高い値段をとる。しかも、田んぼを歩く人が多く、写真を撮れば人が写りこむ。ダイタイねぇ、バリ島ってウブドから郊外へ繰り出せば、どこも似たような景色ですよ。私は早々に飽きてしまい、オーストラリア人の彼も「それ見たことか、だから俺はここにはあまり来たくないんだよ」とそこまでの嫌味は言わないまでも、明らかにそうした態度をとる。もうウブドに戻ろう、僕、疲れてしまったよ!実はオーストラリア人も疲れた様子で、ウブドまで私を案内した後、食事の誘いをこちらが言う前に立ち去ってしまったのでした。


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