私は自転車でかなり時間をかけてバガンの寺院遺跡群を見てまわりましたが、どの遺跡も見応えがありスバラシイ。ただそれって誉め言葉のつもりが、実はネガティブな意味も内包している。例えば、毎日ステーキ・焼肉・寿司・ウナギと食べていれば腹は一杯、もうご馳走はいらないからソバやパンだけでイイとなりますよね?バガンの遺跡も同様の状況、ガイドブックに記載された遺跡群を巡るだけでも腹一杯。しかも記載から漏れた寺院遺跡でも味わいのあるものが実に多い。以前も書きましたが、歴史的重要性や宗教的意義についてはガイドブックで学べるが、そうした情報って見た目のインパクトに勝てるはずがない!私のような一般的な旅行者・観光客にとって遺跡との付き合いは表面的なモノ、その点は研究者が長期間かけ真摯に同じ遺跡(研究対象)を見続けることとは異なります。うんゲスな言い方をすれば、まさに男女の関係と一緒。ちらっと見てすぐに通り過ぎる旅行者(=男/女)にとって、遺跡(=女/男)に求めるものは、その深い中身よりもルックス重視になるのは当たり前!?

とまぁ長い前置きになりましたが、私が言いたかったのは、バガンではかなりの寺院遺跡を見たが、ほとんど記憶に残っていないこと。前回記事までにニャウンウーやオールドバガンについて紹介したが、それ以外にもミィンカバーやミンナンドゥ村を含めかなりのエリアを周りました。しかしその大部分が記憶から欠落しているとなると、悲しいぜ!そこで、ここでは私がいまだに覚えているインパクトある寺院を、ガイドブックに掲載される有名寺院に限定し3ヶ所紹介します。
 

これまでに紹介した寺院遺跡のおさらい:オールドバガンはかえってインパクトが弱い?

前回前々回記事でニャウンウーとオールドバガンについて紹介しましたが、私個人の感想ではニャウンウーのゲストハウス街から歩いて行ける寺院ですでに見どころをカバーしていると思う。
 

シュエズィーゴォン・パヤーはやはり必見の寺院!

ニャウンウーのゲストハウス街から10~15分も歩けばたどり着くこの寺院、その外見上のインパクトは絶大!

まばゆいばかりの金・金・金、巨大な獅子も金。ゴールドの輝きに目がくらむ。
 

仏塔の頂を見ても黄金の神々が踊っている。裏参道から外へ出れば、またしても巨大な獅子が!クルマもヒトも、とにかく小さいのなんのって、まさに怪獣出現です。
 

ニャウンウーのマーケットで日常的な暮らしに触れる

これは寺院遺跡ではないが、ニャウンウーに滞在していたら必見の場所。バガンは内陸地にもかかわらず、かなり多量の魚が売られている。エーヤワディー川の豊かな恵みですね。また、女性たちは髪を結い、中で留めている方も多い。これ、正面から見たらちょんまげのようですね。
 

オールドバガンから外れた場所こそ見応えがある!私の記憶に強くインプットされた巨大寺院

私の個人的な思いを述べるとオールドバガンから外れた場所こそ、素晴らしい寺院が点在している。そのうち必見の巨大寺院は、アーナンダ寺院、マヌーハ寺院でしょうか。つまり、これにシュエズィーゴォン・パヤーを加えた3ヵ所が(私が独断で選ぶ)バガンで必見の寺院遺跡となります。
 

アーナンダ寺院:バガンでもっとも有名な寺院だが、やはりここを訪れねばバガンは語れない

現役の仏教寺院として、とにかく見応えがあるアーナンダ寺院。本堂内に延びる34mの回廊に高さ9.5mの仏像が東西南北の四方に配置され、とにかく圧倒されます。私は西側から入場したようで、前方にナツ神が立つ奥に釈迦牟尼像がありました。
 

南側の迦葉仏と北側の拘楼孫仏、こちらの2体は創建当時のものが残されている。とにかく巨大で、柔らかく微笑む姿に優しさを感じる反面、なにか下心を見透かされていそうで恐ろしくなる?
 

拘楼孫仏の足元にも多くの神様が鎮座しています。お祈りオイノリをせねば!ちなみに回廊にも多くの仏さまが我々のことを見ています。う~ん、そんなに見られたら恥ずかしいぜ!
 

マヌーハ寺院:巨大な寝仏はインパクト大!

ミィンカバー村にあるマヌーハ寺院は、オールドバガンから2kmほどの場所にある、ミャンマー大衆に人気の寺院。

例の日野自動車製ボロバスが境内に停まる寺院には、参拝客が大勢駆けつけていました、
 

まずは黄金のお釜に賽銭を入れて参拝の始まり。さほど特徴のない長い建物に行列ができているので私も並ぶ。
 

なんじゃこの巨大な寝仏は!建物は狭い上に人が多く、とにかく息苦しい。ただ、寝仏様の優しい眼差しにギスギスした気持ちは、どんどん和らいでいく~不・思・議。
 

こちらの仏像も巨大です。マヌーハ寺院の仏さまは、とにかく眼差しが優しい点が心に残る。そう、日本の厳しく突き刺すような眼差しとはまったく違うのです。この温和な表情に惹かれ衆生の者たちが押し寄せてくるのでしょうか、今を生きる寺院として私が好きな場所です。
 
 
私の記憶に残る寺院として3ヶ所を挙げました。さらに加えるのなら、ナガーヨン寺院とスラマニ寺院がインパクトのある寺院だと個人的には思います。つまりこの5ヶ所がバガンで訪れるべきTop5かと言えば・・・私の個人的な感想よりは、皆さんが実際に見て判断するべきでしょう。なお、私が本当に好きな寺院遺跡は、オールドバガンやニャウンウーの周辺にある名もなき寺院遺跡となります。あのカエルの邪神のような遺跡や、地面からタケノコのように生える妙に傾いた寺院など、まぁそうした遺跡はガイドブックには載らないでしょうが。前々回の記事で登場した韓国人の舞踊家も、ガイドブックには載らない名もなき寺院の前で舞の奉納をしていたのです。約3000の仏塔があると言われるバガンでは、各々の琴線に触れる寺院遺跡を各々で見つけ出すことが最大の楽しみ!バガン、いい場所だなぁ~。


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