バリ島の海岸沿いにある寺院として、まず思い浮かぶのは夕陽の名所「タナロット寺院」や、ヌサドゥアやジンバランからほど近くケチャ公演でも名高い「ウルワツ寺院」でしょうか。確かにこれらの寺院は周囲のランドスケープも素晴らしく、その場に身を浸すと風景や舞台に自分が一体化した錯覚を覚えるような幻想的な場所、必須の観光スポットです。

上の写真は私が2012年に訪れたタナロット寺院で撮影したもの。これほど夕日が映える場所は、世界中で見てもそう多くはありません。しかし私はここで待ったをかけたい!タナロットやウルワツは美しいです。ただ、観光客があまりにも多いため祈りの場としての魅力に欠けるきらいがあり、寺院特有の敬虔な雰囲気がかなり失われている点に私は不満を言いたい!
 
バリ島の海岸沿いにある寺院として挙げるのなら、私が一番おススメしたいのはゴア・ラワ寺院なのです。ここでは数千羽のコウモリが飛び交う洞窟が祀られており、洞窟前の祭壇で他の方の真似をしながら祈りを捧げると、敬虔な気持ちが湧きあがると共にかなり異様な雰囲気が味わえる。寺院正面から道を隔てたすぐの場所には黒砂の海岸が広がり、海岸では毎日、祈りが捧げられる光景が見られる。ビーチ自体はお世辞にもさほど美しいとは言えませんが、祈りの姿はとても神々しくバリでもっとも印象的な光景の1つとなります。

 

まずは昔話から、1991年に訪問したゴア・ラワ寺院の様子

私がまだ若き大学生だった頃、バリ島を旅行しゴアラワも訪れていました。その際の写真を紹介します。

大きな洞窟の前にはいくつかメル(塔)があり、洞窟内にはびっしりと無数のコウモリが止まっていることが確認できます。ただ、寺院境内に建物がほとんど建っておらず、参拝客の姿も少ない。
 

寺院の正面に海岸が広がっている点は今と変わりはないが、現在は祭礼の場として賑わいを見せる海岸がこの頃は静かな漁村であったことが判ります。この20数年後ゴアラワを再訪することになるが、昔の写真を見ると(公開できませんが)ゴアラワの景色以上に自分の外観が変わってしまったなぁと実感。今、学生の方も20年経ったらただのオヤジになりますよ~!
 

話しを現代に戻し、2010年代のゴア・ラワ洞窟寺院の様子を紹介

昔話は脇に置き、今回訪問した記録を続けます。

ベモ(ワゴン車バス)でたどり着くと、すでに祭礼衣装に身を包んだ参拝客で賑わいを見せる。私も用意していたサルン(巻き布)とサファリ(白いシャツ)、ウドゥン(帽子)を身に着け参拝に挑みます。
 

この門から内側に入りますが、衣装の準備をしてこなかった西洋人バックパッカーは入場を断られていた。宗教施設に立ち入ることは本来センシティブな行為、地元の方が行うマナーをわきまえておきたいもの。ちなみに衣装の準備がない場合、門前でサルンの貸し出しを行っているので、少々のチップ(喜捨)を払ってレンタルしましょう。
 

寺院の境内には11層と7層のメル(塔)が建ち、その奥に洞窟があります。1991訪問時よりは新しくなった祭壇が洞窟前に鎮座する。今日は(やはり)祭礼が行われていますね。サルンを巻いた外国人観光客も何人か境内に入場していますが、祭壇前では皆さんが祭礼衣装を着ているため、外国人観光客が洞窟近くにまで行くことは難しそう。
 

しかし、祭礼衣装をある程度着こんだ私は堂々と洞窟前まで行き撮影を難なくこなす。ビッシリとへばりついたコウモリの大群が、とにかく気味が悪いです。
 

寺院正面の海岸、祭礼の様子

実はベモでゴアラワに到着した際、海岸に目をやると祭壇がつくられていたため、これから何かしらの祭礼が行われることは判っていました(→実はほぼ毎日、常に海岸では何らかの祭礼が行われていることを後で聞いて知る)。
 

洞窟寺院の参拝を終え海岸に戻ると、海岸に供え物を運ぶ大勢の人たちに遭遇。私も列に加わります。
 

私も祭礼衣装を着こんでいるため参列者に溶け込み見つからないだろうと勝手に思っていたが、やはり外国人だと判ってしまうのですね。子供たちを中心に記念撮影です
 

波打ち際で皆さん座り、祈りの時を迎える。私は少し離れた場所から、何を祈れば良いのか判らずただジッと見つめていました。
 

祈りを終えた後はどうするのか・・・供え物を海に流すのです。ここで海洋汚染を心配する方もいるかもしれませんが、そうした心配はご無用。供え物は全て果物などの食品や植物由来の原料で作られたものなので、魚たちの食料になったり自然に分解するもの。ヒンドゥ思想の根源にある輪廻の考えを体現した行為と言えるのでは。
 
 
ゴアラワでの参拝は非常に満足のいくもので、衣装をあらかじめ用意していたこともあり、参拝者の方々と一緒の列に加われたことは素敵な体験となりました。次はパダンバイに向かいます。


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