しばらくのピチット滞在を終え次に向かった先はカムペーンペット、ここにはスコータイ王朝遺跡の1つとしてユネスコ世界遺産に指定された遺跡群があります。私自身、世界遺産には全くネームバリューを感じていませんが、朽ちゆく古い建造物には目がない!とくに東南アジアのラテライトでつくられた赤い遺跡が木々により押し潰されていく様子に強い哀愁を感じます。例えば・・・

カンボジア・シェムリアップを代表する遺跡の1つ、タプローム。私は2002年以降いく度となくここを訪れていますが、近年は外国人観光客が激増し雰囲気は全くぶち壊し!ちなみに上の写真は2002年訪問時のもので観光客の姿は皆無でした。朽ちゆくものの哀愁を越えて霊気漂う、まさに異界のタプローム、懐かしいなぁ。
 
スコータイと比べ遥かに知名度に劣るカムペーンペット、ここは私が求める哀愁漂う遺跡だったかどうかは・・・まあ人が少ない点では満足かな。
 

ピチットからカムペーンペットに向かうのは・・・簡単です

私が滞在していたピチットは外国人観光客が皆無の街で、アルファベットがほとんど見当たらない。バスターミナルでもタイ語で記された案内があるだけで、理解不能な私は発狂寸前…とはなりません。ただ、「カムペーンペット」の発音に自信がなかったため、あらかじめスマホでカムペーンペットのWikipediaサイト(タイ語版)を表示しておき、それをもとに情報を聞きだしました。
 
すると、すぐにカムペーンペット行のバスが出るとのこと。ただ、ここでバスと言うと語弊が生じるかも。タイの地方都市では我々が想像するようなバスではなく、ハイエースなどのワンボックスカー(一般的にロットゥーと呼ばれる)が公共交通としてよく使用されています。ピチットからカムペーンペットまではほぼ1時間おきにロットゥーが出ており、所要1時間半、料金は当時で80バーツでした。
 
あらかじめ遺跡の紹介ページを見せたのが功を奏したのでしょうか、上の写真にある時計台の脇で降ろされる。どうやらそこが街の中心で、遺跡公園へのアクセス場所にもなっているようです。
 
しかし中心街で降ろされても、ここは土地勘のない場所。ただ、中心街を流れる川(ピン川)沿いに宿がいくつか点在していることはグーグルマップで表示されていたので目指したところ、それなりに居心地の良いゲストハウスが見つかりました。

この写真では小さく写っていますが、川の中ほどにフローティング(?)仏像がありますね。ファンタスティック!
 

カムペーンペット遺跡群の巡り方

カムペーンペットの遺跡群は歴史公園として整備され、中心街からほど近い「城壁内の遺跡群」(チャーンカーンラオ)と、城壁から数百メートルほど離れた緑地に点在する「城壁外の遺跡群」(アランヤイック)の2ヶ所に分散しています。「城壁内の遺跡群」だけなら中心街から徒歩で十分ですが、メインはやはり「城壁外の遺跡群」。ここも徒歩で・・・まあ何キロも歩くわけはないし可能ですよ、ただ私なら無理!自転車で周ることをおススメします。レンタサイクルは、ゲストハウスで相談するか、遺跡群の入口に貸自転車屋があるので、そちらでお借りください。ちなみに私はゲストハウスにて無料で借りました。
 

カムペーンペット遺跡群を巡る:城壁内(チャーンカーンラオ)

ゲストハウスでいただいたガイドマップを見ながら、サイクリングのスタートです。まずは中心街の時計塔から歩いてもほど近い(おそらく5分以内)城壁内の遺跡群から巡ります。

ワットプラタート(Wat Phra That)

先ほど図書館で『地球の歩き方 タイ2019~2020』を借り、その解説から引用。ここには「スコータイ様式のチェーディー(仏塔)と礼拝堂跡が残っている」とのこと。ちなみにこのチェーディーはカムペーンペット独自のスタイル(この解説はWikipedia…笑)。まあ、私としてはラテライトが帯びる哀愁が感じられるかどうかがポイントですが、まあイイんじゃないですか。
 

ワットプラケオ(Wat Phra Kaeo)

ワットプラタートの隣りには、やけに長い回廊を持つ遺跡が出現。こちらはワットプラケオ、バンコクのエメラルド仏が祀られていたという伝承をもつ王室寺院。
 

これぞ僕が見たい絵面なのです。2体の坐仏像と寝仏、皆さんステキなお顔をしています。穏やかですねぇ、和みますねぇ!仏塔の前に座り瞑想する仏像もス・テ・キ。ちなみに『地球の歩き方』の解説・・・「比較的四角い顔、つながった眉をもつ仏像は、アユタヤ王朝時代のウートーン様式」、ウートーン様式って何とお思いの方に、私のウンチクを披露したいのですが・・・それは別の機会に譲ります。タイの美術史で1つ記事を書きますね。
 

カムペーンペット遺跡群を巡る:城壁外(アランヤイック)

ワットプラケオそばにある城壁から外に出て500mほど進むと、城壁外歴史公園(アランヤイック)の入口があります。この広大な歴史公園には数々の遺跡が点在しており、さすがに徒歩では辛そうです。私の場合、ガイドマップをいただいてしまったので、それらの遺跡を全て制覇!そのうち主なものを(ほぼ)写真だけで紹介します。

ワットプラノーン(Wat Phra Non)

今回のキーワードが哀愁なら、このラテライトの柱ほど哀愁を帯びたものはないでしょう(いい加減な解説!)。実はUFOの発着場所ではと疑ってみます(やる気のない解説!)。
 

ワットプラシーイリヤポット(Wat Phra Si Iriyabot)

スコータイでもお馴染みの立仏ですね。こちらの仏像は高さ9m、ありがたや~!
 

ワットシン(Wat Sing)

個人的にはもっとも好きな寺院遺跡。仏像の表面にはおそらくタイル状の装飾が施されていたのでしょうが、それらが剥がれ落ち悲しそうな表情を浮かべています。う~ん、哀愁!
 
 
遺跡だけを見続けていくうちに、どんどんボーっとなる。記憶が上書きされ、何を見たのか、何を見ていないのか判らなくなってきました。自分がいま通った道は、はたして初めて通った道かどうかも疑わしくなってくる。もう頭がクラクラ。今後の遺跡巡りは、1日3ヶ所くらいに留めておこうと誓うのでした。


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