インレー湖周遊で私がもっとも行きたかった目的地はインデイン。ここには無数に林立した仏塔に加え、朽ちかけた遺跡群や映画インディージョーンズにも登場しそうな奇怪な石像が数多くあると噂で聞いたことがある。まあ、バガンで見た石像と比べたら、それ以上にインパクトがあるものはソウソウないだろうとタカをくくっていましたが・・・スミマセン、インデインのインパクトも凄い。こんなことを言っては何だが、ミャンマーで見た中でもっとも禍々しい石像でした。ただね、奇怪な造形は禍々しさといった負の印象を払拭し、ユーモラスで穏やかな印象がどうしても勝ってしまうのです。
 

インデインに至る道はけっこう遠かった

イワマで水上マーケットを見学し終え、再びボートは出発。船内では、イワマをボートが出る際に声をかけてくれたお姉さんがかなり美形だったなぁとオヤジトークで盛り上がる。

そうこうしている内に、ボートは湖から小さな水路へと入るが、これが長いナガイ!1時間ほど水路を進む中、私がオモシロいと感じたものは川に架かる橋。屋根付きの立派なものがあったり、ただ丸太を架けただけの恐怖心を抱きながら渡らなければならぬものまで、多種多様な橋がありました。
 

インパクト抜群のインデイン遺跡を紹介

川の景色に飽きてきた頃、やっとインデインに到着した様子。船頭に促されるまま上陸します。

子供たちの歓迎を受けながら遺跡を目指します

上陸後、小学校の脇を歩くと、まあ見慣れぬ外国人一行が通ったからでしょうか、何人かの子供たちがすぐに駆け寄り、私たちにチョッカイを出し始める。Hello~Helloと何回言ったことか、終いには先生も出て来てHello~Hello攻撃が始まります。子供であろうと集団が嫌いな私は、すぐその場所を離れてしまいグループメンバーとは別々になる。
 

インデインの集落に住む方々は、おそらくパオ族でしょうか。ちなみにインレー湖周辺に居住する少数民族としては、あの独特な漁を行うインダー族がとくに有名ですが、パオ族の人口も多く、ネット上では「バスタオルを頭に巻いた少数民族」として取り上げる方が多いですね。ただ、インダー族もパオ族もシャン族系に含まれるエスニック集団で、外見上からその違いを判別することは私にはできません。こういう時、その道に詳しい方がいると心強いのですが・・・。集落正面の小高い丘に多くの仏塔が見えますが、それはどうも目指すべき場所ではないらしく地元の方が指で示す方向に歩いて行く。
 

朽ち落ちたインデインの遺跡を巡ると、奇怪な仏像が私を呼んでいる!

集落から5分ほど歩き見えてきた遺跡群は、素人目にはバガンで見たものとさほど変わりはないものでした。

いずれも素晴らしい遺跡群ですが、これまでタイやカンボジア、またミャンマーのバガンなどで古い遺跡や仏塔を観てきた私にとってこのインデインは・・・評価を差し控えます。
 
私は遺跡の専門家ではなく、その歴史や図像の意義を理解しているわけがありあません。単に古く朽ちた仏塔として観る旅人にとってインデインの遺跡群ってこの程度のモノかなと思っていたところ、ふとどこかから私のことを呼んでいるような気がした。そちらの方向へ歩を進めると・・・
 

この寺院遺跡に突き当たる。両脇を神々が守る入口をくぐると・・・
 

どうも私のことを呼んでいたのは、この仏像のようでした。細い身体に似合わない大きな頭と手はインパクト抜群です。朽ち落ちた壁に埋もれることなく、いまだに金箔の輝きを持つ姿は、私にはカケガエのない唯一無二の仏像のような気がする。まぁ他の人が見てもどうってことはナイ仏像かもしれませんが・・・。
 

この寺院遺跡に残された壁画も妙に味がある。描かれたのは、たぶんつい最近でしょう。歴史的価値も芸術的価値もなさそうですが、ふくよかな顔と耳に加え、柔和な微笑みをたたえた仏様がとても神々しく映ります。
 
まぁ「仏像が呼んでいる」というのは大げさですが、1ヶ所ステキな寺院を見つけると周囲には他にも私好みの寺院が集まっていることが判る。
 

例えば、こちらの遺跡。木に浸食される姿は、カンボジアのサンボール・プレイクックを彷彿とさせる光景です。有名なカンボジア・タプロームはあまりに巨大ですが薄暗く、こうした凛とした明るさは感じられません。
 

中に入ると、この仏像が鎮座している。アニメでは、マジメな委員長タイプだが融通が利かず一悶着を起こすキャラクターといった感じでしょうか。
 

インデインの現役寺院を参拝

インデインの遺跡群では他にも奇怪な仏像をいくつも見つけましたが、私個人の感想としては前者2体と比べるとインパクトは弱いかな。まぁ自分好みの造形を求めうろつくことをおススメします。と、ここまで遺跡に時間を費やしたが、このインデインでは現役の寺院を参拝することが本来の目的で、新旧おびただしく建立された仏塔を見学することにします。

お土産屋が立ち並ぶ参道を進んで行くと・・・
 

脇には古く崩れかけた仏塔群に混じり、最近建てられた真新しい仏塔が数多く点在します。
 

参道の突き当りには、金色の仏塔があまた建つエリアとなる。金色の仏塔…イイですね、でもミャンマーをまわると、こうした仏塔が林立する場所って大概の街にあるのですよ。地元ミャンマーの方にとっては、この場所こそが参拝の目的地で、グループ参拝者も見られましたが、私にはやはり朽ちかけた、あの遺跡群に心惹かれる。参道をすぐに戻り、再び奇怪な造形の仏像を探しに遺跡群を巡るのでした。


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