ミャンマーを代表する観光地バガン。せっかくここまで来たからにはオールドバガンと呼ばれる城壁内エリアとその近隣に点在する寺院遺跡群を巡ることが目的、というかそれ以外の目的が考えつきません。確かにバガン城壁内の寺院はどれも規模が大きく見応えは十分、しかも狭いエリアに見所が凝縮しているため、観光がとても便利。一つ一つの寺院はいずれも個性的でスバラシイ・・・などと言っても、わたしゃ学者や寺院・遺跡マニアではありません。いくつもの寺院を一度に見てしまっては記憶が散漫になるのは致し方がない。例えば京都や奈良を訪れ観覧した寺院をいちいち覚えているような方はよほど記憶力が優れた方、尊敬します。
 
そう、これが観光をするうえで辛い点なのです。ガイドブックに記された見所を、なるべく1つでも多く巡りたくなるのが人情、やれXXパヤーだXX寺院だと足を棒のようにしながら見てまわり、疲れ果てた状態で宿に戻る。翌日も同じような日々が待っているとしたら・・・こんな旅行うんざりです!

バガンの地を訪れた私にとって、この旅行記は当時の記憶との闘いでもありますが、とりあえず私の記憶法の秘訣、いかに記憶や印象を数年間を忘れないようにするかを伝授すると・・・写真を多く撮っておくのは当然ですが、1ヶ所につき1~2点ほど印象に残る事物を見つけ記憶に留めることが大切。例えばA寺院には変顔の仏さまがいたとか、B遺跡にはネズミの大群がいたとか、そんな印象を具体的に書き留めておくことです。とりあえずこの記事では、私のそんな記憶からオモシロ~と思った点だけを抽出して書きたいと思います。
 

バガンはレンタサイクルで巡るのが便利、何と言っても小回りがききます

バックパッカーなど多くの観光客が滞在するニャウンウーから、観光のメインエリアであるオールドバガンまでは片道6~7kmの行程、さすがに歩いてまわるのは無理がある。幸いニャウンウーの街なかにはレンタサイクルやレンタバイク店が軒をつらねています。バガン周辺は平坦な道が多く、サイクリングコースとしてGood!何と言っても自転車はバイクやタクシーよりも小回りがきくため、お気に入りスポットを見つけやすい。バガンの足は自転車がおススメ。
 
レンタサイクルの料金は、最新の『地球の歩き方 ミャンマー』(2018年9月発行)によれば1日レンタルで1500~2500K(約120円~200円)、マウンテンバイクで5000K(約400円)とのこと。安い!
 

オールドバガンの寺院遺跡、私のオモシロポイントを抽出して紹介

移動の足を確保したところで、オールドバガン観光に出発!ニャウンウーから、途中で寄り道しながらオールドバガン(城壁内)に向かう。およそ1km四方に張り巡らされた城壁内にバガン王朝時代の主要な建造物が集まるエリアは、1日中いても退屈はしません。
 

マハーボディー・パヤーの見所はいきなりの電光掲示板?

オールドバガンでまず始めに訪れたのはマハーボディー・パヤーという寺院。こちらはまさかインドと見紛うほどの高い尖塔(ストゥーパ)が特徴的で、この時点では寺院巡りに飽きが生じていないためか、素直にスゴイな~と感動。かわいらしい仏像様を写真に収め、寺院裏手に回ります。
 

エーヤワディー川の光景と人々の優しさ

私が学生だった頃はイラワジ川と教えられたエーヤワディー川。この雄大な流れと川と共に生きる人々の営みををマハーボディー・パヤーのすぐ裏手で見ることができます。
 

寺院よりも、こうした光景の方がよほど印象的だと思うのは僕だけではないはず。しかしガイドブックには寺院だけが記され川の光景に関する記載はありません。川を眺められる小屋(茶屋?)で腰を下ろすと、お茶とバナナがテーブルに供される。一通り食べ終わり、お金を支払おうとすると”いらないよ”という素振り。一通りの謝意を伝えましたが・・・、ミャンマーでは貧しく見える方々から、かえって”施し”を受ける機会が多かった。おそらく私がよほど疲れ切った姿でみすぼらしく映ったのでしょうか、ただ旅人に対する優しい眼差しを随所で感じられるミャンマーはステキな国です。
 

ブー・パヤー

エーヤワディー川沿いに建つこちらの寺院は、この景色を見るために来訪する方が多いと思いますが、実は仏塔内のド派手な仏様が私は好き。
 

ミャンマーを旅するとあちこちで出会うことができるピッタインダウンの像、いやこれはゾージーの像でしょうか、いずれも「投げれば立つ」姿で縁起モノ(日本で言えばダルマですね)。かわいらしいオメメとボウシがステキです。
 

シュエグーヂー寺院:私が訪れた頃は仏塔に上ることが可能でした

エーヤワディー川の景色を十分に堪能した後はシュエグーヂー寺院に向かいます。マハーボディーパヤーから歩いて10分もかからない場所に建つこの寺院は、仏塔を上った回廊から見るバガンの光景が有名でした・・・。

左に見える大きな寺院はバガンで2番目の高さを誇るゴドーパリィン寺院でしょう。バガンの美しい光景を俯瞰していると、後ろから流暢な日本語で話しかけられる。振り返ると、そこにはカワイらしい女性が微笑んでいました・・・。
 

ここで、ロマンスがウンヌンという話しになればネタにもなるが、そんな都合の良い話が生まれるわけがありません。彼女は日本語ガイドで、あわよくば営業をしたかったのでしょう。「あの寺院は●●寺院、そこにはオモシロい逸話がありますよ」などと話しかけてくれるが、私の方がなぜか気乗りがせず素っ気ない態度をとってしまう。むこうから近づいてきた者には警戒すべしという、旅での癖がつい出たのでしょう。ただ、彼女はとても優しい心持のようで、立ち去る際に「一緒に写真を撮りましょう」と言ってくれたのにホッとする。う~ん、冷たくあしらうような態度をとってしまいスミマセンでした。
 

タビィニュ寺院:バガン最大の高さを誇る寺院

シュエグーヂー寺院で少々気マズイ出会いを終え、急ぎ足で近くの寺院を見学します。そこはタビィニュ寺院、61mの高さを誇る、バガンで最も高い寺院です。

うん、高いですね~、四角い様式の形が独特ですね~とガイドブックに書かれた情報って大してオモシロくありません。この寺院で最大の見所は、ずばり仏像です!かなり大きな仏像様のお顔はとてもユーモラスだが、どこかで見たことがある気がする。え、これってデジャヴなんて思っていたら、そう、あのビリケンにそっくりでした。大阪・通天閣名物のビリケン像は幸運の神様としてお馴染みですが、これって20世紀初頭にアメリカでデザインされたもの。まさかミャンマーのこの黄金像からデザインをとったとは思えませんが、もしかしたらどこかで目に触れ記憶に残っていたのかもしれません。う~ん、デジャヴ~。
 
 
オールドバガン城壁内にあるこれらの寺院を見てまわるだけで、かなり疲れてきてしまった。城壁のすぐ外側には、バガンで最も有名なアーナンダ寺院などがあるが、それを観てまわる気力がない。これが短期旅行なら全て1日で詰め込んでしまうのでしょうが、まぁミャンマーには約1ヶ月滞在する予定、おいしい料理は後に取っておくことにします。


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