バガンからインレー湖を目指していたが、ミャンマーの暑気と名物・油煮浸し料理(カレー)に当たってしまったようで、疲労がなかなか抜けません。事前にインレー湖(ニャウンシュエ)までのバスチケットを予約していましたが、所要8~9時間のバスに乗りたくない私はその3時間ほど手前にある街カローまでに変更、(期待していなかったが)若干のチケット代金の差額を払い戻してもらう。
 
さて、カローの街は標高1320mの高原地帯にあり、イギリス統治時代から避暑地として開発がなされた街とのこと。疲れを癒すのに打ってつけの街・・・ただ、カローを来訪する方の大半は、山岳民族の村々をトレッキングすることが目的だそう。ただでさえ疲労がたまっているのに、トレッキングなど絶対に無理です!ここは、街なかを普段歩く範囲内で見てまわり、カローを少しでも堪能しようと考えました。
 

カローは深い山あいに広がる小さな高原タウン

バガンからカローまではバスで約6時間の道のり、まぁこの程度なら、いくら具合がイマイチでも余裕・・・?

バガンからカローまでの道は意外に遠い

繰り返します。バスで約6時間程度なら余裕だろうと考えていたら大間違いでした!途中から険しい山岳地帯に入り、ヘアピンカーブのたびに身体は大きく左右に揺さぶられる。

こうした山岳路線に慣れていないのってクルマにはめったにに乗らない現地の方、しかも子供を連れた方だと…ご想像つくでしょうか?私の後方にいた子供連れのお母さんが2人とも車酔い、しかし袋などを持っていなかったため、おそらく吐瀉物がイスなどに飛び散っている様子でした。
 
混みあうバスの中でこうした状況にぶち当たり、私は下を向きながらスマホの音楽を聴くふりをして周囲の環境からシャットアウト。あぁマイッタなとブツブツつぶやいていたその時、私の隣りに座っていた若い美人女性がサッと布を取り出し、後ろの母親に渡す。さりげなくも凛とした行いは彼女にとっては当然かもしれないが、私にとってはなかなかできない。素晴らしいです!

カローに到着すると、お姉さんにとっても目的地だったようで一緒に降車。思わず写真を撮らせていただきました。真新しいロンジー(巻きスカート)やバッグがステキ。
 
バスが停まった場所の正面にすぐゲストハウスを発見。宿を探し回る気力もなく、空室を確認し即チェックインします。

2枚目の写真は、翌朝に宿の窓から撮影したもの。朝モヤが谷間にこもる光景は幻想的かな?
 

宿の近くの寺院を見る

ミャンマーと言えば仏教寺院。街なかをうろつくための許可と安全を願うため、寺院が近くにあるのならば、まず始め簡単に参拝にうかがうことを習慣にしています。
 

この寺院はAung Chan Tha Paya、街の中心部にあるランドマーク的な寺院。まずこちらの寺院を参拝した後、宿の道路向いに見える高台に建つ寺院を訪れます。
 

Thein Taung Phayaはさすが高台にあるため、街を一望できる。どこを見ても山・山・山です
 

こちらはMyoma Kyaungというお寺。この像ってサカナorドラゴンor人魚?お茶目な表情に思わず笑みがこぼれる。
 

カローの街なかを観光する

先に記したが、カロー観光のメインアトラクションは村々を巡る山岳トレッキング、実は私もエスニックカルチャーのウォッチャーを自認。しかし、今は具合が悪く休養をとるためにカローに滞在する身、ここはトレッキングを我慢して街なかの観光に留めます。
 

街はずれにある、ステキな別荘群

カローの中心街はとても小さく、200~300mも歩けば街はずれになる。ただ、中心街から離れると、そこはイギリス人たちが築いたコロニアルな別荘が多く残されています。これだけステキな別荘なら、僕も住みたくなる。
 

私のもっとも目を引いた建物は1枚目の木造建築。コロニアルな様式を踏襲しながら、シャン族の伝統を活かした建築は見事。2枚目の教会は洞窟寺院へ行く途中にあったバプティスト教会。
 

シュエウーミン洞窟寺院は、あまり大きな期待はせず訪れるべし

カロー中心街から15分ほど歩くと到達するシュエウーミン洞窟寺院、カローで一番有名な観光スポットとのこと。宿のお姉さんも薦めていましたが・・・

真新しい仏塔が林立する寺院境内。ここを抜けると洞窟があるのですが・・・写真に撮るとキレイに見えるが、ハリボテ感が否めなず悪い予感がする。
 

洞窟に入る。壁は石膏で塗り固めているが、窟内はかなり広いと言っておきます。チープ感が否めないなどと正直な感想を漏らしてしまっては元も子もない。これだけのモノをつくるご苦労を偲べば、チープだB級だなどと言っては申し訳が立ちません。 

実は後にピンダヤの洞窟寺院を訪れるのですが、そこと比較すると・・・いや、比較することすら許されません。ただね、地元の方に愛されるこの洞窟寺院、B級(!)ならではの味があり、私は好きです。
 

カロー最大の見所はマーケット、とくに5日に一度開かれる五日市は必見!

宿の裏手には大きな市場があり終日人出が見られましたが、宿の方が言うには五日市の賑わいはそんなものじゃない!ぜひとも見ていけと勧められる。このカローが属するシャン州はもともとシャン族など少数民族の居住エリア、カロー滞在を1日延ばし、五日市を見学することにしました。
 

高原の朝はかなり寒い!にもかかわらず、宿まで響く人々の声に市の賑わいが判ります。私も散策をスタート。
 

まずは市に来ている方を撮影。なぜか若い女の子の写真が多くなる・・・。
 

次に売られている商品をチェック(私、サラリーマン時代は食品を中心とした対アジアマーケティング&コンサルティングを生業にしていまして、つい食品市場が気になるのです)。焼いたヘビやカエルが多く売られているのはサスガですね。サカナをさばく若いお姉さんは、都会を歩いていたら、まるで韓流ポップスにはまるナウい(!)人。包丁を握る手がなぜか場違いに映る。
 

こちらは、おそらくこの地の少数民族ウオッチャーにとってはお馴染み、パオ族の方だと思います。ちなみに2枚目の写真はポッパ山で撮影しました。パオ族女性の衣装と言えば、黒や紫の単色衣装と頭をターバン状に巻いたタオルが特徴的。一説では、タオルを前に突き出しターバン状にすることで龍を表現しているとのこと。文献を調べたわけではなく私の勝手な解釈ですが、龍など部族の守護動物を頭上に冠したトーテム信仰の一種と言えるのではないでしょうか。
 
 
カローの街なかを十分に満喫したつもりですが洞窟寺院は少々消化不良、しかもシャン州では五日市が持ち回りで毎日どこかの街で行われているらしい。そろそろインレー湖(ニャウンシュエ)に行こうと考えていたが、ここは寄り道してピンダヤに向かうことにします。


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